2022.06.16
我が子も告げられたHSC!その特徴と関わり方のポイントは?
HSC(ハイリ‐センシンティブチャイルド)という言葉をご存知でしょうか?これはアメリカの心理学者が提唱したもので、日本語にすると「人一倍敏感な子ども」という意味をもちます。我が家の双子の1人も小児科で、HSCである可能性が極めた高いと告げられました。将来的に不登校になる可能性もあるといわれるHSCと向き合うポイントを医師や保健師から言われて我が家で実際に活用していることをご紹介します。
HSCってなに?
HSCとは、ハイリーセンシンティブチャイルド(Highly Sensitive Child)の頭文字をとったもので「人一倍敏感な子ども」を指します。1996年に心理学者であるエレイン・アーロン博士によって提唱されたものです。全人口の15~20%がHSCであると考えられており、5人に1人がHSCでないかといわれています。
うちの子はHSC?チェックをしてみましょう
うちの子はHSCなのかどうか気になるママもいるかもしれません。ここでは、アーロン博士によって開発されたチェックリストを用いて、かんたんにHSCのチェックをしてみましょう。
幼児であればあるあるなところも多いですが、この中から13個以上当てはまった場合にはHSCではないかと考えられています。
HSCは障害や病気ではなく、性格の特性です。子どもの性格の特性を正しく理解をし、早めの気付きと本人に合わせた関わりが重要であると考えられているのです。
我が子がHSCと告げられたきっかけ
ここでは、我が子がHSCと告げられたきっかけをご紹介します。
もともと敏感なことが多かった次女。たとえば、布団のシーツのしわが気になると眠れない、暑さや寒さに敏感で外に出られない、双子姉が怒られているのになぜか泣き出す、家の模様替えをするとは位置が変わったことにすぐに気づくということはありました。
ただ、性格と捉えていましたし、成長していけばそのうち改善するだろうと楽観的に考えていました。
療育へ行くかどうかの判定でHSCとわかる
きっかけは、1歳半健診。1歳半健診で発達の遅れがあるという診断があり、療育に行くかどうかを検討するため半年間、地域の会に参加し保健師さんから発達チェックを受けていました。その時に保健師さんが子どもの様子を見て、HSCかもしれないという話をされたのです。もしHSCならば療養にはいかなくてよいとのことだったので、一度専門家へ相談してはどうかと勧められました。
ちょうど小児心療内科を併設する小児科が近くにあったので、受診したところ、発達障害ではなく、HSCの可能性が極めて高いといわれ、療育は不必要という診断を受け、そのときに、我が子がHSCであるということが分かったのです。
HSCでも幼稚園生活は可能?
保健師さんや小児心療内科ではHSCの子を持つ保護者から、よくこの質問をされることが多いそうです。私ももちろん不安になりました。HSCと一言でいってもさまざまなタイプの子がいるため、一概に幼稚園にいってよい、ダメ、ということはないそうです。
我が子の場合
最初は他の子よりも泣くことが多かったです。特に、暑さ寒さに敏感なことや親がいないということに敏感なためみんなが楽しくできる外遊びはなかなかできず、先生と室内から外を見学するということも多かったです。また、お友達が騒いでいる声を聞いているだけで疲れてしまったり、お友達が怒られると自分が怒られているかのようにふるまったり落ち込んだりすることも多々あります。
我が子はたまたま早めにHSCであることを知り、あらかじめ先生にも伝えていたこともあり、先生たちも徐々に慣れるようにと接してくれていたおかげで、少しずつすべてのことに慣れてきて、周りと比べると遅れはあるものの幼稚園生活に徐々に打ち解けてはきています。
HSCかも……と思ったら些細なことでも園へ相談してみては
もしも園生活を始める前に我が子がHSCかも……と思ったら幼稚園に相談するのもポイントです。私はあらかじめ相談をしたことで注意してみてもらえて、少しずつ順応してきています。また、小学校生活などこれから集団で過ごす機会も増えてきますが、小学校ですと先生の量も児童の量も幼稚園とは異なるので、なかなか自分の子に目を通してもらうのは難しいかもしれません。
子どもへのケアが手厚い幼稚園や保育園のタイミングから少しずつ慣らしていくと良いかもしれません。
HSCのために親が意識していることは?
我が子がHSCということを知ったことで、今までは「理解できない」行動に対して理解ができるようになり、少しずつ子どもへのかかわり方も変わりました。ここでは、実際に小児科医からももらったアドバイスを基に親として意識していることをまとめました。
休息時間を多くとる
体力をそんなに使っていなくても、心はとても疲れているため、園から帰宅するとぼーっとしていることが多いです。医師からも休息時間については特に言われてきました。なのでまずはお昼寝の時間を作るなど休息できる時間を多く確保するように心がけています。
習い事や用事など、とにかく予定を詰め込まずに家でぼーっとしたり、好きなことをしたりする時間を作るようにしました。
無理はさせない
親としては苦手なことを克服させるなど、頑張らせたいところですが、無理にやらせたり、子どものペースを超えるようなことをさせたりはしないようにして、なるべく子どものペースに併せて過ごすことを心がけています。特に、一度でも嫌といったことに関しては本人がやりたくなるまでやらせないようにしています。
時に感情を代弁する
深く物事を受け取るもののまだ小さいのでその感情を発散することも苦手な傾向にあります。これが嫌だったのね、辛かったね、がんばったねと子どもの心にとどまっているもやもやを代弁することも心がけています。これだけで一気に表情が変わり、また、日常生活を過ごしやすくなっているようです。
HSCの子のすてきなところ
HSC=手がかかる子と思われるかもしれません。自分もそう思ったことがありますし、ママ友たちから悪気なくそういわれたこともあります。
ですがHSCの子にもかわいい素敵なところがたくさんあります。
人を大切にするから友達が集まりやすい
敏感で優しいHSCさんは、常にお友達をよく見ており、お友達に何かあったら先生に伝えてくれます。また、環境の変化が苦手なため、一度で来たお友達を大切にし、長くお付き合いを続ける傾向にあるようです。そのため、お友達からも優しい子、いい子という評価を受けており、園の先生曰く、HSCである双子妹は園では常にお友達が集まってくる人気者だそうです。
些細な変化に気づき助けてくれる
些細な変化に気づきやすく人の表情もよく見ているHSC。例えば体調が悪い時、口に出さなくても察してくれて手伝いをしてくれたり、薬や体温計を持ってきてくれたりします。口に出さずとも分かってくれるというのは親としても心強く感じています。
何事もとっても楽しんでくれる
ネガティブな感情だけでなくポジティブな感情も人から受けとりやすいです。例えば、おいしいご飯に連れて行ったり、キャラクターショーやテーマパークに連れていったりすれば親が期待する以上に嬉しいという感情を爆発させてくれます。親にとって連れて行きがいややりがいがあるなと感じることが多いです。
病気ではなく性格!だからこそゆっくりと付き合っていこう
HSCは病気ではなく気質なので一生付き合っていく必要があります。本人の気質にいち早く気づき、早いタイミングからHSCの我が子を理解してゆっくり付き合っていくことで、我が家は今のところ園生活も問題なく過ごせています。周りからいろいろといわれることがあるかもしれませんが、ゆっくりのんびりと向き合って付き合っていってみてはいかがでしょうか。
参考/The Highly Sensitive Person|http://hspjk.life.coocan.jp/index.html、
公明党|https://www.komei.or.jp/komeinews/p199908/
ふう
双子ママ看護師