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2021.08.13

<中学受験>第一志望校に進学できなかったらどうする?注意点は?受験を始める前に考えておこう!



中学受験が、高校・大学受験と大きく異なる点は、「浪人ができない」ことです。高校受験で浪人をすることは極めて珍しいといえますが、不可能ではありません。中学受験では不合格だから浪人とはいかず、地元の公立中学校(地元中)に進学することになります。

第一志望校に進学できる中学受験生は、全体の3割といわれています。入試日が迫れば、第一志望校への合格だけを目指して受験勉強に励むでしょう。試験日が近くなる前に、第一志望校に進学できなかったらどうするのかを親子で考えを共有しましょう。できれば受験学年になる前か、本格的に受験勉強を始める前の低学年のうちに、じっくり考えてください。

第一志望でなかった場合に入学する1. 地元中2. 地元中以外の中学校について、私自身の体験談とともに注意点を紹介します。

1. 地元中に進学する

<ママは絶対に地元中について悪く言わない>
特に公立中高一貫校を志望する場合、その学校一校だけを受験して、ダメだったら地元中に進学するパターンが多くあります。公立中高一貫校も地元中も授業料がかかりませんので、教育費はほぼ同一です(交通費、副教材費、校外学習費などは、地元中よりも公立中高一貫校のほうが金額が高くなることが多いです)。

第一志望が私立中の場合には、〇〇中なら進学するけど、それ以外なら地元中に進学するパターンもあります。基準は自宅からの距離や大学付属校などさまざまありますが、最も多いのは「偏差値○○以上」など入試レベルです。
中学受験に向けて受験勉強をしていると、第一志望校を熱望する反動から、地元中を悪く思いがちです。地元中の多くが、制服や校舎、設備が古い、乱暴にいうとダサくてイマイチだというのも、子どもの気持ちを萎えさせる一因です。

公立中高一貫校は創立から間もないところが多く、私立中は授業料も高いこともあり、制服もセンスが良くて学習環境も整っている学校ばかりです。これらと比較されることは、地元中には酷なことです。ママも第一志望校にあこがれるばかりに、地元中をイマイチに感じてしまいがちです。地元中に進学する可能性があるなら、ママは絶対に地元中のことを悪く言ってはいけません。

子どもが地元中をバカにすることがあるかもしれませんが、決して同調することなく、冷静に客観的に地元中の良さをアピールしてください。さりげなさも忘れずに。地元中の良さばかりアピールすると、「ママは第一志望校に合格できないと思っているの?」と子どもが怒るかもしれないからです。
中学受験では「成績の上下に一喜一憂しないように、ママは女優を目指せ」と言われます。地元中についても、客観的にさりげなく話す心がけましょう。

<地元中ではない中学校に通いたくなることは、よくあること>
受験勉強をがんばるほど、せっかく勉強したのだから地元中でない別の中学校に行きたくなることは、よくあることです。実はわが家もです。当初は公立中高一貫校だけを受験するつもりでしたが、実際には私立中も受験しました。

公立中高一貫校の入試日の直前には、お試しで受けてくださいとばかりに数多くの私立中が、適性検査型入試を実施します。そして、そんな私立中には公立中高一貫校が残念だった子どもたちが実際に入学しています。私もそんなケースを多く見ています。

私が参加した私立中の入試説明会でも、入試担当者が「適性検査型入試の問題は、本番の公立中高一貫校の入試を控えた子どもたちが、楽しく解けるように作成しています」とハッキリ言っていました。
受験勉強を進めるうちに考えが変わることは、よくあることです。充実した中学・高校生活を過ごすことができれば、地元中でも私立中でも構いません。ただし、地元中と私立中の最も大きな違いは学費です。公立中高一貫校か地元中でなく、私立中に進学したら学費を負担できるのか、冷静に試算してください。

私立中の適性検査型の入試案内で大々的に説明されている特待生制度も、公立中高一貫校志望の親子には魅力的です。特待制度は3年間有効とは限らず、細かな条件が多いので、注意しましょう。普段の成績なら条件を満たして合格できるとしても、入試に絶対はありませんから合格しても特待生になれない場合もあります。
がんばって受験勉強をしたら合格が欲しくなるのは当然のことです。親子ともに中学・高校生活に満足できるように、じっくり考えましょう。地元中から高校入試にチャレンジしても、公立中高一貫校や私立中・高で過ごしても、充実した6年間になるように悔いのない決断をしてください。

2. 必ず別の中学校に進学する(地元中には進学しない)


第一志望に進学できなかったとしても、地元中ではない中学校へ進学すると決めた場合には、どんなことに注意すればいいでしょうか。

<何が起こるか分からないのが、中学受験>

中学受験は、12歳(早生まれなら11歳)が挑むものですから、何が起こるか分かりません。

・緊張で寝不足になって得意科目で力が出せなかった
・場慣れのつもりの最初の入試がまさかの失敗で立ち直れないまま全日程終了した
・試験直前に骨折した

など、実力を出し切れないことは残念ながらよく聞きます。感染症に感染して入試を受けられないこともあります。
何が起こるか分からない中学受験ですから、第一志望でなくても地元中以外の中学校に進学すると決めたら、あらゆる可能性を想定して、受験校は幅広く検討しましょう。第一志望以外の中学校に入学しても良いスタートが切れるように、ここでもママは女優になって、冷静にさりげなく準備を進めましょう。
志望順位の低い学校は、滑り止め校、安心校、お守り校などさまざまな呼びかたがあります。偏差値、進学実績、部活、距離などの理由から志望順位をつけざるえませんが、第一志望以外は全て第二志望のつもりで考えることをおすすめします。
第一志望校以外でも気持ちよく入学できるように、悪いイメージを子どもが持たないように、ママは普段の言動に注意してください。第一志望を熱望するあまりに、ママが他の受験校を悪く言うことが決してないようにしましょう。

<小学校生活を満喫して、卒業後も友人関係が維持するために、地元中も悪く思わない>

何が起こるか分からない中学受験ですから、地元中進学の可能性をゼロにすることはできません。それだけではなく、中学受験生も小学校生活を満喫できるように、小学校卒業後も友だち関係を維持できるように、地元中を悪く思うことがないように気をつけてください。
中学受験生にとって地元中は、受験校のようなキラキラした存在ではなく、乱暴な言い方をすればバカにしがちです。わが子の周りの中学受験生も、そうでした。先ほどご説明した通り、地元中を公立中高一貫校や私立中と比べるのは酷なことです。
地元中をイマイチに感じると、小学校の友だちや小学校生活に対しても冷めて感じてしまい、楽しめなくなります。地元中に進学する同級生がどの部活に入ろうか話していると参加しにくいのは仕方がありませんが、小学校生活や友人への態度が適当になって地元中進学組から反感をかうことはよくあります。
中学受験は過酷だから、受験勉強に集中したい気持ちは痛いほど分かります。しかし、同級生と折り合いをつけるコミュニケーション力は、社会に出たときにきっと役に立ちます。子どもが愚痴を言ったら、ママは子どもの気持ちに寄り添いつつ、なんとか乗り過ごせるようにアドバイスしてあげましょう。わが子は地元中ではない中学校に進学して、友人にも恵まれました。いろいろな場所に友人がいるのも楽しいですが、思い立ったらすぐに会える距離の友人のありがたさも実感しています。

進学した中学校は違っても、登下校時に近所の同級生とすれ違うことは結構多いものです。成人式では地元の友人に再会することになりますし、近所の友人ならお酒を飲んでも時間を気にせず楽しく過ごしてから一緒に帰れるメリットがあります。スマホもありますので、小学校を卒業して違う中学校になっても地元の友だちとつながりやすいです。

地元中に進学しなくても、小学校生活を満喫して、卒業後も地元の友人と円満な関係を維持することは、子どもの財産になると思います。中学受験をがんばりつつ、小学校生活も乗りきれるようにサポートしましょう。

受験勉強に全集中する前に、充実した中学校生活を過ごすための準備をしよう


受験勉強に励むほど、なんとしても第一志望に入学したいと子どもが考えるのは当たり前です。第一志望を目指して努力することは素晴らしいことですが、最も大切なことはどの中学校であっても充実した3年間を過ごすことです。

どんな場合でも中学校生活を満喫できるように、第一志望に進学できなかったらどうするのかをママはできるだけ早いうちに考えておきましょう。受験勉強の途中で考えが変わるかもしれませんが、ママは女優になったつもりで、臨機応変に冷静にふるまえるように心がけてください。準備ができたら、第一志望合格に向けて全集中しましょう。

大沢有貴子

大沢有貴子

家庭学習サポート専門家、ライター

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