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2022.01.13

子どもの受け口は早めのケアが大切!手間もお金の負担も少なくすむ「ガムトレーニング」とは?



自治体の3歳児検診において、下の歯が上の歯に被っているような、いわゆる「受け口」の恐れがある子どもは全体の5%程度といわれています。受け口は見た目がよくないだけでなく、健康にも悪い影響があると言われています。この記事では、受け口のデメリットと原因、幼児期にわが子の受け口を時間・お金の負担は少しで治した経験を紹介します。
※この記事はあくまで、筆者の子どもがかかりつけ歯科医に進められ、経験した治療法の紹介や結果、感想になります。

受け口とは、下顎前突(かがくぜんとつ)・反対咬合のこと


まずは受け口について、デメリットと合わせて確認しましょう。
受け口とは、本来上の歯が下の歯より前で咬むべき状態であるのに対して、下の歯の方が前で咬んでいる状況を指します。反対咬合(はんたいこうごう)、下顎前突症(かがくぜんとつしょう)などとも呼ばれます。
乳歯から永久歯に生えかわる際に自然に正しい歯並びになる可能性は、6%程度しかありません。3歳児健診で受け口の恐れがあると指摘されたら、成長しても受け口のままの可能性が非常に高いと考えられます。

受け口には、以下のように多くのデメリットがあります。

・歯をみがきにくいため、虫歯、歯肉炎、歯周病、口臭のリスクが高まる。

・話し方が舌ったらずになりやすい。特にサ行の発音がしにくくなる。

・食べるときに上手にかめなかったり、飲みこめなかったりすることが多い。

・あごの関節に負担がかかり、顎関節症になりやすい。

・口呼吸になりがちで、感染症に感染するのリスクが高まる。

・「歯が見えるから笑いたくない」など、見た目が気になって心理面に大きな負担が生じる

下あごは身長が伸びている間は成長し続けるます。そのため3歳児検診だけでなく、小学校、中学校、高校で行われる歯科健診でも受け口の恐れがあると指摘されるかもしれません。受け口の自然治癒の可能性は低くデメリットも多いので、指摘を受けたらすぐ治療の検討をお勧めします。

受け口の治療方法


幼児期の治療方法の一つが、マウスピースです。主に寝ているときにマウスピースを装着します。費用は100,000円から350,000円程度、治療期間はおよそ半年~2年間といわれています。
受け口の治療方法には、永久歯への生えかわりの頃または生えそろった頃に使用可能な装置や、身長の伸びが止まった成人後に行う外科手術もあります。幼児期に使用するマウスピースに比べると、どれも時間・費用の負担が大きいです。

わが子は幼児期にガムトレーニングを行って、受け口から正しい歯並びに治すことができました。ガムトレーニングの詳細は、後程ご紹介します。

「癖」が、受け口を引きおこす場合も


受け口の主な原因は、遺伝や癖といわれています。この他にも、鼻や喉の病気や、あご、歯の位置や傾きの異常などが受け口の原因として考えられています。受け口を引き起こす癖とは、どんなものでしょうか。

指しゃぶり
受け口以外にも歯並びにさまざまな悪い影響を与えます。

食事の時の噛み癖
食事をする際には、片方の歯だけで噛むのではなく、左右両方の歯で噛むようにします。母乳や哺乳瓶での授乳時には、赤ちゃんが口の中央で飲めるように気をつけてください。

寝るときの向き
寝る姿勢が右向き・左向きのどちらかに偏らないように注意しましょう。

舌の位置
舌が正しい位置にないと、口呼吸になりがちです。わが子が行ったガムトレーニングには、舌の位置の悪い癖を治す効果が期待できます。

正しい舌の位置とは


受け口を予防するには、口を閉じたときに舌が正しい位置にあることが大切です。正しい舌の位置をご存知ですか。

口を閉じているとき、通常は舌の先端が上の前歯から5ミリほど喉の奥側についています。前歯には触れません。さらに、舌背といわれる舌の広い部分が上あごについた状態が、舌の正しい位置です。

舌の正しい位置を保つには、舌の筋力が必要になります。受け口改善のためのガムトレーニングは、舌の筋力を鍛えて舌を正しい位置にキープすることを目指します。

ガムトレーニングで受け口を治した体験談


わが子は3歳児健康診査の歯科健診で受け口を指す「下顎前突の恐れがある」と指摘されました。振り返ってみると、当時は下あごを前に突き出す癖があったように感じます。

当時の私は、「受け口って?」と戸惑うほど何も分かっていませんでした。虫歯予防のフッ素塗布のついでに相談しようと、近所の人に勧められた歯科クリニックに行きました。

歯科医師に「ガムトレーニングだけで受け口を治せるかもしれません。治療のためのマウスピースをつくる前に、ガムトレーニングに挑戦してみませんか」と言われて、ガムトレーニングを始めます。ガムトレーニングの方法は、歯科医師がわが子に直接教えてくれたので、私は見ているだけでした。

わが子が教えてもらったガムトレーニングは、2つのステップに分かれています。

1.舌でガムを転がして、ボールのように丸める

2.丸めたガムを、舌の正しい位置で先端が当たるのと同じ部分に押し付ける。

ガムトレーニングのやり方を写真付きで詳しく紹介しているウェブサイトも多数ありますので、参考にしてください。

このガムトレーニングのために母である私がしたことは、1.ガムを買う、2.わが子を歯科クリニックに1か月に1回程度連れて行く、3.夕食後にガムを噛むようにわが子に声をかける、だけです。3の声かけは、わが子が自らガムを噛めば必要ありません。

歯科医師から、ガムトレーニング用のガムの銘柄は特に指示されませんでした。わが家では市販のものより若干割高な、歯科クリニック専用のガムを購入してガムトレーニングを行いました。ブログなどを読むと、市販のものでガムトレーニングをしている方も多くいるようです。

ガムトレーニングを始めてから1年足らずで、わが子の受け口は改善されました。ガムトレーニングにかかった費用は診療代とガム代だけで、大きな手間もかからずに受け口が治ったからとても嬉しいです。わが子の受け口が治った後に、他の治療法の詳細を知って「受け口を治すってこんなに大変なの?!」と驚きました。

受け口が気になる子どもだけでなく、大人にもガムトレーニングはお勧めです。ガムトレーニングで舌の筋力が発達して舌が正しい位置をキープできるようになると、鼻呼吸がしやすくなって口呼吸を予防することができます。口呼吸は受け口以など歯並びに悪い影響があるだけでなく、ドライマウス、いびきや睡眠時無呼吸症候群などを引き起こす恐れがあります。ガムを噛む際には、子どもも大人もガムトレーニングをしてみませんか。

身長が伸びている間は下あごも成長し続ける可能性があるので、幼児期に受け口が治っても再発することもあります。わが子は受け口が治った後も、定期的に歯科クリニックに通って歯並びのチェックや虫歯予防のフッ素塗布などをしています。

わが子は幼児期だったことも幸いしたのか、ガムトレーニングだけで受け口を治すことができました。永久歯が生えて骨格が完成に近づく頃には、ガムトレーニングだけでは受け口の改善は難しいかもしれません。受け口が気になったら、早めに歯科クリニックを受診しましょう。

頼りになるかかりつけ医を見つけて、子どもの歯の気になることはすぐに相談しよう


受け口は見た目が気になる上に、健康にさまざまな悪い影響を及ぼします。気づかない癖が受け口の原因になっているかもしれません。受け口の治療は早く始めれば、手間もお金も小さな負担で済む場合があります。

受け口の他にも、子どもの歯の注意点は多いです。気になることがあればすぐに受診できるように、頼りになるかかりつけの歯科医を探しましょう。

歯並びを治すには保険診療が適応されな、いことも多く、治療法によって費用も時間も大きく異なります。歯科クリニックのウェブサイトを確認したり、直接歯科医師に質問したりなど情報収集を念入りに行ってください。

参照/公益社団法人日本臨床矯正歯科医会 

大沢有貴子

大沢有貴子

家庭学習サポート専門家、ライター

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