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2021.03.19

てんかんもちの我が子が幼稚園に通うまで!その必要性と注意したこととは?<体験記>



我が家の息子は、年少時にてんかんの診断を受けました。一般的なてんかんのイメージとは異なり、本人の自覚がないまま、発作が頻発していたのです。てんかんにはさまざまな発作の種類があることを、息子がてんかんの診断を受けたことで知りました。この記事では息子がなぜてんかんとわかったのか、またどのようなことに注意しながら生活しているかについて紹介します。

てんかんって?我が子がてんかん持ちとわかった4歳


てんかんとは、脳の神経伝達が過剰に反応し、意識障害やけいれいなどの発作を起こす病気です。どの部分で神経伝達の異常が起こるかによって、発作の症状が変化するといわれています。つまり一般的なてんかん発作のイメージである、「倒れてけいれんを起こす」という発作は、すべてのてんかん発作に当てはまらないということです。
息子の場合はてんかんの中でも、欠神発作(けっしんほっさ)と呼ばれるもので、ほんの一瞬だけ意識を失っています。息子自身も発作が起きている自覚はほとんどありません。

本人の自覚がないのに、なぜてんかんが見つかったのかというと、ある日突然「ママの顔が見えない」と言ったことが始まりです。当時息子は4歳で、幼稚園から帰ってきて家で遊んでいました。何も変わった様子がなく、突然目の前が真っ暗になったと言い出したのです。ほんの数秒で元に戻り、息子は怖がる様子も痛がる様子もありませんでした。その日は目ヤニが多かったため、その影響かな?と思いつつ、様子を見ることにしました。その後何度様子を聞いても、目に異常はないようでしたが、気になった私は眼科へ連れていくことにしたのです。

眼科では「異常なし」との診断でした。しかしまれに脳に腫瘍ができ、目が見えないと訴えることがあるため、念のため脳神経外科に行くようにと勧められました。目の周りの神経を得意とする脳神経外科に紹介状を書いてもらい、受診することになりました。CTを撮っても異常はなかったのですが、脳波に異常が見られたのです。起きているときも寝ているときにも脳波に異常が見られるため、てんかんの疑いがあると言われました。検査をした脳神経外科では、子どものてんかんの治療や診断を行ってもらえないため、専門医師のいる病院へ紹介状を持っていくことになりました。

専門医のいる病院を受診したところ、「一般的にてんかんは2~3回ほど発作が起きてから診断名をつけるが、息子の場合はあきらかな脳波異常が見られるため、今診断を下し、服薬を開始してもらいます」と言われました。本人が気づいていないうちに、頻繁に発作を起こしている状態だと診断されたのです。そのため息子が「目の前が真っ暗」と伝えてくれたことは、とてもありがたいことだとも言われました。

このように「てんかん=倒れる、けいれん」という認識は間違っており、さまざまな発作があることを知ったのです。息子をよく観察すると、ほんの一瞬目から正気が消え、茫然としたまま動かなくなることがありました。ほんの数秒の出来事のため、注意深く息子を観察しないとわからないほどの発作です。しかし息子にとって、てんかん発作に気づかないままでいることは大変危険だったため、少しでも早い段階で教えてもらえてよかったと思っています。

てんかんの子も保育園や幼稚園に通う必要性


てんかん持ちの子の親の中には、「発作が怖いため、保育園や幼稚園に通わせることが心配」と感じ、てんかんが落ち着くまで集団生活をさせない人もいるようです。もちろん難治性てんかんと呼ばれる、内服薬でてんかん発作をコントロールできない場合は心配も多く、生活に制限もあるでしょう。
しかし服薬でコントロールできている場合は、ほかのお友達とともに集団生活を送れます。集団生活を送ることで、自立心が育ち、さまざまなことを学んでいくのです。

息子は幼稚園に入園後、てんかんの診断を受けましたが、変わらず幼稚園に通園しています。定期的に通院を行い、服薬は欠かせませんが、ほかのお友達と同じような生活を送れています。

てんかんの子が集団生活を送るうえでの注意点


てんかんの子が集団生活を送るうえで注意することがあります。まずてんかんの薬を服用しても、てんかん発作が起こる可能性がゼロではないこと。そのため通院は欠かさず行い、症状に合わせた処置を行ってもらいましょう。また医師の診断の元、保育園や幼稚園に相談することが大切です。

息子の場合、てんかんの診断を受けた年は、プールは禁止でした。発作の頻度は減っていると考えられていましたが、まだ薬でのコントロールが不十分だと判断されたためです。ほかにも息子のてんかんについて、すべての教職員で共有してもらい、なにかあった場合は対応できるようにお願いしています。普段は特に制限もなく生活していますが、どこに息子がいるのか把握しやすくするために、息子の帽子の色を変えています。高いところに昇る際や、クラス単位で行動するときなど、なにか異変があれば、すぐに反応できる状態を整えてもらっています。

保育園や幼稚園によって、対応に違いがあるため、相談しながら子どもにとって過ごしやすい環境を用意してあげることが大切です。

てんかんを起こしにくい生活を心がける


てんかん発作は薬の服用以外にも、てんかん発作を起こしにくい生活を送ることが大切です。てんかん発作が起こりやすい状況を避けることが、てんかん治療で重要といわれています。

・早寝早起きを心がけ、睡眠不足にならない生活を送る
・入浴はてんかん発作が起きやすいと言われているので、誰かと一緒に入る
・感染症にかかるとてんかん発作が起きやすくなるため、健康管理に気をつける
・ゲームやテレビの光に反応する場合は、極力避ける

特に胃腸炎などを発症し、てんかんの薬が飲めない状態になるのが危険だと言われています。息子も普段は毎日薬を飲んでいますが、薬を飲めない状況になった場合は救急車を呼んで、体調回復を優先するために入院をしてもらうと言われています。そのためてんかんだけに気をつけるのではなく、体調を崩さないように健康管理に気をつけましょう。

てんかんとうまく付き合って生活を

てんかん発作が起こる怖さを知ってしまうと、てんかんにばかり目がいきがちです。しかしてんかんに目を奪われず、ほかの子どもと同じように育てていくことが大切だと言われています。

息子の場合、本人がてんかん発作を自覚していないため、なかなか周囲が危険を察知することができません。初めは「幼稚園で発作が起きたらどうしよう」「階段を上り下りしているときに発作が起きたら…」と不安ばかりでした。そのため息子は「したらいけないこと」が増えたのです。しかし行動に制限をしたからといって、息子にプラスとなることはありませんでした。息子にストレスを与えるだけだったのです。今では不必要な制限をなくし、今しかできない経験を大切にしてもらえたらと考えています。

もちろん医師との相談が大切です。できないこともあるでしょう。しかし周りに協力をお願いしながら、できる範囲の挑戦をすることで、子どもの自信にもつながるのではないでしょうか。

出典/てんかんinfo

かなたに

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