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2021.05.10

非認知能力とは?幼児教育で注目されている!数値化できない能力を伸ばすサポート法



2019年10月から幼児教育の無償化が始まりました。その背景には、幼児教育への関心の高さがあるとされています。

「小学生になる前に勉強するってこと??」
「幼児教育って、そんなに大切だったの? 元気に公園で遊ぶことしか考えてなかった…」
などと、不安や心配になるママもいるかもしれませんが、安心してください。幼児のときから、机にむかって勉強しなさいというわけではありません。

幼児教育で伸ばしたいとされているのが、非認知能力です。この非認知能力は、小学校に入学した後でも伸びます。

この記事では、非認知能力の概要と、子どもの非認知能力を伸ばすためにママに知っていて欲しいサポート法をお伝えします。

非認知能力とは?? 学力、点数、IQとは違う、数字で表せない能力

非認知能力とはどんなものか説明する前に、その対称ともいえる認知能力について紹介します。認知能力とは、数字で表すことができる能力で、学力や学校のテストの点数、IQなどを指したものです。これに対して、非認知能力とは数値化できない能力のことをいいます。

仕事に必要な認知能力と非認知能力って??

認知能力と非認知能力がどのようなものか、仕事をするときにつかう能力を例に説明しましょう。
「期待していた後輩だったのに、頼りにならなかった」という働くママの体験談がありました。こんな経験をしたことがある働くママは多いのではないでしょうか。

わたしのチームに配属された新入社員は、誰もが知っている名門大学を卒業して、英語もパソコンスキルも抜群だと鳴り物入りだったのに、いつまでたっても仕事がうまくできなくて困っています。隣のチームの同期入社の社員はあまり期待されていなかったけど、すっかり戦力となっていてうらやましいです…(Yさん)

認知能力は、仕事をおこなうために必要な専門知識や技術があてはまります。弁護士なら法律の知識、バスの運転手なら運転技術があてはまりますね。
これに対して、仕事をおこなうための以下のような能力を、非認知能力といいます。

  • 期日までに完成させるための計画力
  • チームでスムーズに仕事を進める協調性やコミュニケーション能力
  • 困難に直面しても怒らず焦らずに感情をコントロールする力
  • 失敗しても立ち直る力や粘り強さ
  • 予期せぬアクシデントに対して創意工夫する力
  • よい仕事をやり遂げようとする意欲

 
認知能力も非認知能力も、よい仕事をおこなうためにはどちらも大切ですね。

幼児教育で非認知能力が高まって得られたものとは??

非認知能力と幼児教育に注目が集まるきっかけとなったのが、1960年代にアメリカ・ミシガン州で幼児におこなわれた調査である「ペリー就学前プロジェクト」です。この調査は、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマンによっておこなわれました。2年間にわたって3~4歳児に、週3回3時間ずつのプリスクールへの通学と、週1度の教師による家庭訪問という幼児教育を受けさせました。そして、幼児教育を受けていないグループと長期にわたる追跡調査をおこないました。

幼児教育を受けている期間に認知能力であるIQが大きく伸びて、幼児教育を受けていないグループとの差は開きましたが、9歳頃にはIQの差はほとんどなくなっていました。40歳になったときに、驚くべき結果が出ました。幼児教育を受けているグループは、40歳の時点で収入や持ち家率、学歴、生活保護の受給率など社会的成功に関する指標が、受けていないグループより優れていたのです。

この調査での幼児教育は、読み書きや計算のような認知能力を向上させるものではありませんでした。その教育内容は遊びをとおして、子どもたち自身で考えた遊びをして、次にもっと楽しく遊ぶためにどうすればよいのか考えるというものだったのです。
調査結果から、幼児教育を受けたことによって非認知能力を身につけたので、社会的成功に関する指標の高評価が得られたのだとまとめられました。
この結果は、世界中から注目を集めました。日本でも、2017年3月に改訂された学習指導要領や、2019年10月に導入された幼児教育の無償化に影響を与えたとされています。

ママが見守って子どもが夢中になって遊ぶと、非認知能力の向上につながる


仕事をするためにも、幸せに過ごすためにも重要になる非認知能力を伸ばすための絶対的な方法は、実はまだ見つかっていません。
中高生や大人も非認知能力を伸ばすことは可能との調査結果もありますが、非認知能力がよく伸びるのは乳幼児期から10歳ぐらいの頃で、特に幼児期が大切です。
子どもが非認知能力を伸ばすためには、ママはどんなサポートをすればいいのでしょうか。もう皆さんお分かりのとおり、机にむかってドリルをどんどん解き進めたり、何かを教え込んだりするようなことではありません。

非認知能力を幼児期に伸ばすためにママができるサポートは、子どもが夢中になって遊べるように見守ることです。
子どもが自らやりたいことを決めて、気が済むまで遊びきる時間が多いほど、非認知能力は向上するとされています。

子どもが夢中になって遊ぶときに、ママは特別なことをする必要はありません。愛情たっぷりもって、子どもを見守りましょう。「ママに愛されている」と子どもが感じながら、「失敗しても大丈夫、問題ない」とやりたいことに挑戦することが大切です。

子育てに仕事に家事に、ママはいつだって時間に追われがちですね。子どもが夢中に遊びこめば非認知能力の向上が期待できるので、忙しい毎日の生活をちょっと工夫して子どもを見守ってあげましょう。

「生きる力」非認知能力の向上をサポートしよう

近年、非認知能力は「生きる力」とも呼ばれています。挑戦する意欲や立ち直る力、コミュニケーション能力や感情をコントロールする力などの非認知能力を身につければ、豊かな人生が過ごせるだろうと予想することは難しくありません。

ママに愛情をたっぷりに見守られながら、子どもが幼児期に夢中になって遊ぶことは、すばらしい幼児教育になります。子どもの非認知能力を向上させることにもつながるでしょう。

大沢有貴子

大沢有貴子

家庭学習サポート専門家、ライター

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