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2022.10.13

子どもの五感を鍛えよう!嗅覚を刺激する「感性教育プログラム」とは?



五感とは、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のこと。実は人間はお腹にいるときから、指をしゃぶったり、外から聞こえる音などで五感が鍛えられ始めているのです。モノを触って確認する、(料理や工作など)なにかを作る、人の気持ちをわかろうとする…日常生活の行動のひとつひとつにも、人は「五感」を総動員しています。このように日々の中で五感を鍛えることで、相手を思う気持ちやひらめき・直観力、そして生きる上で必要な情緒的感情などが育まれていきます今回は、子どもの五感を鍛えるためにママたちが実践していること、そして楽しみながら五感を鍛えることができる「感性教育プログラム」を紹介します。

五感を鍛えるためになにかしてる?


忙しい毎日、五感を鍛えるために特別なことをするのは難しいもの。日常のちょっとした時間、あるいは生活のルーティーンの中で、なんとなく五感を鍛えるようなことをしている、そんなママたちにお話をうかがってみました。

散歩中に「匂い」や「感触」を楽しむ
育休中に子どもと散歩しているとき、保育園の子たちのお散歩隊列に出会って、そのときに先生たちが「葉っぱあるねー。ちょっと触ってごらん」「お花咲いてるねー。いい匂いする?」「虫の鳴き声するね。どんな声?」など、子どもたちに歩きながらいっぱい話しかけていました。子どもたちはみんな「(葉っぱ)ザラザラー」「甘い匂い!」「(虫の声)リンリン?」など、子どもなりに一生懸命考えて答えていました。
その日から、子どもと歩くときは「匂い、音、触れる」を心がけています。特に公園はいろいろなもので溢れているので、「匂い、音、触れる」の宝庫。これが五感を鍛えているということかな?〔Sさん、子ども4歳〕

美味しい!以外の味を言ってみる
夕ご飯のとき、「美味しい!」以外の味を言ってもらうようにしています。たとえば「甘め」「ちょっと辛め」「酸っぱめ」など。子ども同士で、「少し塩が多い気がする」「そお?ちょうど良くない?」なんて議論(?)していることもあります。
また、もしマズくても、どんな味がするからマズいのかも言ってもらうようにしています。最近は「甘辛い」「渋め」など、表現も前より上達している気がします。五感が鍛えられると、語彙力も増える!?かどうかは分かりませんが…割と的確に言ってくれることも多いので、自分の料理の参考にもなっています。〔Tさん、子ども10歳、8歳〕

五感を鍛えるには「一緒に料理」が有効?
「一緒に料理をすると、子どもの感性が豊かになるらしいよ」と友人から聞いたときは「ホントに~?」と完全にスルーしていました。
でもあるとき、娘が「カレー作ってみたい」と言い出して(子どもだけでカレーを作る動画の影響)。正直「面倒くさいな」と思いましたが、コロナ禍だしやることないし…と一緒に作ることにしました。野菜の皮をむく感触、切る・煮るときの音、カレーの匂い、味見。友人の言葉を思い出しつつ、「待てよ、これって五感にいいかも」と思いました。頻繁ではないですが、週末など時間と心に余裕があるときに一緒に料理をするようになりました。〔Iさん、子ども5歳〕

子どもの感性教育プログラムに注目!


五感の中でも、「嗅覚」は解明されていない部分が多く、まだまだ未知の分野といわれています。匂いは目に見えないし、「どういう匂いか」とはっきり言語化することが難しい感覚です。しかし、人間の情緒や行動に最も影響を与えるものといっても過言ではありません。
SCENTMATIC(セントマティック)株式会社はその「嗅覚」に着目し、「香り」を活かして人の心や社会を豊かにするためのさまざまな取り組みを行っています。香り(匂い)や風味を言語化するAIシステム「KAORIUM(カオリウム)」を活用、香り体験に関わる商品企画や研究開発などの事業を行っています。

その中でも注目したい事業が、世界初の「五感を高める感性教育プログラム」。
これまで、小学校の中のある香り(図書館の本やマジックの香りなど)を子どもたちが見つけ出すフィールドワーク型のワークショップを体験や、数種類の香りを嗅いで感じたことを言葉にしていくグループ・ディスカッション型のワークショップ体験などを開催してきました。またコロナ禍においても、シャンプーやハンドクリームなど自宅にある身近なものを用い、香りを感じて自分の言葉で表現したり、香りからオリジナルの物語や絵を作成する、オンライン感性教育プログラムも行なわれました。
「香り」を意識して「言葉」や「作品」にしていくことで左右両脳が活性化され、認識しづらいと感じられる嗅覚情報が、より明確に意識されるようになるそうです。

尾道市の小学校で香りの授業を実施!


今年9月、セントマティック株式会社は、国産レモンの発祥地として知られる『瀬戸田レモン』のブランドを誇る生口島で、子どもたちの感性を育む「香りの授業」を開催しました。参加したのは、尾道市立瀬戸田小学校4 年生の児童たち。
用意されたのは、地元農家が届けてくれた獲れたてのレモン。目を閉じて思いっきり香りを吸い込んでみたら、どんな色やイメージ、どんな言葉が浮かんでくるか? レモンを嗅ぎ感じたことをオリジナルの物語にしてもらうという面白い試み。子どもたちにとって、レモンは身近な存在ですが、その香りを「言語化」するのは初体験。
最初は緊張気味だった児童たちも、講師の導きやサポートにより、どんどんアイデアや言葉が浮かんでいきました。身近なレモンでも、意外な感じ方や発見ができたことを楽しそうに報告してくれる子どももたくさんいました。

香りによって嗅覚を刺激し、香りを言語化する体験を通じて、子どもたちに新たな発見の機会を提供したい。子どもたちにとって「楽しい!」「面白い!」という発見こそが学びの原点であり、未来を創造するエネルギーになる。それが、セントマティックが感性教育に込める想いだそうです。

参加した子どもたちの感想は?

物語を作るのがとっても楽しかった!
普段はレモンの香りだけを嗅ぐことなんてないので面白かったです。時間内に書き終わらなかったから、続きをもっと書きたいです。レモンの皮に爪を立てたら香りが強くなって、ハリネズミの針がレモンにぶつかって香りが広がる物語が浮かびました。

どんどん楽しくなっていった
先生から「レモンの香りの授業」をやると聞いて、昨日からずっと楽しみにしていました。今日はいろんな人が見ていて、最初は恥ずかしかったけど、どんどん面白くなってきて、またやりたいと思いました。

第2弾も作りたい!
香りの授業を体験できてよかったです。レモンの香りをあんなに頻繁に嗅ぐことはもう二度とないと思います!物語の第二弾も作りたいです。

家で飼っているウサギで思いついた
自分の作品の題名は「ウサギとレモンちゃん」です。家でウサギを飼っているので思いつきました。

あえて五感を鍛えようと身構えたり、あれやこれやと悩むのではなく、日頃から目にしているもの、耳にしているもの、感じている匂いなどを「少しだけ意識する」で十分だと思います。「この音を聞いてどう思った?」「この匂い、例えるなら何かな」など子どもに聞いてみると、「そんな風に感じてたんだ!」と意外で面白い答えが返ってきたり、「へー不思議!」など、大人では思いつかないちょっと素敵な意見が聞けたり。
セントマティック株式会社の「香りの授業」のように、香りからオリジナルの物語を作るなんていうのも親子でやったら、五感を使った新しい会話が生まれるかもしれません。どうでしょう、五感を鍛えるって、けっこう楽しそうじゃないですか? ぜひ日常に取り入れてみてくださいね。

田崎美穂子

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