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2022.11.28

ママがとつぜん倒れたら?急病やアクシデントに備える「家族に教えておくこと・伝えておくこと」



人生には思いがけないことがあります。私はもうかなり前になりますが、ある日いきなり何の前兆もなく体調が悪くなり、救急車を呼ぶ事態に陥りました。このことがきっかけで「自分が倒れても家族が困らないように」準備しておく必要性をつくづく感じました。その経験を踏まえて、急病やアクシデントに備える「ポイント」をまとめてみました。
わが家はなんでも私が取り仕切ってしまう面もあったので、家族で普段からいろいろと分担して行ってる家庭であれば「そんなことはみんなわかってる」と思うことも中にはあるかもしれません。

それでも、今いちど「アクシデントの対応」について見直してみませんか?安全と安心は、家族と家庭を守るために大切なことです。

おとなの急病やトラブルに備えて「家族間で知っておきたいこと」


家族の急病やトラブルに備えてたいこと5つ

子どもに教えておこう!

1.連絡先の番号を書いた紙を目立つ場所に貼っておく

2.電話の使い方を教える

家族のおとな(夫やパートナーなど)と共有しておこう!

3.保険証など重要書類の保管場所

4.学校や頼れる個人的な知り合いへの連絡方法

5.自分の実家への連絡方法

子どもが自分用のスマホを持っている場合、そこから親や登録した番号には連絡ができます。しかし、たとえそうであっても、いざという時のために、ママやパパのスマホの番号のほか、勤め先の電話番号や祖父母など頼れる人の番号と、救急車を呼ぶ119番、警察に連絡をする110番をわかりやすく書いて貼っておきましょう。

「もし急に誰かが倒れて困ったら」どの順番にかけるのか、その他にも「自分ひとりで家にいて困ったとき」「何か怖いことがおきたとき」といくつかのシーンを想定して話してみましょう。むやみに怖がらせることがないように「万が一のためであること、自分を守るために知っておきたいこと」として教えてあげられるといいですね。小学校入学を目安に、さまざまな方向から「安全」「緊急の対応」について話し合うことは大切です。

加えて「大人だからわかっているだろう」と思い込まず、夫婦や家族間でもきちんと話し合っておきましょう。

どちらかが突然の急病で意思の疎通もはかりづらい時、夫婦でも意外と「相手の保険証がどこにあるか知らない」のはよくあるケース。また、家族に何かあったときに「どこへどのように連絡したらいいのか」もわからないこともよくあります。子どもの学校への連絡先や手段、普段から通院している病院がある場合には、そうした場所の連絡先も共有しておきましょう。緊急時が一段落した後も、倒れた本人が自分で連絡を取れないこともありますから、そうした時に「学校や習い事のことなど、相談できる知り合い」がいるならば、その連絡先も記しておくと、なお安心です。

妻は夫の実家についてよく知っているけれど、夫は妻の実家の「電話番号」をスマホに登録していないなんてケースも!念の為、確認しておくと安心です。さらに互いにスマホがあるとはいえ、重要な電話番号はどこかに記しておくと安心です。何かのトラブルでスマホが使えない、手元になく、家の電話を使ったり誰かのスマホを借りて連絡する場合、必要な番号がわからずに困った経験をした人は少なくありません。

あまり楽しいことではありませんが、自分が倒れたときに家族が困らないように、通帳や印鑑、保険の連絡先などの一覧も、メモ帳に記してキッチンの引き出しやリビングの棚などにしまっておき、その場所をパートナーに伝えておくと安心です。

母がとつぜん倒れて救急車!まさかの事態に家族がとった行動は


私は次男が5歳くらいの頃、とつじょ、胸の痛みに襲われてそのまま意識が朦朧としつつ、かろうじてたどりついたソファに寝たまま動けなくなったことがあります。夫は帰宅してシャワーを浴びており、まだなんとか声が出せたときに、ちょうどそばにいた次男に「すぐにパパをよんできて、すぐに」と伝えることができました。

5歳ですからよくわからないところもあったでしょうが、それでも「パパを呼んでくる」ことはわかり、お風呂場へ行き、異変を知らせることができたのは運が良かったのでしょう。もっとも後から夫は「最初はなんだかわからなかった。だからお風呂場から顔は出したものの、そこで何度も子どもと話をしてた」と言っていました。私の場合、結論からいえば一秒を争うような症状ではなかったからよいものの、子どもが「呼びに来た」ら、どんな場合でもひとまず、子どもが誘導する方へ行ってみることは必要ですね。

そこで意識を失いかけている私をみて仰天したものの、まだ話せた私が「大丈夫」とか「でもやばい」と片言で話すのを聞くかたわら、焦った夫はなぜか、すでに成人していた長男に連絡をいれたそうです。この時、私の目に映っていたのは、右往左往している夫と号泣している次男の姿でした。
これまた運が良いことに長男はちょうど仕事帰りで、連絡を受けてバスをおり、すぐにタクシーで実家に向かってくれました。しかもたまたま、そう遠くないところにいたので5分程度で家に来てくれて、私を見たとたんに「パパ!救急車!」と叫んでいた。ところあたりまでは、ハッキリと記憶があります。呆然としている夫もようやく、そこで事の次第に直面し、あわてて夫が救急車を呼びました。最初はそこまでではなかったのですが、私は次第に手指が動かなくなっていること、声が出せなくなっていること、時々意識が遠のくことに、もはや周囲のことに気を回すことはできませんでした。

後で話を聞いたところ、夫が救急車を呼んでいる間、長男はまず廊下に出しっぱなしだった飲料水の入った大きなダンボールや荷物をどかしていたそうです。担架が入らないのではないかと思った長男の見事な行動ですね!そして次男を抱きかかえ、パンツ一丁だった(風呂上がりですから)夫が洋服を着ている間に、マンションの下へいき、救急隊の方を部屋へと連れてきてくれたわけです。

まったくもって、わが家の夫が「妻が倒れた」ことに焦りまくったことに比べて、長男の落ち着きには母として「ありがたや」です。もっとも長男が来ていなければ、それはそれで夫も冷静さを取り戻したかもしれません。

アクシデントが置きたとき「平常心」がどこかにいってしまうことも!


結局、私は大事に至らず、その後にさまざまな検査等をして体調を比較的早くに取り戻すことができました。

しかし、です。

これも長男から聞いた話ですが、救急隊員の方はひとまず私が今すぐにも危ない状態ではないと判断してから搬送先を決めるまでのごく短い間に、「できれば保険証を」と言われたそうなのですが、誰も保険証がどこにあるのかわからないわけです。
考えてみると、誰かが病院へ行くとなれば保険証や診察券を用意するのは常に私でしたし、今回のような「急病」には直接は関係ありませんが、通帳と印鑑とか、入っている生命保険の証書とか、細々したものも、私は把握しているけれども他の家族は誰も「あの辺かも」くらいにしかわかっていなかったのですね。

保険証は廊下の棚の、一番下の引き出しにあるジッパーのついた黒い袋だよ!と伝えたいけど、声がでずに手指が動かないのでどうにもなりません。
さて、救急車は基本、同乗者はひとりです。ですから夫がついて、長男が自家用車を取りに行き、次男を連れて後から病院へと追いかけてくる形になりました。

私が処置を受けている間、ちょうど車の買い替え時でつい先日、契約寸前までいっていたことを長男に言い出したそうです。「車なんて買い替えている場合じゃないな、担当者に電話しておこう」と。長男はちょっと呆れて「そういうことじゃないでしょ。まずママが大丈夫かどうかだし、車のことなんて後でいいから。それにしばらくママが動けないとしたら、幼稚園の送り迎えとか、パパが仕事から戻るまでの間どうするかとか、そっちをどうにかしないと」とこれまた、冷静に答えたそうです。

その時には、お医者さんから、命に関わるようなことではないとすでに言われていたので安心はしていたようですが、もう夜で救急外来だけ明るく灯っている廊下で、「お前が死んでしまうのかと本当に焦って何も考えられなかった」「長男がいてよかった。話しているうちにうろたえている自分も冷静になれた」と夫は言っていました。

普段しっかりしている人でも事の次第によっては、正常な判断がすっ飛んでしまうことだってあります。私の友人は看護師ですが「急病で子どもが運ばれたときに、お母さんしっかりしましょう、なんて声をかけているのに、我が子が頭をうって額から血をだしているときには真っ白になってしまい、すぐに処置できなかった」と言っていました。プロでも難しいのが、家族のアクシデントです。

もしものための準備が大切なものを守ってくれるかもしれない


知り合いは、小学校低学年の子どもといる時に、いきなり掃除をしている最中に倒れました。彼女は別の持病があったので(倒れた理由とは違うのですが)、いざという時のために通っている診療所の電話番号と、夫の携帯の電話番号、さらに夫の会社の電話番号、近くに住む従姉妹の連絡先、それと119番を大きく書いて冷蔵庫に貼ってあり、5歳くらいの頃から子どもには繰り返し「もし何かあったら、この順番に電話する」と教えていました。

この時の彼女は、私と違い、本当に一瞬にして意識を失ったため、リビングにいた子どもはうずくまったまま動かないママを見て、何度声をかけても答えないのでビックリしました。それでも、日頃から彼女が話していたことを思い出し、とにかくまず「パパの携帯」に電話をしました。

ちなみに彼女の家にもいわゆる「家の電話」があるのですが、子どもは常に親がスマホを使っているのは目にしているものの、家の電話は受けたことも、かけたこともないために使い方がわからなかったんですね。「これは気づかなかった」と後から彼女が話していました。

小学生ということもあって、さらにとてもしっかりしている女の子だったので、ママのバッグから携帯を取り出し(スマホで遊ばせてもらうことがよくあるのでロックの外し方はわかっていたわけです)、まず父親の携帯に電話をかけた。でも仕事中らしく電話にでない。そこで、②と書かれていた「会社」に電話をかけました。名前を言い、「お母さんが倒れている。お父さんに電話したけど出ない」となんとか話せたところで、取り次いだ会社の人もそれは驚いたでしょうが、とにかくすぐに会議中だった父親に伝え、父親が会社から救急車を手配し、子どもに「家の鍵をあけること」を伝えたということでした。

何事もないのが一番ですが、いったい何が起きるかは本当に誰にもわかりません……。

備えあれば憂いなし


突発的な出来事の対応は、その場でどうすべきかは状況にもよりますから一概には言えません。しかし、いろいろと備えておくことは私たちでも日頃からできることです。

それは急病で倒れる以外にも、ケガをするとか身内の急変で家を数日離れるとか、あるいは最近なら感染症などにかかって隔離になるといったケースもあります。そのためにも、冒頭にあげたように、「何かあっても、家のことのあらゆる必要なものが、どこにあってどう使うべきかを家族は知っておくべき」ですし、知っていても忘れがちですから(普段はやらないから、あるいは触らないから)わかりやすく書いておくことは大切なんですね。

子どもの習い事の連絡先(休みの連絡を入れる)、いろいろな引き落としや振込みについても、簡単にまとめておくといいようです。まず、ほとんどないでしょうし、皆さんにもないことを願っていますが、なんらかの状況でママが自分の意思を周囲に伝えられない状態が数日続くようなことも絶対にないとは言えません。

通帳や保険などについての覚書のメモ帳には、その他もろもろ、「知っていて当たり前」だけど実は家族はよくわかっていないかもしれないことを思いつく限り、書いておくといいかもしれません(※通帳と印鑑の保管場所は別にする、ネットバンキングの情報、パスワードとIDなどのメモは夫婦間で話し、ひと目につかない場所に保管しましょう)。

こうしたものは役に立たないのが一番です。それでも、備えあれば憂いなしと思って、念の為準備しておくことをおすすめします。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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