2020.07.16
学校再開!子どもたちの現状は?ぐったり疲れている子どもをどう支える?
6月にコロナ禍の緊急事態宣言が解除されてから学校が再開になりました。その後も感染者は増え続け、子どもたちは今まで経験したことのない厳戒態勢のなかで学校生活を送っています。
これから真夏を迎えますが、夏休みも短縮され、子どもたちの疲れがますますたまることも想像できます。
お疲れの子どもをどう支えたらいいか、実際のママたちの話から考えました。
子どもの置かれている状況は想像以上にハード
・一斉に前を向いての給食。
・おしゃべりはなるべくしない。
・歌わない音楽の授業。
などなど、今までなら考えられないような状況で、子どもたちは学校で過ごしています。なかには「それでもやる意義はあるの?」と言いたくなるようなこともありますが、子どもたちは健気に通っていますよね。
特に新1年生は大変です。通うだけでも大変なのに毎日宿題が出たり、保育園よりも決まりが多かったり。春に卒園してからしばらく家庭で過ごしたあと、いきなり学校が始まったのですから、生活のギャップにとまどいを覚える親子も少なくないでしょう。
とりあえずわがままでも聞いてあげる
学校から帰ってきた子ども様子から、普段との変化を感じ取る親もいるそう。小1と小5の子どもを育てるMさんは、次のように語ってくれました。
「普段よりも甘いものをほしがりますね。最近、暑くなってきたこともあり、毎日アイス、アイスです。ステイホーム中はこんなにしょっちゅう欲しがらなかった気がします」
大人でも疲れていると甘いものが食べたくなりますよね。また、ストレス解消にスイーツを食べる人もいるでしょう。甘いものを摂取すると、脳内に「セロトニン」という神経伝達物質が分泌されます。セロトニンはストレスを抑え、精神を安定させる作用があります。確かに緊張しているときなどに甘いものを口にするとホッとしますよね。ですから、学校から疲れて帰ってきた子どもが甘いものを欲しがるのはごく自然なことなのです。
整体の考えでは、甘いものはからだをゆるませる効果があると同時に、からだを冷やすことにもつながるそうです。与えるなら自然な甘みのものや果物にするなど、工夫してあげましょう。
歩き方に出る「疲れ」
同じく小1の娘を持つSさんは、学校に通うようになって娘の歩き方が変わったと感じました。
「学校が始まって間もない頃、登校班で歩くときにつきそって歩いたのですが、娘は足をひきずるようにして歩くんです。いかにもイヤイヤそうな感じで。いつもはスキップするように歩くのに、学校の行き帰りは靴がいたむような歩き方で気になりました」
おそらく娘さんには自覚はないのでしょう。
Sさんの娘さんにかぎらず、登校班で歩いている子どもたちは皆一様に「トボトボ」という感じで歩いています。マスクもしていますし、とても楽しそうに歩いているようには見えません。Sさんはさらに次のようにも話してくれました。
「安全に登校することは大事ですが、通学路で発見したことを共有できる雰囲気が少しでもあれば違ってくるのではないかと思いました。実際、下校時に虹が出たときは、さすがに子どもたちもテンションが上がって走り出したりしていましたよ」
からだからゆるませてあげる
学校から帰って、やたら親にベタベタする子どもも多いようです。ハグや握手などのスキンシップでエネルギーをチャージすることは、大人でもありますよね。そんなときは、好きなだけくっついてあげたいもの。それで心が元気になれるなら、お安いご用ですよね。また、学校で緊張した子どものからだをほぐすには、以下の運動がおすすめです。
1.子どもを仰向けに寝かせます。
2.親は子どもの足の方に座り、子どもの両足の親指を持って揺らします。
これだけなのですが、ほんの少しの揺れでもからだ全体に揺れが伝わってゆらゆらするのがおもしろくて、笑いだす子どももいるでしょう。笑うことでさらにからだがゆるみます。
コツは足を持つ手にあまり力を入れないことです。
この時期は、疲れて昼寝して生活のリズムが崩れる子どもも多いですね。長く昼寝をとってしまうと夜寝るのが遅くなりますから、まずこの運動をして起きているうちに疲れを少しでもとってあげましょう。
どうしてる? 多い宿題
今の小学生は本当に大変です。小1からしっかり宿題がありますし、しかも週末にもある学校が多いようです。宿題の中身はというと、同じ字を何度も書かせるもの(書き取り)、同じような問題をたくさん解かせるもの(ドリル)など、率直にいってつまらないものが多いですよね。
ですが、子どもは責任感も強く「宿題はやらなくてはいけない」と思い込んでいる子どもも少なくありません。
宿題をこなすことがあまりに子どもに負担を与えていると感じるようであれば、親の判断で適当にやらせる程度でもOKではないでしょうか。先生のなかには「できる範囲でいいよ。後から提出してもOK」と言ってくれる人もいるようです。宿題でヘトヘトになってしまう前に、担任の先生に相談するのもいいですね。
休みたいと言ったとき
働いているママにとって、子どもが「学校を休みたい」と言ったときがいちばんツライのではないでしょうか。急に仕事は休めないし、特に学年が低いとひとりでお留守番はまだ心配です。これという解決策はないですが、いざ子どもが「休みたい」と言ったときはまず子どもの気持ちを受け止めてあげましょう。
反対に、NG例としては以下のような声がけがあります。
「何言ってるの!」
「みんな行っているんだからがんばって行きなさい!」
学校に居場所がないと感じるから行きたくないのに、家にも居場所がないと思わせてしまっては、子どもは救いようがありません。
「不登校」というと言葉が重いですが、時代も少しずつ変わってきています。「学校は毎日行くもの」という考え自体を持たなくなってきている人も出てきました。たとえば、美容師をしているNさんは、次のような考えを持っています。
「お店の休みに合わせて毎週火曜は子どもを休ませることにしています。土日はお店を休めないし、どこかに行くのに平日だと空いていていいから」
また、学校の行き渋りが始まった子どもを持つTさんは、担任の先生から「給食だけでも、好きな科目だけでもおいで」と言ってもらえてかなり気が楽になったと言っていました。
コロナ禍の収束どころかさらに悪くなりかねない状況のなか、いつまた休校になるかわかりませんが、学校がある限り、子どもの学校疲れには対処していかなくてはなりません。
親としてできることは、今子どもがどんな状態にあるのか、様子を見ていくことくらいかもしれません。親も肩の力を抜いて、「こんな時代だからなんでもあり」と腹をくくって、まず子どもと自分が笑っていられる生活を目指しましょう。

冬木丹花
ライター