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2019.10.24

「幼保無償化」で保育園の質が低下?今選ぶべきは「スマート保育園」!



10月からいよいよスタートした「幼保無償化」。教育費の負担が減る、幼稚園での預かり保育が支援され、早い時間にお迎えに行かなくて済むようになるなどワーママにとってメリットとなることもありますが、同時に懸念されるのが保育園の利用者が多くなることによる、保育の質の低下問題。
それを解決し、子どもにも親にも保育士さんにも豊かな保育環境を整えてくれるのが「ベビーテック」と呼ばれるIoTを活用した新しい育児や保育の支援策。またこのベビーテックを活用した「スマート保育園」の試験導入も始まっているとか!
先日行われた『スマート保育環境整備』に向けた有識者による講演会で、幼保無償化によって起こる様々な問題やスマート保育園での具体的なベビーテックの活用例などをじっくり聞いてきました!

「幼保無償化」実施の背景とは?

内閣府の調査によると理想の子どもの人数を持てない理由のダントツ一位は“子育てにお金がかかるから”。これが少子化を加速させている一つの原因となっているそう。

「平成の歴史は少子化対策の歴史。政府としても様々な対策を打っていますが、完全に食い止めることはできていないのが現状です。そんな中、“子育て安心プラン”として少子化の原因の一つである待機児童を解消すべく、令和4年度末までに32万人分に受け皿を拡大する整備をすることになっています。これが幼保無償化実施の一つの背景となっています。」と内閣府 子ども・子育て本部 少子化対策担当 参事官 南 順子さん。
プランの中には保育の人材や質の確保などの政策も入っているといいます。

・「幼保無償化」によって起こる問題とは?

幼保無償化により、共働きが当たり前の時代となり、特に女性の社会進出が増える、また教育費が余ることにより違う教育にお金を使うことができ、家庭教育が広がるというメリットがある反面で問題となってくることも出てくるといいます。

「まず保育の利用率が上がるので待機児童が一時的に増加するでしょう。また質の低いところの参入も問題です。こうしたチェックをする機関などがないのが現状なのでこれを利用者がどう見極めるか、またどう解決していくかが課題となっていくでしょう。」と呼びかけるのが白梅学園大学大学院特任教授の無藤 隆先生。
「保育教育については十分なお金をかけてこなかった日本においては【幼保無償化制度の導入は】評価できることですが、世界的な流れは子どもの教育のための幼児教育の無償化です。日本は少子化対策がメインなため、これだけでは子育てしている人が本当に支えられていると思えるかどうかが課題です」と問題を提起する玉川大学教授・日本保育学会副会長の大豆生田 啓友先生。
また11時間と長時間の保育が可能になるとのことで、保育士さんの不足が深刻となり、長時間子どもと向き合う保育士さんをどう支えていくか、仕組みや整備がまだ整ってないことが懸念されるとか。それにより保育の質の低下が一番の問題であるといいます。

保育の質はどうしたら上げられるのか?


保育の質を上げるためには構造の質(保育士1人に対して子どもを何人みるのか)はすでに決まっているため変えることができないが、毎日子どもと関わる中で子どもを中心に考える保育ができているか?といういわゆるプロセスの質を上げることが重要だと大豆生田先生。

長時間保育になるとどうしても保育士さんのストレスも増え、昨今ニュースなどでも取り上げられているような感情的な行動に陥りがち。これは保育士さんだけではなく、親にも言えることではないでしょうか。
さらに無藤先生は保育の質を上げるための解決策を具体的に提示。

1.最低限のマニュアルを守ること
2.保育士が勉強できるような時間の余裕や体制を整えること
3.保育の日々の記録をとって見直すこと

特に3の記録は振り返りを行う上でも重要なことで、さらに写真で記録しておくと子どもが何を見ているか、また誰と仲がいいのかなど大体のことがわかるそう。それにより、子どもや保育士さん同士の対話が生まれるのはもちろん、それを通して保護者との対話も増えるといいます。
「保育の質を上げるためには保護者の協力も必要。一緒に子どもを育てる場所として保育園に預けっぱなしにしないことも大切です。」(大豆生田先生)

写真によって園の様子が可視化され、親も安心して預けることができることは筆者も経験があります。忙しい中でも積極的に保護者の側からもコミュニケーションをとっていくことで保育士さんにも気持ちが伝わり、それが子どもに還元されることは想像ができますよね。
しかし、日々の忙しすぎる業務の中で写真記録を残すことは容易ではないのは素人の私たちでもわかります…。

保育の質を上げるのに役立つベビーテック


そんな不可能を可能にしてくれるのがIoTを育児に活用したベビーテック。2016年頃からアメリカで広まり、2018年頃から日本でも広がりを見せていると説明してくれたのが株式会社パパスマイルの代表取締役 永田 哲也さん。
パパスマイルはパパの育児参加を目標に掲げ、新しい育児の解決策や支援策、とりわけベビーテックを推進している会社です。

「ベビーテックを活用することにより、保育の業務・育児環境の改善を後押ししてあげることができます」(永田さん)

さらに2019年の6月に優れたベビーテック商品を表彰する“ベビーテックアワードジャパン”を立ち上げられたそう。
そこで3部門の賞を受賞したのがユニファ株式会社のベビーテック。


保育士さんのエプロンに取り付けて子どもの写真を自動撮影してくれるカメラは簡単に記録を残すことができ、子どもの様子が保育士さんにも保護者にも一目瞭然!
また突然死は睡眠中に起こることが多いため、午睡中も気が抜けない保育士さん…!小型のセンサーを衣服のおなかの部分につけ、うつ伏せ状態が長時間続いたり、体動がない場合に即座にアラートがなるものも。これは責任の重い仕事である保育士さんの精神的負担を減らす効果もあり、さらには誰が保育の現場に入っても異変に気づけるというメリットもあります。

「保育士の力量をあげることに寄りかかるのではなく、IoTを上手に取り入れることで心と時間に余裕を持ってもらう、そしてそれが結果として保育の質の向上につながる。」と無藤先生。

これらのベビーテックは保育の現場だけではなく、家庭でも活用できるもの。何かと忙しいワーママの手助けとなってくれるのではないでしょうか?

次世代の保育を行う「スマート保育園」

さらにこうしたベビーテックを実際の現場に取り入れた「スマート保育園」と呼ばれる園の運営も徐々にはじまっているのだとか。

「子どもたちのためにみんながんばっている。しかし、生身の人間で全ての業務をこなすのには限界があり、機械によってできることは機械でやる。それによって人間同士の対話や良い関係性が生まれるのではないか。」と語るのはベビーテックを牽引するユニファ社の代表取締役 CEOの土岐 泰之さん。
今までの古いやり方に囚われるのではなく、使える新しい技術は取り入れていく。そのような柔軟な考え方も保育をより良く豊かにしていくのではないかとお話しされていました。


忙しさも増える一方のワーママや保育士さんですが、良い技術もどんどん生まれてきており、頼りどころは実はたくさんあるのではないでしょうか。情報を集める、アンテナを張っておくこともこれからのワーママには必要なこと。自分のため、そして何より子どものためにも頼れるところはしっかり頼って楽をする。そうすればいたずらに叱ってしまったりして罪悪感を感じることも減り、笑って子育てができると感じました。
スマート保育園とベビーテック、これからますます広がりを見せる予感がするので、注目していきたいと思います!

森田文菜

森田文菜

スタイリスト/ファッションライター

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