2022.07.04
学習系の習い事なにしてる?普段の勉強や生活にいきていること
習い事といえば水泳やサッカーなどスポーツ系を思い浮かべがちですが、英語やプログラミングなど勉強系の習い事も人気を集めています。
特にこのコロナ禍、休校や短縮授業で学習の後れを感じて不安に思う保護者が、学習系の習い事を検討するという傾向もあるようです。
今回は、我が子が勉強系の習い事をしている保護者に、
・どのような内容で、どのくらいのペースでしているのか
・始めたきっかけや時期
・普段の生活や勉強にどう役立っているか
・取り組んでいる子どもの様子
・時おり感じてしまうデメリット
を聞いてみました。
そろばんで計算が速く正確にできるようになった
古くからある「そろばん教室」は、今現在も人気が高いようです。頭の中で計算が素早くできるようになるというイメージがありますが、実際はどうなのでしょうか。通わせている保護者の方に、詳しくお話を聞いてみました。
〔Yさん、子ども15歳、11歳〕
・習い事の内容やペースは?
土日を除く平日は何回通ってもOKという地元のそろばん塾に、ほぼ毎日通っていました。小さな教室に子どもがびっしり座って、黙々と計算するという雰囲気なのですが、先生が数人体制でしっかり見守りつつ指導したり修正したりしてくれていたようです。
検定試験やそろばん大会などもあって、それがすごく刺激になっていたようです。・始めたきっかけや時期
保育園が同じの近所に住んでいる、毎日一緒に登校していた1年先輩の男の子に勧められて始めました。スタートは、長男が小学校2年生になるときでした。・普段の生活や勉強にどう役立っているか
買い物に行っても、レジより先に正確に計算できるようになっていてビックリしました。ひっ算式を書かなくても、大きな数字の計算が正確にパッとできるので、算数や数学を解くスピードも速くなり、自信がついたようです。・取り組んでいる子どもの様子
あまり上昇志向もなく、どちらかというとなまけ癖のある息子でしたが、そろばんだけはものすごく真面目にどん欲に取り組んでいました。友達との競争もあまり好きではないのですが、検定で友達は受かって自分が落ちたときは悔しがって「次は絶対!」と前向きに頑張っていました。・時おり感じてしまうデメリット
毎日行かなくてもいいよ~と言っていたのですが、そろばんに関しては周りの子に負けたくないのかほぼ毎日行っていたので、学校の友達と遊ぶ時間があまりなかったということくらいですね。
〔Aさん、子ども8歳〕
・習い事の内容やペースは?
テキスト計算、先生の読み上げ計算、スピード暗算などいろいろな内容をしてくれているようです。週2回、1回1時間のペースで通っています。・始めたきっかけや時期
娘が年長のときです。きっかけは、家のすぐ近くにそろばん教室があったことと、私自身が小さい頃そろばん塾に通っていたからです。・普段の生活や勉強にどう役立っているか
幼いころから始めたからか、(手元になくても)頭の中にそろばんがある状態なので、その場でパッと計算できます。私もやっていて同じ状態なので、2人でスーパーで計算を競ったり。・取り組んでいる子どもの様子
他にもスイミングと英語をやっていますが、そろばんが一番楽しいそうです。頭の中でパッと閃いて答えが出るのが楽しいのか、勉強以外でもいろいろなものを計算しています。・時おり感じてしまうデメリット
今のところ、特にデメリットは感じていません。
友達の影響で始めた公文で勉強癖がついた
公文を始めたきっかけは、「周りの友達が行っているから」「ママ自身が子どもの頃やっていたから」など〝馴染みがあるから″という理由が多いそうです。
〔Hさん、子ども7歳、3歳〕
・習い事の内容やペースは?
週2回、国語と算数を習っています。基本はプリントなどの教材を黙々とやり、先生に採点してもらうスタイルです。・始めたきっかけや時期
シンプルな理由ですが、家から徒歩1分のところに公文教室があって、知り合いが先生をしていたからです。小学校1年になる直前、6歳からスタートしました。・普段の生活や勉強にどう役立っているか
最近の話ですが、コロナ禍で学校が休校になったとき、公文の宿題があったことで学習習慣が維持できたように思います。・取り組んでいる子どもの様子
小学校2年生の今は一緒に通っている友達もたくさんいるので、楽しく意欲的に取り組んでいます。3年生くらいから「頑張る子」と「遊びたい子」に分かれていったり、学力に差がつき始めると聞いたので、どうなることやら…・時おり感じてしまうデメリット
正確さより、解く速さを重視してしまうようになったことでしょうか。宿題でもなんでも「速ければいい」と思っているようで、もう少ししっかり見直す、時間内でゆっくり解くことを覚えさせなければ、と思っています。
〔Tさん、子ども7歳〕
・習い事の内容やペースは?
週2回、算数だけ通っています。1回およそ30~40分の授業で、プリントを解いて採点してもらう、100点になるまでしっかり見直して解き直す、という流れのようです。・始めたきっかけや時期
私自身が小学生の時数年やっていて、母曰く「あなたにはとても合っていたわよ」ということだったので、とりあえず子どもにもやらせてみようと思ったのがきっかけです。早いかな、と思いましたが4歳のときから始めました。・普段の生活や勉強にどう役立っているか
学校の勉強より少し先取りで進んでいるので、授業がよりよく分かるようです。「こんなの知ってる」と先生や授業をバカにしてしまわないか…と懸念しましたが、公文で習う→学校の授業で理解を深めるといういい流れができているようです。・取り組んでいる子どもの様子
習い始めから1年くらいは、周りの子たちの進み具合が気になってしまって思うように問題に取り組めませんでした。今では他の子がたくさんいる中でも集中して問題が解けるようになり、自信がついたようです。・時おり感じてしまうデメリット
今の時点ではあまり感じていませんが、4歳からスタートしたのはちょっと早かったかな、と後悔しています。その年齢なりの教材ではあるのですが、算数・国語という視点で考えたら、小1からのスタートでよかったかなーと。
やっぱりこれからは「英語」が必要
グローバル化が進み、「英語は万国共通語」と言われて久しい昨今、「やっぱり子どもには英語を話せるようになって、どこでも通用する人間になってほしい」という願いから英語を習わせたいと思っている保護者は多いようです。
〔Sさん、子ども9歳、7歳〕
・習い事の内容やペースは?
英語メインの学童なので、毎日ですね。遊びの中でネイティブの先生と英語でやり取りするという中で学ぶので、本人としては「THE勉強」「THE習い事」という意識はないようです。・始めたきっかけや時期
下の子に重度知的障害があって、私があまり上の子にかまってあげられないため、何か少しでも楽しく学べる環境を作ってあげたかった。本人に聞いたら「やってみたい」と意欲的だったので。学童内にある英語教室に保育園のときから通い、そのままその学童に入りました。・普段の生活や勉強にどう役立っているか
英語漬けの時間が長いからか、発音がすごくいい(笑)これは、成長してからではなかなか身につかないことだと思います。
また英語メインの学童だからか、外国のお子さんもけっこういるようで、その中で「みんな違ってみんないい」という考えが自然に身についた気がします。障害のある妹のことも恥ずかしがることなく、優しく接することができるのも今の習い事のおかげかもしれないと思っています。・取り組んでいる子どもの様子
毎日楽しくて仕方がない様子です。先生方も子どもが楽しく英語が身につくように、毎日いろいろなプログラムを用意してくれるので、ありがたい限りです。・時おり感じてしまうデメリット
「小学校の英語が簡単すぎて、進みも遅くてつまらない」と言っていることくらいでしょうか…
〔Kさん、子ども9歳、5歳〕
・習い事の内容やペースは?
週1回、60分授業に通っています。少人数制で、フラッシュカードや歌、ゲームで単語や表現力を増やしたり、子ども用教材で綴りや簡単な文法を学んでいます。・始めたきっかけや時期
始めようかどうか悩んだ時期が長く(苦笑)、結局小学校1年の終わりごろから始めました。友達の子どもが数人通っていて、「日本語ができるネイティブの先生だからいいよ」など、いい口コミばかり聞いたので。教室の外観が可愛い一軒家、自宅から徒歩5分が決め手でしたね。・普段の生活や勉強にどう役立っているか
授業の終わりにその日の感想や目標などを一人一人英語で言う時間があるのですが、始めてから半年ほどで自分の意見を物おじせずしっかり言えるようになったなーと実感しています。英語の発音もネイティブに近いくらい上手くなりました。・取り組んでいる子どもの様子
先生がその日その日で学習メニューを考えてくれるので、「今日はどんなことするかな」と毎週楽しみに通っています。家で熱心に予習・復習はしていないですが、それなりに英語が身についている気がします。・時おり感じてしまうデメリット
個人経営でレッスンが割と手厚いため、授業料がちょっと高めなことですかね。下の子もやりたいと言い出す年齢ですし…
プログラミングで楽しく「理数系の頭」を鍛えてほしい
小中学校でも2020年からプログラミング授業が必修化されました。「自分にはとても教えられない…」「将来必要なスキルだと思う」という理由から習わせる親が増えています。
〔Hさん、子ども14歳〕
・習い事の内容やペースは?
週1回、土曜の午前中に「ロボットプログラミング教室」に通っています。レゴなどの部品を使って好きな形のロボットを完成させ、それをプログラミングで動かすという内容です。・始めたきっかけや時期
レゴで何か作るのが大好きで、「レゴを活かした習い事なんてないよな~」とダメもとで探したのがきっかけです。ちょうど2駅先に教室があり、自転車で行ける距離だったのも魅力でした。スタートは年長の、6歳になる直前でした。・普段の生活や勉強にどう役立っているか
「これはどういう作りになっているんだろう」「どうやって動いているんだろう」という観察眼が養われた気がします。あと、物事にじっくり取り組めるようになりました。通う前は、宿題なども少しでも分からないとイライラして投げ出すこともあったのですが、「これがダメなら、ほかの方法はないか」と試行錯誤しながら取り組めるようになりましたね。・取り組んでいる子どもの様子
とにかく楽しくて仕方がないようです。小学校6年間の夏休みの自由研究や工作なども、すべてプログラミング関係でした。最近では「プログラミングに力を入れている高校に行きたい」と自分でいろいろと調べています。・時おり感じてしまうデメリット
「学校よりぜんぜん楽しいし、習い事の友達のほうが好き」と言っているところですかね…裏を返せば、学校以外の世界が広がったというメリットでもあるのですが、「学校は楽しくないのかな…」とちょっと切ない気持ちにもなります。
学習系の習い事を選ぶとき、親としては「子どもの将来に役立ってほしい」「勉強癖がついてほしい」という気持ちを優先してしまいがち。「必要なさそうなもの」はつい排除してしまいがち、ともいえます。
たとえば、今珍しいものとして「Youtuberになるための教室」という習い事もあるようですが、親としては習わせることに二の足を踏んでしまう方も少なくないと思います。しかし、Youtubeがどのように作られるか、ネットリテラシー、撮影方法、動画編集なども学ぶことができます。ネット社会の今、学んでおいて損はない内容。
親なりの考えや家庭の家計状況などももちろんありますが、優先すべきは「その時点で子どもが何に興味を持っているのか」あるいは「友達がやっているからやりたい」など状況を把握し、子どもの気持ちを尊重することなのではないでしょうか。
田崎美穂子
mamaライター