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2020.02.26

PTA「三役・欠席裁判・旗振り」ほか、知っておきたい用語!まるっと解説



今年も迫ってきましたね、いわゆる小学校PTA問題が取り沙汰される時期です。

そもそもPTAは任意加入ですが、入学時まだよくわからないときに「PTA入りません!」と宣言するなんてできるかなぁと思う人が多いでしょう。途中で脱会するのだって面倒だし「だからってPTA改革しようなんて無理」・・・結果論として、消極的にPTA参加、うまくやり過ごしたいのが本音というママが大多数かもしれません。

そんなPTAには独特の「言葉」があったりします。PTAの委員選出や保護者会前に、予習・復習として、あるいは「あるある!」読み物として、ご覧いただければと思います。

PTA語録1「三役」とは


三役そろい踏み、なんぞと言えば相撲のようですが。
PTAの三役といえば
・会長
・副会長
・書記
が一般的。とはいえ、地域や学校により組織図がかなり違うんですね。副会長が複数のところもあり、この場合には書記ではなく「会長1+副会長2〜3」が、「三役」と言われます。

ま、肩書きはなんであれ「PTAの偉い人たち」だと思っておけば充分です(そもそもPTAという組織で〝偉い〟も何もないのですが)。三役は通常のPTA活動のほかに上部組織による会合や懇親会への参加だったり、他学校の周年行事に呼ばれたりと、あまり知られていない出番が多いのが特徴です。

ちなみに会長のほか、委員長とか部長のような「長」がつかない委員さんを「ヒラ」と言ったりします。会社かッ!とツッコミたくなりますね〜。使い方としてはこんな感じ↓

「Aさん、今年は三役だって。大変だねぇ」
「あたしは下の子も入学して逃げられそうにないからさ、ヒラ狙いでいくわ」

PTA語録2「デキレース」ってなに!?


三役は多くの場合、すでに前年度の会長や副会長からの打診やら推薦やら、いや、脅されたと恨み節の人もいれば、いえいえ自らやってもいいかなと思ったという観音菩薩のようにありがたい方もいるわけですが、ともかく、実はすでに決まっていたりするわけです。

決まっているなら、すんなり発表すりゃいいじゃん!って思うかもしれません。が、そこは学校・PTAという〝組織〟なので、一応は立候補を求めたり、総会を開いて認証して頂いたりすることも多いのです。

つまり、これが「デキレース」です。

PTA語録3「ワタシ妊娠予定なので!」究極のお断りフレーズ


三役はほぼ決まっているから良いとしても、他の委員や係など、強制的ではない前提のほぼ強制という「委員選出のルール」がそれぞれの学校にあって、4月の保護者会で役員決めを行うところが多いようです。在学生は2月〜3月にアンケートを行い、なるべく事前調整を行うところもありますが。

この役員決めで「どうしてもできません」とお断りするママも当然います。それぞれに事情があるのですが、今は〝働いているので〟は免罪符になりません。そんな中で

「今年は妊娠予定なので無理です」

という発言は、わたしも実際に耳にしたことはあり、周囲に聞いても、時々いるようですね。が、しかし。妊娠というのは巡り合わせですし、予定は未定、さらには

「結局、妊娠しなかったです」

で、翌年も

「今年こそ妊娠する予定なので無理です」

と二年目にも宣言した、そんなママもいましたっけ。ざわつく教室、半数のママたちは苦笑いですが、たとえば実際に仕事や介護があってもPTAをやっている人からすれば、モヤモヤとするでしょう。かといって、一概に弾劾はできず、もしかしたら本当に不妊治療をしていて体調がきついのかもしれない・・・と、考えると、複雑です。

委員決めのときに、「持病があること」まで公表し、それを認めてもらって免除になる、PTAってどんだけ!? というような話題もよくのぼります(それどころか、病気でも免除されなかったという声もある)。誰しも病気のことなど公に話したくはないはず、ところが、これまたPTAから逃れるために病気持ちになってしまうママ(つまり仮病)も出てきたりして、こうして役員決めが紛糾することもありがちといえば、ありがちです・・・。

PTA語録4「欠席裁判」いないと大変なことになる!?


さぁもうひとつ、役員決めの保護者会に関連するキーワードを紹介しましょう。保護者会そのものを欠席し、この面倒くさい役員選出から逃れようって人を、い〜や!そんな不公平なことは許さん!という「欠席裁判」です。

決まらない委員や係があると「くじ引き」「抽選」あるいはジャンケンなどを行うことが多いですね。

この時、欠席したママの名前も当然、くじ引きに入ります。そもそも欠席者は「委任状(決まったことに従います、委任しますって書類)」を提出しているので、不在の役員選出会で決まったことに抗えないという現実があります。

そうして、くじ引きの中に名前が投入され、当選なんぞしてしまうと、すぐに電話がかかってきます。電話の向こうで「無理ですぅ~できません~」と叫んだところで「皆さん、ご事情がある中でやってもらっています」とバッサリ切り捨てられることでしょう。

ちなみにわたしの経験では、ジャンケンになったとき、欠席者の代理になってジャンケンする人がおらず、この代理人になる人をジャンケンで決めるという、ダブル・ジャンケン大会になったことがありましたよ。

ちなみに、欠席裁判とは、本来、法廷に出頭しないことを理由として、欠席した当事者にとって不利な判決をすること(現在は廃止されている)らしいのですが、保護者会欠席からくる「PTA欠席裁判」はもはや小学生ママには認識されている言葉のひとつです。

PTA語録5「旗振り・廃品回収」意外と知らない地道なお役目


意外と小学校に入学するまで耳にしたことがない単語がこちら「旗振り」と「廃品回収」かもしれません。

旗振りとは、子どもの通学路、交差点等に黄色い旗をもって立ち、子どもの安全を守る当番さんです。

わたしが子どもの頃は「緑のおばさん」がいました。緑のおばさんはたぶん、外注だったわけで、学校だか自治体だかが雇い、お給料が出てたわけです。そういえば、いつからなくなったんだろう・・・。

で、この旗振りが当番制でPTAによって、あるいは地域の子ども会などによって、当番日等が割り振られるわけです。この旗振りも、そもそも必要なのか? 下に幼い子どもがいると大変、勤務地が遠く出社が早い人は対応できない等々、現在ではさまざまな問題があります。必要なら、緑のおばさん(呼び名はどうかとは思うが)復活してもいいのになぁと個人的には思うんですが。

さらには「廃品回収」。廃品回収は町会や子ども会など地区によることも多いのですが、学校のPTA活動に組み込まれていることも多い。で、これはだいたい週末の朝ですね。各マンションや家庭などから、業者にだせば小銭になる(大金ではない)廃品を回収し、出す。この作業をエッチラオッチラするのが、廃品回収当番です。

平日必死に働き、子育てもし、それで週末の朝に「廃品回収、泣きたくなる」そんなママの声もあるあるです。

PTA語録6「サクラ・動員」要請あれば参加は必須・・・


PTAというのは、たいてい、上部組織があります。連合とか協議会とか。で、そうした上部から「○○講演会に10人の参加お願いね」というお達しがきます。

上部組織があるとPTA団体として認めてもらうには何らかの規則があり、そこに「1年に1回、保護者啓蒙活動の一環として講演会を開く」なんていうのもあったりします。

するとPTAにおりてくるのが「動員要請」であり「サクラが必要ってことよね」となるわけです。そのために「講演会に出る係」というワケわからん担当ができたりする、不思議な現象が起きます。

もっとも「講演会参加係は座って聞くだけ、2時間ですむ」と密かに人気のある係だったりもするんですね~。

しかし、こうした係がない、人数が足りない学校だと、それでなくても忙しい役員や委員に「○○委員から2名、○○部から2名」と強制的に人数割り振りがされます。

結論「しゃべるのもいいが黙っているのが一番いい」


さて、三役などを含めたPTAの本部だけは御免被りたい、しかしながら、とにもかくにもPTAに入っている以上、お手伝いはするよ(あるいはしかたない)というママたちはかなりの割合でいます。

もっとも本音では(やだな~)って人が多いのでしょうが、そこはやはり子どもを学校へ通わせている以上しょうがない、「今の段階で、できるだけラクなことをうま~くやって乗り切りたい」という辺りに落ち着きます。

さて、4月の保護者会では、役員・委員選出の時間があり、担任も恐れおののくのか、さっさと教室を退散しております。ここで司会役の人が黒板に「委員・係」を書き、の立候補者を募ります。さぁさぁ、ココからが本番ですよ!

しーん・・・

と教室中が静まりかえります。むろん「低学年のうちに役員やってしまいたい」からと1~2年生のクラスでは立候補が乱立し、あるいは「この委員はラクだ」と人気があるものは、ジャンケンで決まるというパターンもあります。

が、一般的には学年があがるにつれ、参加者同士の沈黙の戦いが始まります。この「沈黙」に耐えられず、思わず挙手して「あの~、それって毎回の会合に参加しなくても大丈夫ですか?」なんて具体的な質問をしたら最後、ハイ、決まりです。畳みかけるように「大丈夫ですよ、大丈夫ですよ、大丈夫ですよ」「じゃ、○○さんで!ありがとうございまーす」拍手~~~~っという流れが既定路線です。

ところで保護者会やクラス会で、担任から「質問などありませんか?」と聞かれたとき、やたら長々とワケのわからん問いかけをしたり、個人的なことだったり、そんなのわかるだろ的な質問をする人いませんか? 周囲のママたちが(長くなるだろー!)(よけいな質問するなぁ)(そんなの個人的に聞いて!)とそれぞれの胸の内でイラっをため込むということも、あるあるなんですが。とういわけで、保護者会やクラス会は

「しゃべるのもいいが、黙っているのは一番いい」

という結論に至るのです。

実はこれ、ラフォンテーヌ〝寓話〟からの引用です。

ラフォンテーヌの格言では「火中の栗を拾う」も有名ですが、なんですか、みんなから敬遠される委員が決まらず、もめてもめて、すったもんだで進まない、どうしようもなくて役員になってしまう、ああ、それこそまさに「火中の栗を拾う」ではありませんか。

しかし、ラフォンテーヌ、こんなことも言っております。

「遠くにいると恐怖を感じるが、近くに迫ると、それほどでもない」

PTAもいざ中に入ってしまえば、案外、大丈夫かも!? 新しい友だちができるかもしれないし!

ともかくPTA決戦の日は間近です。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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