2016.04.14
兄弟の子育て、親がしてはいけない4つの事とは?
兄弟が思いやりを持ち合い、助け合って育ち、生きていってほしいというのは、兄弟を育てているどの親もが願うことではないかと思います。
でも実際には、兄弟げんかに悩まされている、子どもたちみんなに同じように接することができないと悩む方も多いもの。はい、私もそうです。幼児から中学生まで5児と毎日向き合う中で、「兄弟間で親はこんなことをしない・言わない方がいいのではないか」と感じるポイントをまとめてみました。
NG①上の子のプライドを傷つけていることに気づかない
上の子、特に第1子って、親の初めての子育てへの熱い思いを一身に背負いがち。そして下の子が産まれれば突然「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」という役割を担うようになります。
下の子が悪くてけんかをしても「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なのに」「弟(妹)と同レベルでけんかするなんて」などと言われても、言われたほうにしてみれば、「はあ?知ったこっちゃない」という感じかもしれませんね。 上の子に、年上らしく振舞ってほしいと願うのならば、まずは上の子の「上の子としてのプライド」を大切にしてあげることが必要かもしれないと思います。
これは私が反省として感じることなのですが、下の子が生まれた後上の子を「お兄ちゃん」「お姉ちゃん」と呼ぶ環境にしなかったので、5人のうち1?4番目までは、お互いを名前の呼び捨てで呼んでいます。
一見「対等でいいのでは?」と思われるほうもいるかもしれませんが、上の子にとっては、特に3つ以上下の子から呼び捨てにされるのは、あまりいい感じがするものではないようです。呼び方は1つの例ではあり、決して兄弟間で「上下関係」が必要だということではなく、上の子が上の子としての誇りを感じられることは、やはり大切なのではないかなあと感じています。
「兄弟なんだからみんな一緒」と言っておいて何かあった時だけ「上の子なんだから」と「上の子らしい」態度を求められても、子どもも理不尽に感じるかもしれません。その子にとってはどんなことにおいても「上の子だからこれぐらいできて当たり前」ではないんですよね!
NG②兄弟間で比較する
兄弟姉妹のなかの立ち位置や関係によって、性格形成や人生の進路、生き方まで影響を受けることがあります。これは、ご自身が兄弟の中で育ってきた方は多かれ少なかれ感じていることではないでしょうか。もちろん、それがすべてではありませんが、かなり大きな要素ではあります。
そして、何人兄弟の何番目に生まれたかは、自分にはどうすることもできない動かせない事実なのに、兄弟と比較されるというのは、理不尽極まりないですよね。親も意図的に比較しているのではなく、無意識のうちに「どっちの方が落ち着いている」とか「この子はこうだったのに、全然タイプが違う」とか口にしていることがあります。
私も、まったく比較のつもりで言ったことではないのに子どもから「だから、何?」と不満そうに言われたことがあります。もちろん、そんなに腫れ物に触るように言動に注意する必要はないとは思いますが、言われたほうの気持ちを少し想像し、言い回しに気をつけることも大事だな、と思わされた経験でした。
足が速い遅い、背が高い低い、勉強ができるできないなど、比較することに意味がない比較については、論外ですね……。比較ではなく、「(器用ではないけど)根気がある」「(素早くはないけど)慎重に行動できる」など、その子の持つ魅力、本人に伝えてあげたら、ものすごく喜ぶと思います!
NG③兄弟げんかに決着をつけさせようとする
親にとっては兄弟げんかってうっとうしいのですが、我が子たちを見ていると、兄弟げんかには、「じゃれ合い」といった部分もあるようです。
仲良く笑いながら2階に上がっていった子どもたちが、5分もしないうちに激しいけんかをしながら降りてくることがあります。そしてしばらくするとまた、ケタケタ笑いながら遊んでいたり……。
兄弟げんかについて上の子は「自分が不利」と無意識に感じているようです。単に「けんかをやめて?」の意思を伝えただけなのに、上の子に「どうせあっち(下の子)の味方なんだ」と言われたことがあります。
「年上なんだから」というのは親の見方であって、子どもにとっては「自分の言い分を認めてもらう」ことが大切なようです。兄弟げんかは、成敗するのではなくお互いの言い分をとことん聞いてやると、双方ともクールダウンできることがあるようです。
下の子がある程度分別がついてきたら、「下の子だから」という理由のみで特別扱いしないことも必要かもしれないですね。
NG④どの子にも「平等に接している」と思い込む、または平等に接しようとする
3人兄弟の真ん中だった私は、子どもの頃よく、「みんな同じに育ててきた」と言われ、違う人間を同じに育てることなんかできる?と疑問に思っていました。
自分が親になってみたら、個性も、その時々の育児環境も違う子どもたちに対して「同じ」に振る舞うことは到底無理です。
もちろん、注ぐ愛情は同じつもりでも、同じようにはいかないんですよね。 ふと思うのは、子どもたちにとって嬉しいのは、「平等に」されることよりも、自分の持つ個性や自分自身を、認められることではないかということです。自分自身の個性を認めてもらえる体験は、兄弟含め、他者の個性を認められることにもつながるのではないかなあと感じています。
?兄弟姉妹としての出会いもご縁
この世にたくさんの人間がいる中で、夫婦や親子として出会うというご縁はとても不思議なものですが、兄弟姉妹としての出会いも、これまたものすごいご縁ですよね。
我が家では子どもたちが小学生以上になってからは特に、レジャーの計画を立てさせる、料理を共同で作らせる、一緒に買い物に行かせる……など、何かに共同で取り組ませる機会を作ってきました。
そんな体験の中でお互いに、「相手(兄は、姉は、弟は、妹は)のこんなところがすごい」と、敬う気持ちが生まれることもあるようです。幼いころ兄弟で体験したことや、一緒に見た景色を、大人になってから皆でまた一緒に振り返ることができたらいいなあと願っています。
千葉美奈子
ライター