2022.01.21
子どもの転園!環境の変化への心のフォローはどうすべき?経験したママに聞いた
子どもを預ける保育施設。安定した環境で預け続けたいのはやまやまですが、様々な事情から転園が必要になる場合もあります。転園を経験した後の家族の心の持ち方や子どものフォローについて、経験者として考えてみました。
転園は誰にでも無縁ではない
ひと口に転園と言っても理由も、環境変化の様子も色々です。パッと思い浮かぶところに次のようなものがあるでしょう。
・無認可保育施設から認可保育所への転園
無認可園に通わせていたけれど、空きが出て認可園に入れることになるケースがあります。保育園の規模が変わったり、少人数クラスから大人数クラスになったり、異年齢一緒から同年齢のクラスに変わったりなどの変化が。
・引っ越しによる転園
親も生活環境、子育て環境の地域差に戸惑ったり、慣れるのに必死。都会ではなかなか空きのある保育園が見つからず、幼稚園に入れて預かり保育でカバーすることも。
・幼稚園から保育園への転園、またはその逆
働き方の変化のために、幼稚園より親の出番が少ない保育園を希望していたところ、空きがあっては入れることになった、またはその逆で、幼稚園に通わせたいので働くスタイルを変えた、などのケース。
上記の、引っ越し先で入れる保育園が見つからず幼稚園に入れる場合なども。生活プログラムの変化、お昼寝の有無や、給食かお弁当かなどの違い、お迎えスタイルの違いなどがあります。
まずは親が環境変化を受け入れる
親と離れて子どもが長い時間を過ごす環境が変わるのは、親もとても不安です。
あまり親の不安が強いと子どもにも伝わってしまう場合もあるので、親が環境の変化をまず受け入れることも、新生活の土台になるではないかと思います。
赤ちゃんの頃から保育園に預けたり転園で環境が変わるのは、大人の都合。
でも、それは、家族を運営していくために、各家庭がよく考えて選択したこと。自信を持っていただきたいです。
子どもの成人まで20年間、ずっと1つの土地で転園や転校を経験せずに過ごしていけるケースばかりではありません。
よりよい選択のために取ったことが、一時的に子どもの負担となることもあるかもしれません。その時に、「負担をかけてしまった」と悩むより、「新環境での家族の生活はず楽しいものになるはず!」と考えた方が、楽しいことがたくさん引っかかってきてくれます。
一般的に年齢が低い方が順応性は高い
環境が変わるということは、大人にとっても多かれ少なかれストレスとなります。
新し環境がいいか悪いか、会うか合わないかではなく、場が変わること自体で緊張が生まれ、その度合いが強すぎるとしんどくなってきます。
よく「子どもは大丈夫! すぐ慣れるから」とも言われますが、ひとくくりに子どもといっても性格もタイプもそれぞれです。
一般的には、お友だちとのつながりをまだよくわかっていなかったり、友だちとの結びつきが比較的浅い低年齢の時の方が、環境の変化を受け入れやすいでしょう。
環境の変化をしっかりと理解できるようになったり、お友だちとの交流の中でも楽しい思い出や力を合わせて取り組む活動が重なっていけばいくほど、適応の過程にもその子のタイプが絡んできます。
「うちの子は環境の変化にあまり強くないなあ」と感じている場合は、親も特に心配。しかし、たとえ朝の別れ際には泣かれたとしても、保育時間もずっと泣いてはいないと思います。
保育園や幼稚園は、子どもにとって楽しいことがたくさんあるところ。新しい環境の新しいことに、色々アンテナを張っている姿、先生方にもどんどん伝えてもらいましょう。
そして、子どもはたくましいものだと思いますが、それでもやはり緊張感からの疲れがたまりやすいので、日々の様子は気をつけてあげたいですね。
親が楽しめれば子どもにも伝わる
日々子どもを預けて仕事をしている親たちが、転園後の子どものフォローでできることは、ずばりコミュニケーション。
親子のコミュニケーションはもちろん、先生や子どものお友だち、たまに顔を合わせる他の保護者たちなど「保育園にいる地域の人たち」とのコミュニケーションです。
まずはお子さんとの対話。まだしっかりとおしゃべりできない2歳前の子でも、「自分は園で楽しく過ごす」「その間、ママやパパはお仕事をしてくる」ということを、日々の会話から少しずつ理解していきます。
年齢を問わず何より最強のコミュニケーションは、ムギューッのハグですよね!
そして先生たち。先生たちも転園してきたお子さんの様子は気をつけてみているはずなので、どんなことでも気になることはどんどん質問してすっきりしましょう。
そして子どものお友だちやその保護者。保育園の子どもたちってとても人懐っこくて他のお母さんがお迎えに来た時などにも寄ってきたりするので、ぜひ仲良くなってしまいましょう。
お迎え時間がまちまちなので保護者同士は決まった人としか顔を合わせる機会がないもので、もともとクラスにいる子の親でも、クラス全ての親を把握していないことは珍しくありません。
顔を合わせた保護者にはこちらから、「転園してきて……」と積極的に声をかけて、話しやすい関係ができておくと心強いと思います。
園生活に関して不安なことがあったとき、保護者の中にも聞ける相手がいると、対応のヒントになる場合も。
たまの保育参観、保護者会は、顔見知りを増やせるチャンスです。ママ、パパが自然に園になじんでいる様子を見れば、お子さんの不安はいつの間にかなくなっているかもしれないですね。
※この記事は2015年7月に公開されたものです。
千葉美奈子
ライター