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2020.12.09

<元皮膚科看護師ママが解説>冬の子どもの乾燥肌どう乗り越える?保湿剤や方法も伝授



冬になると大人だけでなく子どもの肌も乾燥しやすくなります。我が家の娘も冬になると肌が乾燥して掻き傷が絶えなくなることもありました。小さいお子さんの乾燥お肌をどう乗り越えていくか、皮膚科で働いていた看護師ママが自身の子育て経験とともにご紹介します。

子どもは大人よりも皮膚が乾燥しやすいことが証明されている!


子どもの肌が大人よりも乾燥しやすいということは、一緒に暮らしていてわかっているという方が多いかもしれませんが、この事実は科学的にも証明されているのです。新生児~乳幼児と成人の皮脂量を比べた研究によると、新生児、生後1カ月の子ども、保育園児(生後3ヵ月~2歳8ヵ月)の子どもでは、額、鼻、頬、顎において成人に比べて皮脂量が少ないということが分かっています。新生児は顔の皮脂量が多いというイメージがあるかもしれませんがこの皮脂量も生後3か月を過ぎると急激に減少していくことが分かっており、この皮脂量の少ない状況は思春期前まで続くと考えられています。また、顔だけでなく体においても皮脂を構成するための成分が少ないため、乾燥をしやすくなる傾向にあることが分かっています。このことからも子どもの皮膚は大人以上に保湿などのスキンケアをしていくことが重要です。

子どもの保湿はアトピー予防にもつながる!?


子どもの保湿を丁寧に行っていくことはアトピーの予防にもつながると考えられています。そのことを示したデータを見ていきましょう。

なぜ乾燥肌がアトピーを誘発するの?
皮膚が乾燥すると、乾燥によって皮膚のバリア機能が低下してしまいます。バリア機能が低下するとアレルゲンや異物などが肌の中から侵入しやすくなり、湿疹・皮膚炎や細菌・ウイルス感染症などを発症するリスクが高くなることが分かっています。このことから、バリア機能が低下するとアトピーの発症率も高くなるのです。

アトピーは乳幼児期に発症する
アトピーは乳幼児期に発症しやすいことが分かっています。日本皮膚科学会の資料でもアトピーの累積発症率は3歳までで31%としており、アトピーの方の約3割が3歳までに発症をしていたということになります。また、3歳を過ぎても未就園児でも発症するということが分かっています。
また、生後1週間以内の新生児期から保湿を行い肌の乾燥をケアしてあげることで、アトピーの発症リスクを3割以上減らすことができるということも分かっています。これらのことから乳幼児期は継続したケアが重要であるといえるのです。

アトピー予備軍だった筆者の娘の保湿方法


筆者の娘(次女)もとにかく肌が乾燥していて特に冬は寝ている間に肌をかきむしり出血しているほどでした。目に見えて皮膚がガサガサしていたということもあり、皮膚科に連れていくと、医師に「この子は保湿をしっかりやらないと将来アトピーになる」ということをよく言われていました。しかし、ただ保湿剤を塗り込めばよいということではなく、乾燥肌を防ぐために効率的な保湿方法があります。その方法についてご紹介します。

たっぷりと肌がべたつくくらいまで塗る
保湿剤は、手に取った後肌に点在させて滑らせるようにマッサージをするように塗っていくと肌に負担をかけません。少ない保湿剤を使ってごしごし塗り込むように塗ると摩擦で乾燥を助長するためこの方法はおすすめできません。塗り終わった後に少し肌にべたつきが残るくらいの量を使用しましょう。
保湿剤の使用量の目安としてはチューブや軟膏タイプの保湿剤では、指先の第1関節分の量、ローションタイプでは1円玉くらいの大きさを1としたときに生後半年の子で約9.5、1歳で12、3歳で16を目安として塗ってあげるとよいでしょう。

保湿剤は1番はお子さんの好みのものを使う
保湿剤と一言で言ってもさまざまなタイプの保湿剤が近年では出てきています。どんな保湿剤を使ってあげたらよいのでしょうか。保湿剤と呼ばれるものは一般的にローション、クリーム、オイルなどがあります。最近ではフォームタイプのものも出てきていて種類は豊富です。
冬は特に乾燥しがちなのでローションなどのさっぱりタイプよりもクリームなどのこってりとしたテクスチャーやオイルがおすすめです。ただ子どもはべたつくからクリームやオイルを嫌がるという例も皮膚科で働いている際に多々見られました。また、ローションは部屋に保存していると冬は室温で冷えているので冷たくて嫌がる子もいました。子どもが嫌がって保湿ができないとなると本末転倒ですので、お子さんが好むものを選びましょう。

超乾燥肌の娘に選んだ保湿剤は?


アトピーになる可能性があると言われた超乾燥肌の娘(次女)。最初は皮膚科でヒルドイドのフォームタイプを処方されました。夏はノリノリで塗っていたものの、冬は「冷たいからいやだ」とまったく塗らなくなりました。娘はテクスチャーにこだわりのないタイプでしたので、プロぺトというテクスチャーのこってりとしている軟膏タイプを処方してもらいました。親も、長女もみんなでお風呂上りに一緒に塗るようにすると楽しくなってきたのか、自ら進んで塗ってくれるようになりました。

保湿の頻度はどのくらい?
保湿剤を選んだら次はどのくらい塗ればいいのかと悩むのではないでしょうか。値段も高価で高機能の保湿剤を1日1回塗るよりも、ご自身の肌に合った保湿剤を1日に2~3回塗ったほうが高い効果が見られるというのは研究でも証明されています。この研究では同じ保湿剤のテクスチャーのみを変えて行ったのですが、やはり回数が多い方が乾燥改善に優位だったという結果が見られています。入浴後は肌の皮脂を洗い流して乾燥しやすいタイミングですので、必ず保湿をしてあと+1回くらいできるとよいでしょう。

超乾燥肌の娘は何回塗った?
我が家の超乾燥肌の次女は1日2回、お風呂上りと朝の着替えのタイミングで塗っていました。また、お外遊びから帰宅した後などは何となく全身をかゆがっていたためそのタイミングでももう1回塗布をしていました。

参考:can美「保湿ケアにはセラミドがおすすめ」

子どもの乾燥に悩む…という場合には医療機関を活用するのもあり!


子どもの乾燥に悩んでいる、子どもが乾燥でかゆがっていて対策に悩んでいるというママは皮膚科や小児科を活用するのもありです。
乾燥だけで受診は…と躊躇されるかもしれませんが、前述したように乳幼児期はアトピーの発症率も高いため、その対策も兼ねて乾燥肌の診療を医療機関は快く行ってくれます。
その子の肌の状態に合わせておすすめな保湿剤の情報もくれるので、わが子の肌が気になるというママはぜひ一度受診してみてはいかがでしょうか。
生後6か月のタイミングでアトピー性皮膚炎になるかもしれないと小児科で言われていた娘。ここまでご紹介してきたように1年中同じペースでせっせと保湿をし、保湿剤がなくなったタイミングで小児科や皮膚科で保湿剤を処方してもらい肌をチェックしてもらってきました。
現在2歳8か月となりましたが、アトピー性皮膚炎を発症せず、むしろ診断されたころの肌質はどこへ?というくらいしっとりつるつるなお肌になりました。そんな娘でもやはり冬は乾燥しやすく肌をかゆがります。今年の冬も家族みんなでせっせと保湿に勤しみます。

ふう

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