2022.10.17
人見知りでおとなしい子ども「小学校で不安」でも大丈夫!な理由を先輩ママ・パパが回答!
幼児期から人見知りが激しく、保育園や幼稚園でも「どうも周りとうまくなじめていない」と心配するママやパパは少なくありません。おとなしいタイプは、親からするとやきもきしたり、このままではいじめにあうのでは?大人になったときにうまくやっていけるのだろうか?と不安がふくらんでしまいがちです。
今回は「人見知りでおとなしい子ども」を持つ先輩ママ・パパたちが自身の体験をもとに、いくつかのケースで「だから大丈夫だと思う」回答をしてくれました。子どもの性格はそれこそひとりひとり違いますが、先輩ママ・パパたちが通ってきた体験が参考のひとつになればと思います。
人見知りでおとなしい子「小学校で友だちできる?」
人見知りでおとなしいタイプのお子さんがいる親にとってもっとも多い心配が「小学校でうまくやっていけるのか」「友だちができるだろうか」ということです。ここでは
1.小学校入学時や低学年での不安
2.小学校中学年~高学年の不安
と2つに分けて考えてみましょう。
<1>小学校入学時や低学年での不安
・入学時に知り合いがいなくても心配ない
・低学年のうちは友だちも流動的
・性格はまだまだ変る時期なので神経質になりすぎない
先輩ママ・パパたちへのヒアリングで多かったのが「保育園や幼稚園が違い、友だちも知り合いも全くいない。おとなしくて人見知りなわが子は大丈夫だろうか」という声に対して「入学時は思ったより心配しなくてよい」という答えでした。
入学時はどの子もみんな緊張しているし、まだまだ年齢も低くてあまり垣根もない。一緒に学校探検やグループ活動をしているうちになんとなく友だちができる。ちなみにうちの娘は小4くらいまで非常におとなしく、いつも誰かの後ろについていくタイプでしたが、クラス替えをし高学年になって手芸クラブに入って数人の友だちができたら、少しずつ社交性が増した。子どもの性質はガラリと変わるというより、だんだんと環境や年齢によって変化はすると思うので、親はあまり神経質に考えすぎないほうがよい(今だから思えることですが)のではないでしょうか(Nさん)
入学後からしばらくは班での活動や、グループ作りも先生が采配することが多い。「誰も友だちがいないから、ひとりぼっちになってしまうのでは」という心配はいらないと思う(Oさん)
また、低学年のうちは「友だちができたと言っては、翌日には喧嘩し、またいつの間にか仲直りしている」という声も多かったです。
おとなしい娘は引っ張ってくれるような子の後についていくタイプ。「まるで○ちゃんの子分みたい!自分の考えで行動できないの!」と怒鳴ったこともあるのですが、後から思うと意味のないことで、もっと子どもの気持ちに寄り添った言葉がけをすればよかった。
明るく元気な子でも、誰かともめて、しばらく仲間はずれになるみたいなことはよくあるし、それでだいたい、いつの間にか問題(があったのかどうかもわからないが)が解決して、また仲良くなっている。みんながみんなリーダーシップをとるような子ばかりではないわけで、本人の性格を受け止めてあげるべきだなと今は思います(Eさん)
<2>小学校中学年~高学年の不安
・グループもまだまだ流動的
・似たようなタイプの子もいる
・学校以外の場で友だちがいるならそれで充分
では3~4年生や高学年ではどうでしょうか。そろそろ友だちのグループが出来上がり、おとなしい子はグループに入れているのか親としては心配になるところです。
女の子は高学年になるにつれてグループを作り、その中での揉め事はよくあります。長女はおとなしく、誰の言いなりにもなってしまうので心配していましたが、もうひとり、やはり口数が少ない子がいて、なんとなく二人で行動する形になっていたようです(Kさん)
高学年になっても親しい子ができず、息子は社会科見学のグループでも最後までどこに入るか決まらなかったと聞いて、親として胸が痛みました。でも本人はそれほど気にしておらず「学校に気が合う子はいない、でも塾でいろいろ話す子がいるから」と、塾に行く日を楽しみにしていました。友だちは人数の問題ではないので、学校以外でもどこかに気が合う子がいるならそれでいいと割り切って考えています(Yさん)
人見知りでおとなしい子「いじめられない?」
おとなしいタイプはどうしても気が強い子やしっかりしている子にひっぱられる面があります。リーダーシップのある子についていくのならいいのですが、そうではなく「強い子の言いなりになってしまう」そんな不安を持つ親は少なくありません。また、言い返せないために「いじめ」を受けやすいのではないかと心配することもあるでしょう。
・「嫌だ」と拒むことはできるように伝える
・本人が不快に思っていないのであれば親は見守る姿勢がよい
・子どもに自信をつける体験をさせる
性格の強い子に引っ張り回される感じで、見ているとわが子にイライラしました。何度か「なんであの子の言いなりになってるの!」と怒鳴ってしまったこともあるし「もしかして、あの子にいじめられてるわけ?」と問いただしたこともあります。でも本人は別にイヤイヤではなく「ラクだから」なんでも決めてくれる子についていくと言っていました。こればかりは本人の資質なので、そういうものかな、と思うようにしています(Oさん)
おとなしくても、リーダーシップをとれなくても、性質だからいいと思う。ただ、学年があがるにつれて気が強い子に「お前アレとってこい」みたいに命令されることが増えてくるので、これは絶対に嫌だと思うことにはたとえ喧嘩になってもいいから「嫌だ」と口にして言うんだよと伝えました。それがおとなしい子にとって難しいのはわかりますが、「だったら万引してこい、と言われたら万引しちゃうわけ?本当に嫌なことや、やってはいけないと思ったら逃げるのでもなんでもいいから、嫌だ!って拒否するんだよ」としつこく言いました(Rさん)
「いじめ」か「いじり」か微妙なラインがあり、おとなしい子は家でもあまり話さないので不安です。それと何かあって先生から尋ねられても、口が達者な子に負けて本当のことが言えないので、いじめに近いことをされてもうまく訴えることができない。でも、ずっと親が代わりに「こんなことをされて困っています」と伝えてやることはできないので、小学生のうちに経験させながら「悔しいよね、本当は違うのにね」「だけどそれを口にして伝えないとわかってもらえないんだよ」となるべく怒鳴らずに諭すように繰り返し教えました。正直、やられっぱなしの子にイライラすることもあったけど、怒っても萎縮するだけ。どう対応したらいいのかを具体的に教えるのがいいのでは(Nさん)
おとなしくても人見知りでも本人に自信がつけば、いじめにあいづらいと思います。下の子は男の子でよくランドセルを投げられたり、上履きをとられたりして、学校に相談したところ、それ以上のいじめにはならなかったものの、学校に行くのが嫌になることもあったようです。
心配した夫が、小3から柔道の練習に連れていき、「もし本当に嫌なことをされて言い返せなくても、お前はやり返せる」と何度も話していました。さらに柔道の先生が「本当に強いヤツは言葉で脅したり、モノを取り上げて投げたりしない。そういうヤツは心が弱いから強そうに見せるんだ」と話してくれたことが、だんだんと本人にも響いてきたようです。
結局、小学校のうちはいじめまでいかないけれど、何かとやられていましたが、中学は地域を変えたこともあり、そこでは部活にも励み、今は仲間ができて楽しくやっています。いろいろな考えはあると思いますが、こうした方法もあるという参考になればと思います(Tさん)
人見知りでおとなしい子「ぼっちでも平気・何を考えているのかわからなくて逆に不安」
おとなしく人見知りなタイプでも、それを気にしない、逆に「ひとりのほうがいい」と断言する子もいます。それはそれで親としては「周囲と交わらずにやっていけるのか」と心配ですね。
・本人が本当に納得しているなら「個性」と受け取る
・気質だと受け入れあまり心配しすぎない
・周囲の声は受け流す
学校でも休み時間はひとりで本を読んでいると聞いて、小学校時代はずっと不安でした。コロナ禍になる前に親族で旅行したときも、同世代の従姉妹たちとも遊ばずに部屋で本を読んでいるので、義姉に「変わった子ね、大丈夫?」と聞かれ、何かとても嫌な気持ちになったものです。でも本人はケロリとしていて「なんで本を読むのが悪いの?」という感じ。
成績はよかったので公立よりは私立のほうが合うのかもと思い、進学校に進みました。もちろんやっぱり活発な子もいて、グループもできていたようですが、一方で勉強に励み、あまり他の子と混じらない子もちらほらいて「そういう子たち」と理解されていたようです。今ではそれもこの子の個性と思い、見守っています(Wさん)
乱暴なことや喧嘩が大嫌いな息子は結局、小学校入学から卒業まで親しい友だちはできなかった。ただコロナ禍で給食もひとりずつ、大勢で遊ぶ約束とかもしなくなったし、マイペースなことがあまり目立たなくなった。
実は夫も似たようなタイプで結婚式のときに「呼ぶ友だち?いるかなぁ」なんて言っていたので驚いたものですが、仕事も研究職ですが営業マンのようにトーク力やコミュニケーション力が絶対に必要というほどでもなく(それなりに周囲とはお付き合いしていますが)、今も休日はひとりでゲームしているのが息抜きなんて言いながら、普通に暮らしている。コミュ力ないのは将来が心配とは思うけど、それなりに自分の性格にあった仕事や暮らし方を選んでいくのではないか(Aさん)
親として、社会人の先輩として、子どもを導いてあげましょう
親というのは、子どもが生まれた時には「元気で大きなケガや病気をせずに育ってくれれば」と願うものです。ところが保育園や幼稚園、さらには小学校と「子どもの社会」が広がるにつれて、子どもと子どもの周囲の子と比べてしまいがち……。
特におとなしく、口数が少ない、人見知りでなかなか友だちができないタイプだと、親としては心配が絶えませんね。授業でも常に挙手し、班長やら委員長やらに立候補してリーダーシップを発揮する子を見ると、心ひそかに(いいなぁ、それに比べてウチの子は)なんて考えてしまうんですね。
性格というよりも、そうしたことがきっかけのひとつとなり、本当に耐え難いような「いじめ」や「言葉の暴力」を受けているとわかったら、小学校ならきちんと学校に伝え、対応してもらうべきです。
ただ、「おとなしい」のも「人見知り」なのも、それが悪いことでもなく、その子が育んできた性格。逆にとれば、優しく思いやりがあり、よく周囲を観察していたり、ひとりで物事を受け止めることができたり、良い面もあることを親は見逃さずに認めてあげたいですね。
それがなかなか難しいのも事実ですが、子どもの社会生活すべてに親が介入できるのは小さいうちだけ。その子なりの性格と、その子なりの良さを受け入れ、認めて、その上で親として、あるいは社会人としての体験をもとにして、「うまく対応していく方法」を教えてあげながら、成長を見守ることも必要なようです。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。