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2020.01.15

知っておきたい!ワーママのためのハラスメント対策って?



いま職場の“ハラスメント(嫌がらせ)”をなくそうとする運動が国内外で広がっています。
例えば、映画プロデューサーによる女優へのセクハラ告発を発端としたアメリカ発の「#MeToo運動」や、職場でのパンプス・ハイヒールの着用強制に反対する日本発の「#KuToo(靴×苦痛の掛詞)運動」など・・・。

初の国際条約も


徐々にハラスメント被害者が声をあげる中で、2019年6月には国際労働機関(ILO)の総会で「職場における暴力と嫌がらせ(ハラスメント)を禁止する国際条約」が初めて採択されました。条約は、各国の政府や雇用主に対して、ハラスメントを起こさない・起こさせないための対策づくりを求めています。
ちなみにその前年のILO総会では、職場のハラスメントに関する各国の現状が報告され、日本については、労働者の45.2%がパワハラを受けていたとする調査(2012年)が紹介されていました。
このように働く人の2人に1人近くがハラスメントにあっている現状にもかかわらず、じつは日本ではこれまで職場の「パワハラ」をカバーする法律がありませんでした(「セクハラ」は男女雇用機会均等法で、「マタハラ」は育児・介護休業法でカバーされています)。

雇用主の皆さん、パワハラ対策が義務化されました!


2019年6月、ついに日本で「パワハラ」をカバーする「労働施策総合推進改正法」が公布されました!
この改正法にそって施行までの1年以内に、雇用主は職場のハラスメント対策をすることが義務付けられています(中小企業は3年以内の努力義務)。
まだ対象範囲や具体的事例などは曖昧な点もありますが(現在指針をつくっているところ)、「千里の道も一歩から」。1つ前進したかな~と思います。
というわけで、いま皆さんの職場や取引先では、急ピッチで「就業規則の見直し」や「ハラスメント相談員の任命・専門研修」、「全従業員に対するハラスメント知識教育」などを実施しているところがあるかもしれません。

簡単にSNS等で情報が流されるこの時代、ひとたび職場内でハラスメントが起これば、企業の評判の低下、人材の流出、生産性の低下、裁判等による賠償問題などの大きな問題(最悪、人の命にかかわる事も・・・)を引き起こす可能性があります。そのため、「ハラスメント対策」はいまや企業にとって重要な「リスクマネジメント対策」の1つにもなっています。
なお、法律では、ハラスメントに社外の人間が関わっている場合も、雇用主には解決のための協力・対応義務があるとされています。

職場の3大ハラスメントって何?


「○○ハラ」っていろいろな所で使われますよね・・・例えば「モラハラ(モラルハラスメント)」や「アカハラ(アカデミックハラスメント)」など・・・。
その中で、働くママさんにふりかかる可能性があるハラスメントは、主に以下の3つになります。

「パワハラ(パワーハラスメント)」:優位性を背景に、業務の範囲を超えて、精神的・身体的に苦痛を与えたり、職場環境を悪化させる行為。
「マタハラ(妊娠・出産・育休・介護休等に関するハラスメント。父親に対するパタハラも含む)」:上司が同僚からの言動によって、当該労働者の就業環境が害されること。
「セクハラ(セクシュアルハラスメント)」:職場における性的な言動について当該労働者が不利益を受けたり、就業環境が害されたりすること。

と、ハラスメントの語句説明は簡単にできても、加害者(行為者)との関係性や個別の状況によって、それが本当に「ハラスメント」なのか「業務上の適正な行為」なのか、見分けにくいことも多いと思います。

例えば、最近注目された語学学校における「マタハラ疑惑裁判」では、1審(地裁)は「労働者側の勝訴(会社はその年のブラック企業大賞にもノミネート)」、2審(高裁)は「労働者側の敗訴(会社への名誉毀損があったとして労働者側に支払い命令)」という、真逆の判断がなされました。この裁判では、2審で「保活に関する新証拠(乙102号証)」が提出されたという特殊事情もありますが、このように、”ハラスメント”かどうかは、見る角度や焦点によって大きく変わる可能性があります(なお、このケースは現在は最高裁に上告されており、今後の判断に注目が集まっています)。

私自身について考えてみると、20年近く会社員として働き、今思うと「大昔のあれは、ハラスメントだったのでは?」と思うことは、なきにしもあらずです・・・。
例えば、取引先のお偉いさんとのデュエットをカラオケで強要されたり、出張で女性がいる店に同行させられたり、手を握られたり、抱きつかれたり・・・(行為者は全て別の人間)。
まあ、20年前は”ハラスメント”という言葉さえメジャーではなく、学校を出たばかりの20代の小娘だったので、心底イヤだと思いつつ、そういうものだと半ば諦めていました。
今だと、「それ、完全アウトでしょ!あり得ない!」ということも、昔の職場では、けっこうアルアルだった気がします。

いや、もしかしたら今でもまだアルアルかもしれません。最近、民事裁判で被害女性の勝訴判決が出た「元テレビ局記者による就活女性に対する事件」の経過を見ると、ああ、まだ化石のような意識のオジサンが生息しているんだな(まさに英国BBCの特集番組名の通り、「Japan’s Secret Shame(日本の秘められた恥)」)、2019年のジェンダーギャップ指数(男女格差指数)が日本は153カ国中121位という、過去最低になるわけだ・・・とガックリします(ちなみに、敗訴になった元記者は控訴したそうです・・・)。

ただ、昔と違うのは、ハラスメント被害者が泣き寝入りをせずに少しずつ「声を上げ始めた」点でしょうか「ハラスメント」に関する周囲や社会的認知の広がりもあると思います。

また、ワーキングマザーの声やニーズなどを届ける「場」として、BRAVAのような記事媒体が増えてきたのも、とても重要な変化だと思います。

ハラスメントされた時の対処法


この記事を読んでいる皆さんの中にも、働く中でハラスメントを受けている人がいるかもしれません(なんたって日本の労働者の2人に1人がハラスメント被害経験者)。
それでは、もしハラスメントを受けたらどうすれば良いか・・・・。

実はハラスメントをしている人の殆どは、「無意識にその行為をしている(自分の行為がハラスメントになるとは思っていない)」そうです。
そのため、その人に”気づき”を与えるためにも、一度、イヤだという意思表示をハッキリするのは大切かもしれません。
でもなかなかその人との関係性などによって、声をあげにくい場合も多々あると思います。
そのような場合、考えられるのは、以下のような対処法になります。

★可能なかぎり加害者(行為者)と距離をとる
仕事上の接触を必要最小限にする、なるべく距離を取る、など可能な限りやってみてください。

★記録をつける
○月○日○時にどこで何をされた、などの詳細な記録メモをつけておくと、外部に相談する際などでも役に立ちます。

★信頼できる誰かに相談する(1人で悩まない)
家族でもいいし、友人でもいいし、同僚でもいいと思います。もし必要があれば、以下のような第三者機関に相談しても良いかもしれません。
あるいは、職場内の相談窓口や、取引先(大企業なら)の相談窓口を利用できる可能性も・・・。

厚生労働省委託事業「ハラスメント悩み相談室(相談無料)
電話 0120-714-864
メールの受付もOK
セクハラ・マタハラ・パワハラ・何でもOK
https://harasu-soudan.mhlw.go.jp/

もしこの記事を読んでいる人の中で、今現在ハラスメントを受けている人がいたら、とにかく1人で悩まず、いろいろな手段を考えてみて下さい。

個人的な意見ですが、何となく、ハラスメントをなくす第一歩は、一緒に働く人とのコミュニケーションを大切にすることかな・・と思います。
それと、ニッコリ笑いながらバッサリ断る勇気や、角が立たないように冷静に対応できる強さ、ウラで協力者を募ったりする戦略立案能力なども・・・。

日本社会全体でハラスメントへの認知や意識が高まって、今より(特にワーママにとって)もっと働きやすい職場が増えることを心から祈っています。

市口 芳江

市口芳江

4歳の子どもを育て中。保育園には足を向けて眠れません。


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