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2021.01.28

ベビーカーは「軽さ」のみで選んで正解?「軽いベビーカー」の意外な落とし穴



子どもが生まれると誰もが購入を考えるベビー用品の必需品がベビーカー。ベビーカー選びは一般的に「軽くて小さい、でも耐久性が弱い」もしくは「重くて大きい、でも耐久性がある」の二択で考えられがちです。

しかし、その二択だけで考えると思わぬ落とし穴にハマることも。筆者や周囲の体験談をもとに、軽さだけでベビーカーを選んだときの落とし穴や先輩ママが伝えたいベビーカー選びの重要視すべき点を紹介します。

ママたちはベビーカーを買うときに何を重視する?


初めてのベビーカーを買う際に、ママたちが何を重視するのか聞いてみました。

・住んでいるのが階段のないアパートの3階なので、体力のない私でも片手で持って運べるかどうかは最重要ポイントでした。軽さはもちろん、折り畳みやすさや持ったときの感覚、足にぶつからないかなどもチェックしました(Tさん)

・海外のママが使っているような、車輪が大きくてカラーバリエーションがあってスタイリッシュなデザインのベビーカーがずっと欲しかったので、奮発して買いました。(Aさん)

・絶対に軽さ! 「軽いベビーカーは壊れやすい」と先輩ママに言われたこともあったけど、常に子どもと私が二人きりで移動するので軽くないと電車にもバスにも乗れないし、どこにも出かけられないと思った(Yさん)

・折り畳んで持ち運ぶときが大変だと思ったので、軽いベビーカーがほしかった。子どもと荷物を乗せて走らせても軽いかどうかも気にした(Oさん)

・大きすぎないサイズ感と小回りがきくこと。毎日の買い物のときに近所のスーパーやコンビニの中でもラクラク移動できないと困ると思ったから(Nさん)

「軽さ」を念頭に入れてベビーカーを選んだママが多いことがわかりました。ドイツ生まれのベビー用品ブランド「CYBEX(サイベックス)」が行った調査によると、ママたちのコメントと同様に「軽さを重視してベビーカーを選んだ」と回答したママは全体の72%にも及びました。

そして軽さ重視でベビーカーを選んだ理由としては、「持ち運びしやすそうだったから」(76%)、「折り畳みがしやすそうだったから」(52%)、「小回りがききやすそうだったから」(29%)という結果に。やはり、手軽に持ち運んだり折り畳んだりするために軽いベビーカーを選ぶママが多いようです。

住宅環境、移動手段、よくお出かけする場所……「軽ければいい!」とは一概に言えない 


一方で、実際に軽さを最重視ポイントとしてベビーカーを選んでみると、思わぬところで使いづらかったりして後悔したママも少なくありません。

・簡単に折り畳めて持ち運びやすい点は気に入っているけれども、小さな段差もガタガタしてしまうのが嫌。ベビーカーの中で子どもが昼寝していると、すぐに起きてしまうので段差や砂利道を通るときは、そ~っと走っている(Oさん)

・小回りがききにくい。走行中に進行方向を変えようとすると、つっかかっていちいちベビーカーごと持ち上げたり少しバックしたりして調整することが多くてイライラする(Mさん)

・電車移動が多いので、改札もラクラク通れて階段でも折り畳んで持ち運びやすい軽くて小さなベビーカーを購入しました。でも、自宅の最寄り駅やよくお出かけする駅はエレベーターが完備されているので階段を使う頻度がほとんどなく、最近の改札もバリアフリーで広く作られているので、別に軽くて小さなベビーカーである必要もなかったです(Fさん)

・都心に比べて道路やスーパーも広々している郊外に住んでいます。周りのママを見ると、子どもを乗せて走っても安定してくれるようなベビーカーを持つママがちらほら。大きめなので、荷物もたっぷり収納できて羨ましい。私が買ったベビーカーは軽いだけがメリットで、周囲にある舗装されていない道を走るとガタガタして振動が腕に伝わって疲れてしまう(Nさん)

・電車はほとんど使わず車移動メインなので、軽さを重視しなくても、車のトランクに入れられれば十分だった。(Yさん)

・操作性が悪い。持ち運ぶときは軽いけれども、子どもを乗せて走るとあまり軽くなく、むしろ重たく感じる。子どもが大きくなるにつれて、走行中の重たさを辛く感じているので買い替えも検討中(Nさん)

軽いベビーカーがいいかどうかは、ママの住んでいる地域や住宅環境、お出かけする場所、移動手段などによって異なるようです。先述のサイベックスの調査でも、軽さ重視のベビーカーを選んだママの71%が「使いにくさを感じたことがある」と回答しています。その理由としては、段差の乗り越えづらさや押しにくさ、ひっくり返ったり倒れてしまったりといった経験談がありました。

筆者が約10キロのベビーカーを選んだ理由


軽いベビーカーが人気の中、筆者は軽さをまったく重視せず、軽い押し心地のベビーカーを購入しました。重さは約10キロにもなります。

大きな理由は、まず郊外暮らしで車移動がメインであること。電車移動や折り畳んでの階段の上り下りをする頻度が少ないので、軽さを求めるシチュエーションがほとんどありません。そして近所のスーパーやショッピングモールなどへのお出かけの際には、車のトランクにベビーカーを積めばOK。そのため、軽さやコンパクトさは求めませんでした。

そしてもう一つの大きな理由は、とにかく安定した走行性を求めたこと。筆者の住んでいる場所は新興住宅地で、砂利道や整備されていない道路などが少なくありません。そのため、段差もラクラク乗り上げられ、どんな道でもスムーズに押せることは必要不可欠です。

実際に2年以上このベビーカーを使っていますが、安定して走行できる点がすごく気に入っています。また、子どもが2歳半になった今でも乳児期のようにベビーカーを押したときの軽快さは変わりません。走行が安定しているので、子どもを乗せていても安全性が高く、安心してお出かけができるというメリットもあります。

持って軽い、押して軽い、ずっと軽いも大事なポイント


一口に「軽いベビーカー」と言っても、意外と見落としがちなのが「どんなときに軽いのか」というポイントです。最近では、持って軽い、押して軽い、子どもが大きくなっても軽い、といったさまざまな軽さを実現しているベビーカーもあります。

たとえば、サイベックスの「CYBEX MELIO(サイベックス メリオ)」。重さ5.8キロという軽量タイプながら、石畳みが多いヨーロッパにおける押しやすさを追求して生まれたストレートフレーム構造になっています。この構造によって、手元の操作を前輪にダイレクトに伝えて操作性が向上する仕組み。そして両対面時にシート自体を取り替える構造を持つためフレーム剛性が高く、子どもの体重は15キロまで適応。3歳頃になってもスムーズな走行性をキープしてくれる特徴があります。

また、アップリカの「カルーンエアAC」もおすすめ。3.9キロの超軽量でありながら、がっちりフレームと安心サスペンションが振動をやわらげる「ゆれぐらガード」を搭載。ダブルタイヤなので方向転換もしやすく、安定感もあるので操作性にも優れています。こちらも体重15キロ以下まで使用可能なので、3歳頃まで使えますよ。

ベビーカーは育児用品の中でも安くない買い物だからこそ、妥協せずに選びたいですよね。最近では高性能なベビーカーもたくさん出ており、特徴も細分化しています。なんとなく「軽いベビーカーがいい」と思い込まず、先輩ママたちの経験談から軽さ以外のポイントも重視したり、どんなときに軽いのかを考えたりしてみてはいかがでしょうか。

秋山悠紀

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