2020.03.26
新型コロナウィルスで相次ぐ休校・登園自粛!子どもたちの1日の過ごし方は?【緊急アンケート】
ついにWHOもパンデミック宣言を出すに至った、強い感染力を持つ「新型コロナウィルス」。現在感染が確認されている人は、全世界で40万人を突破したといわれています。
国内でも感染拡大の影響に伴い、各地で休校が続いています。これ以上の感染拡大を防ぐための有効な手段といわれていますが、長期休みでもないのに学校に行けない毎日から春休みへ突入し、子どもたちはもちろん、パパやママもストレス溜まりまくりだと思います。
今回は、そんな毎日を子どもたちはどう過ごしているのか、働くパパやママはどう対応しているのか、緊急アンケートを実施。赤裸々な叫び声が聞こえてきそうです。
なぜ小中高が休校になったのか?
2月の末、安倍首相が全国すべての小学校・中学校・高校・特別支援学校等に対し、3月2日から春休みまでの期間、臨時休校とする旨の要請を表明しました。
これは、「感染力の強い新型コロナウィルスの拡散を、子どもが集まる学校を休みにすることである程度食い止める効果が見込まれるから」という理由からです。
多くの自治体がこの要請を受け、3月2日から春休みまでの長期休校を実施することを決定しました。しかし、『学校保健安全法』によると、今回のような感染症予防のための臨時休業は、首相や文部科学省などの政府の権限ではなく、その自治体の教育委員会の権限の元において決定する、となっています。
(臨時休業)
第二十条 学校の設置者は、感染症の予防上必要があるときは、臨時に、学校の全部又は一部の休業を行うことができる。
(学校の設置者の事務の委任)
第三十一条 学校の設置者は、他の法律に特別の定めがある場合のほか、この法律に基づき処理すべき事務を校長に委任することができる。
<学校保健安全法(一部より)>
休校せず普段どおり開校している、あるいは2週間の休校期間を経て学校を再開した学校もあるようですが、それもほんの一部。
この休校の煽りを受け、「学童を受け皿として一日中開放しなくてはならず、朝から動ける職員が足りない」「小学4~6年生や中高生の過ごす場所がない」「卒園式・卒業式が中止になり、しっかりお別れもできなかった」など、保護者や教育現場から多くの悲鳴があがっています。
子供たちの1日の過ごし方、どうしてる?
休校で一番影響を受けているのは、「日中の子どもたちの過ごす場所・過ごし方」といっても過言ではありません。学童や学校開放など居場所が確保できても、なにかと不安はつきまとうし、一日家にいてもテレビばかり、勉強もせず遊び惚呆けている…
子どもたちはいったいどのように過ごしているのでしょうか。
・学童からはなるべく早めに帰宅させる
休校と聞いて頭が真っ白になりましたが、直後に「学童が朝から受け入れます」という通知をもらい、ホッとしました。幸い娘が通う学童は8時半から開所しているので、あまり普段と変わらない毎日。とてもありがたいですが、学童は100人程がすし詰め状態で一日過ごします。マスクはさせていますが、正直感染が心配で。
いつもは18時までお願いしていますが、今は16時には学童を出るようにしています。私も毎日残業なしにして、18時には帰宅するようにしています。私が帰るまでは漫画を読んだりゲームをしたり好きなように過ごせるから、天国だそうですが(苦笑)
〔Yさん、子ども9歳(小学3年生)〕
・学校開放はありがたいけど…
長男が通う小学校は、「学校再開」ではありませんが、子どもを受け入れる場所として開放してくれることに。毎日お弁当持参は少々辛いところですが、朝も8時過ぎから開けてくれて、15時40分まで預かってくれるので非常にありがたい!
「どう過ごしているの?」と聞くと、「うーん、先生がガッツリいるわけじゃないし、授業もない。校庭で遊んだり、図書室でマンガ読んだり、かな。ほとんど勉強なんかしないよ」と。うーん、しっかり授業をしてほしい!とまでは要求しませんが、せっかく通学しているのに、毎日遊んで暮らしている感じでダラけてるな~と…早くちゃんと再開してもらいたいです。〔Uさん、子ども10歳(小学4年生)、5歳〕
・一日中ゲーム三昧なわが子
高校受験を終え、「残り少ない中学校生活を楽しんで、卒業後は友達とどこかに出かけまくる!」そんな日々を楽しみにしていた息子。ところが、高校の合格が分かったと同時にコロナ騒ぎで休校に。
たまーに友達と公園に集まって恋バナに花を咲かせたり、ゲームをしたりしているようですが、ほぼ毎日自宅でスマホ・ゲーム三昧です。「通信ゲームで会話したりしてるよ」とおバカなことを言ってるので、このまま引きこもりになったらどうしよう…とかなり不安です。とはいえ、子どもももう中学生なので、私は特に働き方を変えず通常勤務。
「休校の影響でスマホ依存の子ども急増」というニュースがありましたが、まさにわが子。どうしてくれるんだ! コロナ!! と、怒りがこみ上げてきます。
〔Hさん、子ども15歳〕
読んでいるだけで、コロナに対するやり場のない怒りがわいてきます。一瞬にしていつもの生活が一変した、そんな感じです。毎日学校に行って、給食があって、子どもが安心して過ごせる。それってものすごく幸せなことなんだ、と改めて痛感!
「登園は極力自粛」といわれたけど、どうすればいいの?
政府からの休校要請は、保育園にも影響が出ています。「休園」という措置は取られていないものの、ほとんどの園が「親がリモートワーク(在宅勤務)など自宅で保育が可能な日は、できる限り登園を自粛するよう協力をお願いする」という通知を配布しているようです。
「私は毎日通勤でとても自粛なんかできない!」というママも多いと思いますが、リモートワークが可能、あるいは少しでも自粛できればと頑張ってしまったママの思いや対応聞いてみました。
・在宅でできるとはいえ、子どもがいたら仕事にならない!!
新型肺炎感染拡大の影響で、私の部署はほぼ強制的にリモートワークに。そのタイミングで保育園から「登園自粛の協力」のプリントが配布されたので、感染も怖いし保育園を休ませました。しかし! 放っておくわけにいかず適度に相手をしなくてはいけない、昼ごはんも作る、その合間に家事…在宅ワーク可能だからといって、子どもが家にいたらとてもじゃないけど仕事になりませんでした。保育士さんに正直に相談し、週3日登園して、週2日休ませています。
「こんなんで自粛になっているのか?」という疑問と、「毎日登園させちゃいたい…」という欲求と葛藤している毎日です。早くコロナ騒ぎが収束してほしいです。
〔Oさん、子ども4歳〕
・自粛を真に受けて数日休んだのに、ほとんどの子が登園してる
「登園自粛の協力」のお知らせがあったので、そのことを会社に相談したところ、とりあえず1~2週間休暇を取っていいという許可が下りました。私は契約社員なので、その間は無給になってしまいますが、認めてくれるだけありがたいと思っていました。
でも、フタを開けてみたら、登園自粛で休んでいるのがウチの子だけ! 保育士さんに「ウチの子だけ自粛協力していておかしいと思う」と言ったら、「協力をお願いしているだけで、自粛しろとは言ってません!」と半ば逆ギレ状態。
登園を再開し、今は出社していますが、ものっすごくイライラしています…
〔Tさん、子ども10歳、5歳〕
登園自粛、これって線引きが難しいですよね。できればしたいけど、できない。あるいはやってみたけど、とても仕事にならない! ある意味、休園よりモヤモヤしてしまいそうです。
障害児の居場所、過ごし方に頭を悩ませています…
障害を持つ子どもの日中の居場所、過ごし方に頭を悩ませているパパやママの声も多く聞きます。1人で留守番ができない、自主的に何かをすることができない…そんな子どもたちの預かり先とは?
・放課後デイサービスの対応に救われた
中学生ともなると、通常なら1人で過ごせますが、知的障害のある息子はもちろんできません。普段は、下校時間後に学校に放課後デイサービス(※)が迎えに来てくれ、18時まで預かってくれます。
放課後デイサービスはあくまで「放課後預かり」。でも休校が決まったとき、放課後デイが朝から受け入れる体制を整えてくれたんです。「いつまで休校になるかわからないし、仕事辞めることになるかも…」と思っていたので、本当に救われました。学習道具を持たせれば、それなりにやらせてくれるのも助かっています。〔Wさん、子ども14歳〕
※放課後デイサービス…6歳~18歳の障害のある、あるいは発達に特性のあるこどもが通うことができる福祉サービス。家と学校以外の居場所や友だちをつくることができ、 “障害児の学童”ともいわれています。
・特別支援学校の開放
長女が通う特別支援学校が、「仕事や介護などで自宅で子どもを見ることが困難な方を受け入れます」と、学校を開放してくれることになりました。障害児を持つワーママたちが声をあげ、学校がくみ取ってくれたそうです。
今は週2日放課後デイを利用し、週3日登校しています。学校では、朝は体力づくりのマラソン、国語や算数などの授業と、普段とほぼ同じ生活ができているようです。調理実習などの作業授業はできないようですが…
障害児は、自分の生活ペースが崩されるとパニックになってしまう子も少なくありません。こうして、少しでもいつもと同じ生活を送れることは、とてもありがたいと思っています。
〔Kさん、子ども13歳、6歳〕
「障害を持つ子どもや保護者が不安にならない対応や環境調整を考えたい」と受け入れを検討している特別支援学校も少しずつ増えています。また、政府は働く親のための放課後等デイサービスの費用を補償すると発表しています。休校になったゆえにどこへも預けられず、親に負担・重圧がかかってしまいがちですが、どうか一人で抱え込まず、自治体の福祉課に相談してみください。
今回の「休校」はあまりにも急な措置で、子どもや親はもちろん、教育現場である学校にも大きな動揺を与えました。「急に友達に会えなくなって、このまま卒業なんて」という子どもたちの寂しさ、「子どもの居場所がない」という親の心配、「教育ができず子どもの学力が落ちてしまうのでは」という先生の焦り…
落ち着かない日々、うんざりするほど毎日のように流れるコロナのニュースに、心もざわざわしてしまいますよね。
コロナがいつ収束するか先が見えず、不安な日々はもう少し続くかもしれません。「子どもをどう過ごさせるか」に心を砕く毎日になってしまいますが、いつか必ず元の生活に戻れることを信じて、なんとか踏ん張っていきましょう!
田崎美穂子
mamaライター