2020.08.22
教育費はいつどう貯めるべき?リアルな学費事情をもとに考えた!
ズバリ、結論から言いましょう。
「少しでも早くから、少しずつでもいいから教育費を貯めましょう!」
高校・大学はもっともお金がかかる時期です。子供が小さいうちは「高校生になる・大学生になること、お金がとてもかかること」を想像できません。が、お金の貯め時はよく言われるように子供が幼い時こそがチャンス。
でも、ついつい、とりあえず「子ども手当くらいは貯めておくか」「学資保険1本入ったから大丈夫かな~」と軽く考えがちです。今回はリアルな「学費事情」をもとに、ちょっとヒヤっとして頂きましょう!
学資保険は基本の基本
本来は学資保険でなくてもいいんですよ、毎月きちんと貯蓄できたり、教育費の積立ができるのなら。が、実際にはどうでしょうね。やはり強制的に引落しされてドンドン貯まっていき、簡単には引き出せない学資保険はもっとも手堅い方法です。
学資保険のメリットは、保証がある点です。万が一、夫に不慮の事態があったとしても、学資保険は(契約が細かくあります)子どもの最低限の学費を確保できます。
特に生まれてすぐに契約すると、月額の支払いは低く、それほど負担になりません。ずっと我慢して続けていれば「いざ学費が必要な時」かなりの金額になっているのがメリットです。
子どもが生まれたら、とにかく金額が安いものでもいいので学資保険に入るのは基本の基本と言えるでしょう。
が、残念ながらそれだけでは、たぶん、足りません・・・
子ども手当を貯めるのも基本の基本
子ども用の通帳を作りましょう。そこに貯める基本は、まず、子ども手当です。これは「ないもの」だと思えば、貯めやすい収入です。
他にも同じような意味で、親からもらったお年玉とか、入学祝いで頂いたお祝いとか、そうした「予定外でありがたい」子どもへのお金はすべて一括してこの通帳に貯めていきましょう。
最初はたいした金額ではありません。だから逆に、この通帳からついついお金をおろして、子どもの服を買ったり、習い事に使ったりしがちです。習い事が悪いのではなく、ただ、この「ありがたや~通帳」は、決して手をつけないという強い意識を持って、そのまま地道に貯めていくのが大切です。
すぐ「とりあえずちょいココから出しておいて」「来月戻せばいいわぁ~」でほとんど戻すことができない私のようなズボラな人は通帳管理を夫に任せるか、なるべく目につかない場所にしまいこんでおきましょう!
子どもの人数分を貯める必要がある
さて。ひとりっ子ならもちろんですが、ふたり、三人と子どもがいるケースもあるでしょう。誰でも最初の子ども・長男や長女の時はアレコレとやるのですが、2人目、3人目となるとどうしても「上の子に一番お金がかかる、とにかくそこから」と後回しになりがちです。
ですが、後回しにしていても、学費が発生する時期はそれほど「後回し」にならないのが現実ですね。3歳差なら、受験は同時期にやってきます。では10歳の年の差があればラクかといえば、そうでもなく、最もお金のかかる上の子の大学時代に下の子の受験がかかってきたりもします。
子ども、ひとりひとりに「通帳」を作るなりして学費貯蓄を目に見えてわかりやす状況にしておきましょう。そもそも、ひとりめの時は若く、だから3人目はそれなりの年齢になり「それなりの給料が貰えている」と考えがちです。それは確かにそうですけれども、実際には上の子の学費でヒーヒーなりながら、(げ、やばい、同じだけのことを下の子にしてあげられないかも!)と焦るのは珍しいケースではありません。
兄弟姉妹に関係なく、それぞれに「ひとりずつ」教育費を貯めていくのが大切です。
無償や奨学金をあてにせず考えよう
最近、高校無償化や返済不要の奨学金のニュースを見かけます。でもこうした制度はあまりアテにしないのが一番。その時使える制度があればラッキーくらいに思っておきましょう。
ところで大学の奨学金と聞くと、年収がとても低い家庭が利用するもの、と思っていませんか?
日本学生支援機構の調査を見ると、年収1,000万以上の家庭でも奨学金を利用している家庭は10%以上になります。もちろん私立医学部に行くのと国立文系に行くのでは費用も違うので一概には言えませんが、しかしともかく「それなりの年収」があったとしても、実際に大学の費用を捻出しきれないケースも決して少なくないということです。
そしてこれもご存知とは思いますが、現在の一般的な返済を必要とする奨学金は、借り主は親ではなく「子ども本人」です。つまり奨学金の返済責任は子ども自身です。もし将来、何らかの理由で返済が苦しくなった時、困るのは親ではなく子どもだということです。大学にもなれば「本人の希望によるもの」である前提で、その費用も自分で捻出するのが当然という考え方を否定するわけではありません。ただ、安易に「奨学金だから、普通のキャッシングみたいなローンじゃないし」と考えないようにしましょう。
・・・って、そんな先のこと、と思いましたか? あまり現実的に考えられない? お金にひどく苦労しているわけでもないけど、毎日の生活に忙しくて、そんなことまで計画たてて暮らす余裕はないですか?
できるだけのことをしてあげるために
共働きで、例えば30代から40代の夫婦で年収700万くらいだとします。もちろん住む地域等にもよるのですが、一般的に考えたら、高校から私立→私立大学へ進むというケースでも充分に教育費を貯められそうです。ところが、実際には生活費は子どもの成長と共にふくれあがり、住宅ローンや増える食費で貯蓄のペースは落ちていきます。
今、保育園や小学校のお子さんがいて、例えばすでにスイミングとか英語とか習い事に通わせていませんか? それも教育費です。学費を貯める前に子どもの教育費は始まってしまっているんですね。将来への投資・子どものためにと思えば、ケチケチしたくないと思うところです。
そして、小学校高学年から塾に通わせたらどうでしょう。中学受験を考えたら、小学校6年ともなれば年間100万近くかかるかもしれません。
高校受験はどうでしょう。中学生になると、多くの子どもが塾に通うでしょう。都心部の特徴になりますが、高校から都立ではなく私立に行くケースも非常に多くなります。私立高校の学費は安く見積もっても年間50万から60万、それに加えて部活の費用だ、制服だ、定期代だと積み上げられていく出費に、それこそ「教育費として貯めたものを、その時点ですでに切り崩していく」ことになりかねません。
つまり、漠然と考えている「大学入学金は100万くらいは学資で、あとは子ども用の通帳1冊に少しずつ貯めていけば何とかなるだろう」なんていうのは、年収1,500万以上の家庭のみ、です。まぁ年収がいくらあったって、支出の問題ですけれども。
あなたは「近所の公立小学校に行き、自治体の学童で過ごし、公立中学から公立高校へ、まぁさすがに国立大学はムリだろうけど、つまり大学用の教育資金だけ準備する」と考えていたとします。でも。もしお子さんが「私は○○に行きたい!」と突然、中学受験をしたいと言ったら? 高校で都立の予定だったけどうまくいかずに私立高校に進学したら?
本当にお金がなければ、子どもも年齢と共に家庭の事情を察して進路を考えるでしょう。でもまずまず平均的な共働き家庭こそ「どうしても、と言われれば出せないわけではない」教育費ですから、ひねり出して、やりくりをしてしまいがちです。しかし忘れてはならないのは
学費は1年で終わらない
ということです。入学金を含めた最初の1年だけ乗り切れば大丈夫ではなく、高校なら3年間、大学なら4年間、途切れずに毎年毎年、学費は納入していくものです。1年だけなら「ひねり出す」ことができるかもしれませんが、子ども2人いれば10年近く教育費に追いかけられる場合も少なくなく、次第に生活が圧迫されます。
こうしたことも考えた上で「進路を決める」のが大前提ですが、今、まだ小さなお子さんをお持ちならば、後であわてない為にも準備をスタートしましょう。塵も積もれば山となる、です。早いスタートなら、大きな負担をかけずに目標の学費を貯めることもできるでしょう。下の子で「ヤバい〜!」と焦った私からのアドバイスです・・・。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。