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2023.01.04

「公立学童・民間学童」どちらを選ぶ?それぞれを選んだ理由と感じる「学童格差」について聞いた!



小1の壁のひとつに、小学校入学後の「放課後の過ごし方」があります。放課後に子どもを預かってくれる学童は働くママにとっては欠かせない存在です。しかし、都心部では特に共働き家庭の増加と共に、民間学童ビジネスが発展し、学童とひとくくりにはできないほど「内容やサポートに差がある」状況となっています。
高いお金をだせばフルサポートつき、面倒見の良い民間学童に入れられる、いわゆる「学童格差」が起きていると言われていますが、本当でしょうか?

今回はまず公立学童と民間学童の違いについて、その後に実際に民間・公立学童にいれたママたちの体験談を紹介します。

公立学童と民間学童の違いとは


公立学童
・保護者が働いているのが条件
・小1〜小4くらいまでが多い(人数制限による)
・基本的に18時前後までの預かり、夕食はなし
・月に5,000円〜8,000円前後

民間学童
・基本的に希望して空きがあれば入れる
・大手塾や教育事業社による組織的な学童も増えている
・小1から小6まで対応しているところが多い
・施設によるが夕食の提供もあり
・残業にも対応(夜8時〜9時までの預かりもあり)
・学童内で専門家による学習指導やオプションの習い事がある
・学校、家への送迎がある
・月に30,000円〜100,000円前後

*学童にも色々あるので、上記はあくまで目安です。

「公立学童にした・民間学童を選んだ」ママたちの理由とは

「月10万でも民間学童を選ぶ理由」
公立学童は児童館にありますが部屋が足りず、低学年は小学校隣のマンション1階を借りた場所で預かってもらいます。仮校舎みたいな感じだし、通っている子どもが「大声だしたり駆け回ったりすると、周りの家から文句がでるから」と怒られたと聞いて、微妙に思いました。いっぽう、小学校の正門前には下校時になるといつも2台のミニバンがあり、聞けばそちらは民間の学童という。
調べてみると、施設は広々としており、清潔で新しい。カリキュラムも豊富で、学童の中でタブレット学習や通信教育ができ、体操やピアノも別料金ですが習える。送迎専門の運転手さんもいるし、子ども達は外遊びしたい子はスポーツの指導者と公園へ、本が好きな子は図書コーナーへ、工作がしたい子のために様々な用具が揃っていて木工細工まで行える、実際に見学してみて、勉強時間はしっかりとした指導があり、自由時間は豊富なプログラムで楽しそうに過ごしているのを見て、費用が高くても毎日の放課後を過ごすのだから、価値があると思いました。週5日で約10万弱。確かに高いですが、子どもに与えられる環境と思えば納得もします。ちなみに年収は夫婦合算で1,100万くらいです。それでも、ひとりっ子だから出来ることかな、とは思いますね(Nさん/子ども 小2)

「小2くらいまでなら公立学童でも充分」
上の娘も公立の学童にいれましたが、小3になってすぐにやめました。2年間程度なら、設備や内容が充実していなくても、最初のうちは子どもも喜んで通いますし、一応宿題タイムとかもあるし(特に指導はないので、やらない子はやりませんが)、それでいずれ、子どもも学童を嫌がってきますから、そうしたら辞めさせればいいだけです。だったら、何も高い料金を払って民間学童を探さなくてもいいのでは。公立学童は学校のすぐ側ですし、遊びに行く公園は同じクラスの子たちも来ているから、普段通りの顔ぶれで、学校の延長のように過ごせます。残業が多く夕飯も食べさせてもらえる所がいい、勉強も見てもらえる、そういうのが必要な人には民間学童は助かると思いますが、普通に考えて公立学童でも充分だと思います(Aさん/子ども 小1・小5)

「週2で民間、残りは公立学童で」
夫は普段から10時前後の帰宅、私も残業をしないとキャリアとして全うできないような状況です。本来はサポート万全の民間学童で放課後を過ごさせたいのですが、なにしろ高い! そこで、週2日を民間学童にして、この日に私は残務仕事を片付けるようにしていますし、子どもの習い事(送迎もしてくれるので)や学校の勉強でわからないところも民間学童の方で必ず見てもらうようにしています。うちの公立学童は曜日を選べるので、残りの3日は公立の学童です。クラスの仲良しと学校近くの公園でみんなで遊べる公立学童、ガッツリ勉強も見てもらえるし、他の小学校の友だちもできる民間学童、苦肉の策ですが、コスパもいいし、これが我が家にとってはベストの放課後対策かなと思っています(Yさん/子ども 小1)

学童格差って感じてる?

「行かせたくても行かせられない学童格差」
うちの近所でも、数年前から民間学童が数カ所できました。特にそのうちのひとつはコーチャーと呼ばれる指導員の数が多く、さらに看護師が常にいて、外国人の先生の他、勉強を教える専門の元小学校教諭もいて、プログラミングからソロバンまで曜日ごとに習えるようになっています。おやつも手作り、夕飯も事前に頼めば2種類から選べるし、スイミングなど習い事への送迎もしてくれる、そして時間になれば専用車で家の前まで送ってくれる、とにかく至れり尽くせりです。が、パンフレットの料金表を見て愕然。週5日通わせると月に10万以上かかるんです。
とてもじゃないですが、ウチではまかないきれません。公立学童は18時お迎えが鉄則、通勤に40分以上かかる私は残業もできず、時短はとっくに終わっているし、結局、お迎え場所が保育園から学童のある児童館に変わっただけで、いつも駅から走っている。変な言い方ですが、うちも生活が苦しいとか貧乏というわけでもない、でも子育てしていると色々な場面で「格差ってあるよな」と実感します・・・(Hさん/子ども 小1)

「同じエリアでの住み分けという格差」
住んでいる地域は駅周辺の再開発地域に住む人と、少し離れた地域に住む住民との収入格差も大きい。通うスーパーも違うし、同じ学校へ行かせても、放課後に行く学童が違う。夏休みは特に差を感じた。高い民間学童では、夏休み中も科学館へ出かけたり、大きな公園で飯ごう炊飯したり、自由研究もその為の時間があって、プリントに計画をたて、必要な資料を図書館へ借りに引率もあったらしい。いっぽう、わが子が通う公立学童は勉強タイムこそ決まっているけど「その間も、紙飛行機とか飛ばしてる子がいて、うるさいし勉強なんてできないよ」と娘が言ってた。天気が良ければ近所の公園に行くが、行きたくない子も「一緒に行かなくてはいけない」、外遊びが嫌いな娘は「普段は我慢できるけど、夏休みは長いから嫌!」と泣き出す始末。お金が全てではないが、収入によってこれほど子どもの放課後環境さえも違ってしまうのか、と、思う(Oさん/子ども 小3)

民間学童ならすべて良いのだろうか

「民間だから良い、公立だからダメというわけではない」
預かってくれる時間、家までの送迎、施設の充実度などは、当然ですが民間学童のほうが勝っています。でも、内部で子どもを見守る先生たちは、正直、公立でも民間でも、似たり寄ったりではないでしょうか。公立の学童でも子ども好きで熱心な先生や、大きいお兄さん・お姉さんのように面倒をみてくれる先生もいます。でも、中には放置している先生もいるみたいだし、「えこひいきする」ってウチの子なんかは嫌がっていた時期もありましたし。
では民間学童がいいのかと言えば、「英語教育」と華やかな広告をうっているのを見ましたが、「いや、今はネイティブの先生いなくなっちゃって、英語のアニメ観てるだけみたい」と、子どもを通わせているママが文句を言っていましたよ。別の民間学童は、経営者が途中で変わったらしく、こちらは保護者と大きなトラブルになっていました(Rさん/子ども 5歳・小4)

「結局は学童施設の指導員次第」
私が知る限りでは、桁違いに高いなと思う民間学童はやはり運営もカリキュラムもきちんとしていますが、そうでない場合には、結局、経営者と働いている先生や指導員次第だと思います。学校の先生だって失礼ながら「あたり・はずれ」があると感じるし、あとは子どもとの相性とかもあるじゃないですか。学童は、例えば残業が多いから夜遅くまで見てもらいたいとか、受験する予定だからしっかり学習サポートがあるところ、と、明確な希望があるなら民間へ、そうでなければ、公立学童にいれ、子どもが嫌がるようなら早めに自宅で過ごす方法を考えたほうがいいのでは、と、思います(Sさん/子ども 小3)

放課後の過ごし方は学童だけではない


毎日のことですから、子どもがどう放課後を過ごすかは働くママにとっては大きな問題です。

学童格差はあるのかもしれません。でも、小学校に入ったら、子どもの行動力や思考力はグングン伸びていきますから、放課後の過ごし方も「学童」のみで考えずに、例えばひとりで留守番することや、習い事に通うこともチャレンジさせてみてはどうでしょうか。

誰か大人の見守りがあって子どもが安全にすごすことは大切です。でも、ずっと誰かが寄り添い、両手で抱えるように守ることはできないのです。親が思っている以上に、子どもの心は強く大きく育っていきます。小1では学童が最優先の選択肢ですが、他にも色々な方法があります。次回の記事では、小1で学童にいれない選択をしたママたちの経験談を紹介したいと思います。

※この記事は2019年10月に公開されたものです。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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