2015.10.08
働くママが第2子妊娠! わたしの体験記~初期編~
赤ちゃんが欲しい娘と、そうでない母…
「ママになりたい。赤ちゃんが欲しい」まだ、3年しか生きていないくせに、一丁前にお人形の世話をしながら、娘がわたしにボソっと言う。
その言葉を聞くたびに、ドキッとするわたし。何も答えられない。
上の子が3歳にもなると、育児もだいぶラクになってきます。
もちろんその時々でたいへんなことはあるけれど、言葉が通じて、説明すればわかってくれて、割と対等に付き合える関係ができてくるんです。
2歳から保育園に行きはじめた娘は、病気の嵐の1年で免疫がつき、お友達もできで、今では毎日元気に通園してくれています。
育児もだいぶ落ち着いてきたところで、「よっしゃ、仕事に集中できる!ここからわたしの時代到来!」と思っていました。
子どもはひとりでいいと思っていたくらい(夫はそうは思っていないようでしたが)。
なので、娘の「赤ちゃんが欲しい」アピールにはなんとなく気まずい思いをしていました。
しかしそんな思いとは裏腹、3歳になった娘の周りの子には、妹や弟が産まれるピーク。
「そうか、そういう時期なんだな」と思い知らされました。
そんな周りを見てか、「赤ちゃんが欲しい」と言いはじめた娘。
少し遅く迎えに行くと、年齢問わず同じクラスで遊んでいることが多く、娘はいつも年下の子をかまってニコニコしているのです。やさしい顔でじょうずにあやす姿は、まるで本当にお姉ちゃん。
娘の「赤ちゃんが欲しい」欲求はただの気まぐれではなさそうです。
そしてわたしにも、「この子を本当にお姉ちゃんにしてあげたい!」という思いが芽生えた瞬間でした。
妊娠判明!そのときの娘の意外な反応
娘が4歳になる前に、妊娠が判明。運良くすんなりと授かることができました。
娘とは4学年差となります。欲しくて授かった命、とても嬉しかったです。
何より、喜ぶ娘のことを想像して、嬉しかったのでした。
保育園帰りの車でさっそく、「母ちゃんのお腹に赤ちゃんできたみたい」と娘に報告。
さぞ喜ぶだろうな~と、その反応を楽しみにしていたのですが、なんと娘の反応は、「へぇ~そうなんだ~」だけ。
「もう一回やり直そうか?」と言いたくなりました。
あんなに欲しいと言っていたのだから、もうちょっと喜べよ!と。
しかしまだわたしの身体にはなんの変化もないものだから、娘は実感がわかないんだ、と思うことにしました。お腹が大きくなってくればきっとお腹に話しかけてみたり、なでなでしたりするんだろう、と。
しかし翌日の保育園お迎え時には、先生たちに「ママおめでとうございます~!」と祝福されました。
娘はしっかりその喜びを報告していたのです。
職場への報告と、大きな決断
さて、もうひとつ妊娠を報告しなければならない大切な場所があります。
それは、「職場」。
幸いわたしの職場は、子どもやママを支援するNPO法人なので、そのへんの理解はかなりあると思います。
報告すると、やはりみなさん祝福してくれて、「無理しないでね~」と予想通りの反応。素直に嬉しくて、ありがたいと思いました。
ただ、少数精鋭、お金だってそんなに余裕があるわけではない団体に、迷惑をかけるのではないだろうか…という不安や葛藤がなかったわけではありません。
「1年間育児休暇とりまーす」なんて、悠長なことは言っていられないだろうな、とも思っていました。
さらに、わたしの夫は休みもままならないくらいハードな仕事をしており、自分の親も近くには住んでいません。
私の身に融通がきかなくなることは、家庭にとって大ダメージ。
ましてや子どもがもうひとり増えたら、いろいろと余裕がなくなるに違いありません。
娘が大きくなったと同時に個人で編集・ライター業も再開していたわたしは、ここで大きな決断をしました。
「開業しよう」
個人事業主としてスタート
編集・ライター業もわりと忙しく、楽しくやらせていただいている今、しっかり開業届を提出することにしました。
そして、NPO法人の仕事も委託契約を結び、受注してやらせていただくことに。
開業届を出すことによって、帳簿や申告の面倒があるため今まで避けてきたのですが、個人のほうが何かと融通がきくし、社会的な視点で自らを奮い立たせるためにも届出を出そうと思いました。
産前産後に仕事をセーブすることはもちろんできるけど、その後仕事が継続してくる保障はありません。すべては自分のやる気次第です。
必要事項を書いた紙を、近くの税務署に持って行きました。すると、担当の人がその紙に印鑑を押してくれて、「はい、受理しました~」と終了。非常にあっけなかったです。
そしてそのコピーを市役所にも持っていき、さらには娘の通う保育園にも勤務先変更ということで報告。〝開業″というタスクは、とりあえず完了されたのでした。
暑さや悪阻と戦う日々
わたしが住む群馬県の夏は、本当に厳しいです。全国の最高気温をたたき出す場所で、39℃前後の日々が続きます。
そんなときに、悪阻のピークも重なり……幸い吐くほどのことはありませんでしたが、ただでさえ暑くて具合が悪くなりそうなのに、毎日二日酔いのようなムカムカ加減。
日中仕事で空けていた自宅は、夕方帰ってくるとまるでサウナのような空間に。
そんななか、疲労や悪阻とも戦いながら、急いで夕飯の支度をしなくてはなりません。まさに拷問です。
妊娠中とはいえ、上の子がいて仕事もしていると、普段通りに生活せざるを得ないことが多々……。
正直、お腹の子の存在は忘れていることが多く、考える余裕もあまりないのが実際のところ。
車中で寝てしまった娘を抱きかかえて3階の我が家までのぼることなんてしょっちゅうです。
しかし、我が家はエレベーターなしの3階。産前産後、お腹が大きいときや子どもがもうひとり増えた後、長女が車中で寝てしまって荷物もたくさんあって……みたいな状況を想像すると、さすがに途方に暮れます。
さらに、2LDKの我が家は、1部屋がわたしと夫の書斎(という名の物置)、1部屋が寝室兼子どもの遊び場、もう1部屋がリビング。
子どものものが増えていく日々で、さらにここにもう一人増えるとなると、どこにどう寝ればいいのか?どうやって家族全員で食事をすればいいのか?2年後に一軒家を建てる予定がある以上、ここで無駄な引っ越しや家具の買い足しはしたくないのがホンネ。
今のうちに対策を考え、安定期に入ったら早急に片づけと配置換えを実行しなくては、と大きなタスクが課されました。
そしてひとまず、買い物の不便さをクリアするために、生協に登録したのでした。
安定期間近の退園宣告!?
暑さのピークが過ぎるとともに、悪阻のピークも過ぎようとしていました。
そしてもうすぐ安定期。見た目や体重にはあまり変化がないままですが、お腹の子は順調に育っているようです。
そんなある日、保育園で事務室の先生に呼び止められました。
「ママ、自営業ということなんですが、自営業者だと育児休暇というものが法律で定められていないので、産後2ヵ月で復帰してもらわないと、上の子が退園させられちゃうんですけど……」
法律のことはもちろん知っています。でも、自分の会社だし、自分の子どもだし、ちょこまか動き出す前までは、子どもを見ながらできる範囲で仕事をしようと思っていました。
そういう意味で、「産後6ヵ月までは休職(保育園には預けませんよ)」というふうに書いて園に提出してあったのです。でもそんな考えは認められず、もしそうするなら幼稚園へ転入してください、ということです。
自営業者なんだから甘ったれるな!と言われるかもしれませんが、産まれて3ヵ月の子どもを保育園に預けることに抵抗がない母親なんていないのではないでしょうか。
これでは、今後出産予定がある女性は、上の子を保育園に行かせながら起業し、産後の休息を十分にとってから復職する、という選択肢はないことになります。
「女性の起業や活躍を応援します!」という今の社会でのこの現実に、疑問と怒りがわいてきました。
「娘をそんな簡単に退園・転園させたくない」……人の親なら誰しもきっと同じことを思うはずです。
第二子妊娠中に、またひとつ、難題が課せられました。
つづく……
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岩﨑未来
フリーライター・エディター