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2017.11.11

【2020年教育改革】小学校は何がどう変わるの?


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最近、家の近くに未就学児や小学生を対象にした「英語」や「プログラミング」の教室が次々とオープンし、チラシがたくさん入ってきます。
なぜだろうと思っていたら、2020年の教育改革で小学校から「英語」や「プログラミング的思考」に関する教育が始まるので、それを見越した動きなのですね。
我が家には、2020年に小1になる子どもがいるので、気になって何となく調べてみました。
結果、まだまだよく分からなかったこともありましたが、その中で見えてきたことをお伝えしたいと思います。

授業は全て英語!?

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2020年から小学校では、5年生の英語が「教科」に格上げされて(成績がつく)、文法も含めた総合的な勉強が始まります。
同時に小3から導入される「英語活動」の方は、どちらかというと、その前段の「英語に親しむ」ことがメインになるようです。
新学習指導要領の解説では、「授業は、全て英語で行うのが望ましい」とされており、英語活動の時間は、原則としてすべて英語になる学校が多くなると思います。
ただ、小学校教師でそれをこなせる人は多くないと思うので、今後は、ALT(先生を補佐するネイティブスピーカー)や、地域の人材活用などが広がるかもしれませんね。
総じて、英語教育全般については、言葉として『使える』レベルの体得が目標になるようです。ということは、これまでの「文法」や「読み」中心で済んでいた勉強から、「書く」「聞く」「話す」なども追加されて、かなり大変になるような気もしますが、実際のところはどうなのでしょうか。

コーディングでなく、プログラミング的思考!?

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プログラミングについては、その名称の「教科」が創設されるわけではありません。
小学校では、その基礎となる「プログラミング的思考」の習得を目的に、各教科への溶け込みを図ることになります。

「プログラミング的思考」を一言で説明するのはなかなか難しいですが、ある「ゴール」を設定した場合、そのゴールに向かってどういう手段をとるのがもっとも最適なのか、という思考訓練のようなものを行うみたいです。
ただ、新学習指導要領の解説を見ると「ICT(情報技術)等を活用した」という文言も見受けられるので、もしかしたらICTを使って、実際にプログラミングを行う授業もありそうです。
例えばプログラミングツールには、子どもが楽しみながら学べる「マインクラフト」や「スクラッチ」「ビスケット」などがありますが、使用には、タブレットやPCなどのICTが必須になります。ただ、こうした機材を1人に1台用意できる公立小学校はあまりないと思うので、どういう方法をとるのかなあ・・・という点が気になるところですね。

先行実施や独自対応も

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新学習指導要領は、小学校では2020年から導入されますが、前倒しの実施も認められています。また、指導要領は一定の基準や方針を示すものなので、それを上回るレベルでの実施も認められます。

別の自治体に住む友人の子の公立小学校では、すでに小1から英語活動を行っていて、ネイティブの先生が、毎週1回インタラクティブな授業をしているそうです。
さらに、別の友人の子が通う私立小学校では、小1からネイティブの先生による英語の授業が毎日あり、小3からは全員iPadを持参してICTを活用した授業を受けているそうです。

今後は、自治体によって、もしくは公立・私立によって、学習環境に差が出てきそうな気もしますが、そこのところは、どうなるのでしょうか。

幼児期に大切なことは変わらない!?

新学習指導要領や解説書を見ると、「アクティブラーニング」(詳しくはこちらを参照)や「PCDAサイクル」、「パフォーマンス評価」、「ポートフォリオ評価」、「ルーブリック」、「カリキュラム・マネジメント」などのカタカナ用語が多く出てきて、少しドキドキします。
が、私が思うのは、結局のところ幼児期に大切なことはこれまでと変わらない気がします。

例えば「英語」。これを学ぶ上で欠かせないのは「日本語」です。
母語の土台がきちんとしないうちに、別の言語を無理に入れようとすると、“ダブルリミテッド(どちらの言語も中途半端)”になるリスクが上がることもあると言われています。(そのため多言語文化圏には、ST(スピーチセラピスト)の専門家が沢山います)。
幼児期には、とにかく「多くの人ときちんとした日本語で話す」「絵本をたくさん読む」といったことが大切な気がします。

そして、「プログラミング的思考」。ある程度論理的にモノゴトが考えられることが大前提になると思います。
それまでは、とにかく「よく寝て、よく食べて、よく遊ぶ」。
少し神経が発達してきたら、「指」をたくさん動かす。「体」をたくさん動かす。
そして、遊びを通して「ひらめき」の面白さや、「ゴールにいたる道は1つではないこと」「たくさんの考え方があること」などを少しずつ学んでいくのが重要ではないかと個人的には思うのです。

参考/文部科学省サイト 学習指導要領「生きる力」現行学習指導要領(本文、解説、資料等)学習指導要領のポイント等ポイントがわかるパンフレット小学校学習指導要領解説

市口芳江

市口芳江

4歳の子どもを育て中。保育園には足を向けて眠れません。


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