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2021.04.22

<医師が回答>疲労と疲労感は違う!疲労回復のための対処法とママたちお悩み相談



子育てと仕事、それに加えてコロナ禍で家族が家にいることが増えて家事が増加、また休憩の取りづらいテレワークのせいで以前より疲労が溜まっていると感じる人は多いのではないでしょうか?
そもそも疲労ってどんなもの?蓄積するとどうなるの?という疑問から、対処法や摂取したいサプリ、ママたちの疲労に関するお悩みに、日本初の疲労専門クリニックであるナカトミファティーグケアクリニック院長の中富康仁先生が回答してくれました!

そもそも疲労って?疲労が起こるメカニズムを解説!


ズバリ!「疲労」とは…パフォーマンスが低下すること。作業効率が落ちるなど、実際に頭や体にたまったダメージと定義づけられると中富先生。
似ている言葉に「疲労感」がありますが、こちらは感覚のことで、脳で感じていることを指すそう。例えばどこかへ旅行に出かけて帰ってくるとどっと疲れを感じるという経験は誰しもがあると思いますが、これが疲労感。旅行中は楽しいという感覚が勝り、疲れを感じる感覚が麻痺してしまい、このようなことが起こるそうで、疲労感はしばしば麻痺してしまうことがあるそう。その他、カフェインを摂取すると体力を前借りしている状態になるため脳を麻痺させてしまうのだとか。その結果慢性的に疲労につながることもあるそうで、注意が必要です。
また疲労は体が発する危険信号で、「痛み」「発熱」と並ぶ三大生体アラームのひとつ。痛みや発熱とは違い、サインがわかりづらいのでついつい放置してしまいがちですが、病気の症状として現れる場合や、病気が隠れている場合もあるとか。たかが疲労と思わずに変だなと思ったら医療機関にかかることが大切です。
さらに疲労は体へのダメージと回復力のバランスが崩れることで発生。回復力が低下するとダメージが溜まり疲労となってしまうといいます。
具体的には細胞内ではエネルギーが作られる時、同時に活性酸素、いわゆる酸化ストレスが作られてしまい、これが疲労の原因になると言われています。この活性酸素を体内で処理すること、いわゆる抗酸化ができれば疲労は回復しますが、抗酸化できないと活性酸素によって細胞が傷つき、休息をとっても疲労が回復できない状態に陥ってしまいます…。

疲れを溜めない!疲労回復のための対処法


疲労を回復するためには活性酸素による酸化ストレス(ダメージ)と抗酸化物質による抗酸化力(回復力)のバランスを取ることが必要となります。これを実現するためにはエネルギーを産生することと、活性酸素の抗酸化が重要になってきます。この2つを行うためには疲れを取るのではなく、溜めずにこまめに回復させることが鍵になってくるのだとか!そのために最も大切なのが睡眠。ある程度の時間を確保し、質の良い睡眠を取ることが大事だそうです。
またこまめな休憩や偏りのない食事、カフェインを常用しないこと、適度な運動で体の底力を上げておくことも良いとか。さらに手軽な対処法として抗酸化作用を持つコエンザイムQ10などのサプリメントを摂取することもオススメだと言います。

加齢とともに減少…還元型コエンザイムQ10を積極的に摂取!


中富先生のクリニックでも疲労でお悩みの患者さんに処方しているというコエンザイムQ10のサプリメント。その中でも体内で効果を発揮し、高い抗酸化力を持っているのが還元型コエンザイムQ10。
食品だと肉類や魚類に多く含まれ、さらに元々体内にある物質ですが、特に40代以降、加齢とともに減少してしまうため、食事だけではなく、サプリメントで補ってあげることが必要だそうです。
また還元型コエンザイムQ10は体内でエネルギーを生産するミトコンドリアに作用し、疲労の回復に必要なエネルギーの産生と活性酸素の抗酸化の両方を担当する成分なんだとか!

ママたちの疲労悩みを先生にぶつけてみた!


疲労のメカニズム、回復への対処法などを様々レクチャーいただきましたが、最後に疲労に関するママたちのあるあるなお悩みを中富先生に聞いてみました!

Q1:在宅勤務による家事や家族の世話の増加、ひとり時間の減少で疲労を感じています。どうしてもやる気が起きないときもあり、どのようにすれば前向きに取り組めるようになりますか

A:疲労回復には「ダメージ」「回復力」「リズム」この3つのバランスが大切になってきます。やらなければならないことばかりを考えず、睡眠や自分の時間をできる限り取ること。またパソコン作業などにありがちなのですが、ずっと同じ作業に集中すると疲労が知らない間に蓄積してしまっていることがあるので適度に休憩する時間を取り、リフレッシュすることをオススメします。そうすることでダメージを抑え、メリハリのあるリズムが生まれてやる気もアップするのではないかと思います。

Q2:年齢を重ねるにつれ、疲労が抜けにくくなりました。即効性のある疲労回復法はありますか?

A:即効性のある疲労回復法は残念ですがありません。疲労回復の対処法でもお話させていただいた加齢とともに減ってくる還元型コエンザイムQ10などをデイリーに摂取するなど元々必要な体の要素をきちんと摂っておくことが大事です。また勘違いしてしまいがちなのが睡眠の質が低下して疲労が起こっているのに、加齢のせいにしているという場合もあります。加齢のせいにするのではなく、睡眠を見直してみることも必要です。

Q3:在宅で仕事をしていると子どもが寝静まった後に仕事をしなければならないこともあり、睡眠が細切れになってしまいます。質の良い睡眠を取るためにはどうすればいいでしょうか?

A:睡眠は量と質が大切で、両方必要なものです。やはりある程度の長さを取らないと回復しにくいので、常日頃ちゃんと長さを確保して、たまに短くなってしまうのはしょうがないかなと思います。また同じリズムも大事で、同じ時間に朝起きることで体が起きていくので、しんどい時ほど早く寝ることが大切です。休日に長く寝る、そのため遅く起きてしまうという方も多いかと思うのですが、午前中は光や音がどうしても入ってくるので浅い睡眠しか増えません。心地よい範囲で構わないのでお家にこもりっきりになるのではなく、朝に外の光を浴びたり、適度な運動をすることで睡眠が深くなり質も向上してきますよ。

自分のことは後回しにして、子どもや家族のことを一番に考えてしまう癖がついているママたちは多いはず。でも時には立ち止まって休憩し、自分の体の声に耳を傾け、労ることで疲労を回復させ、同時にイライラや心のモヤモヤも回復させる。その結果、今よりもっと笑顔で家族に接することができるようになるかもしれません。
疲労がある状態が当たり前と思わずに、自分の心と体に優しくする時間を少しでも持ってみてくださいね。

【先生PROFILE】


京都府立医科大学 医学部卒業同大学 大学院 修了。2009年大阪市立大学疲労クリニカルセンターで慢性疲労症候群の臨床・研究、とくにPETを用いて慢性疲労症候群患者における脳内炎症の存在を世界ではじめて発表。2014年より、ナカトミファティーグケアクリニックの院長となる。

森田文菜

森田文菜

スタイリスト/ファッションライター

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