2022.01.25
冬季うつは2月がピーク!?メンタル不調が起きやすい理由や対処法
昨年の第5波を超える感染者が全国で増え続ける今、大勢の人が見えないストレスや不安、そしてやり場のない怒りを抱えています。加えて、毎日「感染者数〇〇人」という不安をあおるようなニュースに疲れ切っている方も少なくありません。
なんか最近調子が悪いな、体や心がちょっとおかしい気がする…と感じている人も多いのではないしょうか。「これって、やっぱりコロナストレスのせいかな…」と思いがちですが(もちろんそれもありますが)、実は寒さが厳しい冬は、メンタル不調が起こりやすい時期だそうです。
今回は、冬に感じがちなメンタル不調、なぜ冬にメンタル不調が起こりやすいのか、そして予防医療の専門医である久保明先生(東海大学医学部客員教授/内分泌・糖尿病専門医)が勧める疲労感を軽減するセルフケア」なども紹介します。
ママたちにも起こっている冬のメンタル不調
子育て真っ最中のママたちの中にも、「たしかに寒くなると調子悪くなるかも…」と感じている方は少なくないようです。どのようなメンタルの不調を感じているのでしょうか。
涙がたくさん出てくるときがある
年末から2~3月くらいにかけては忙しすぎるのか、疲れが溜まるのか、涙がたくさん出てきて困ってしまうときがあります。仕事はやるけれど、そのほかの家事や子どものことはやる意欲がまったく出ないことも。年齢的にこれは更年期なの?それとも精神的なもの?と悩んでいます。夜も何回か起きるし。心に余裕がぜんぜんない感じです。
〔Hさん、子ども8歳〕
嫌な夢を見て寝覚めが悪い
寒さが厳しくなる時期、ほぼ毎日明け方に嫌な夢や不吉な夢を見て、寝覚めが悪い状態で起きます。主人にも「朝からあくびたくさん出るね」とよく言われるのも冬。モコモコの敷パットを敷いたり、寝る前に布団を温めたりするのですが、なぜか効果なし。
寒い時期は「気分が上がらないな」「眉間にしわ寄ってるな~」などの自覚症状はありますね。〔Tさん、子ども15歳、13歳、6歳〕
なんか楽しくない
年末年始はクリスマスから始まって、お正月やら子ども関係のイベントが目白押し。少し前までは楽しめていたのですが、今は「またいろいろやらなきゃ」「準備とか片づけ面倒くさい…」という気持ちばかり先行して、気分が妙に沈んだり、イベント自体もあまり楽しめなくなってしまいました。春とか夏にはそんな気分にならないのに…〔Fさん、子ども7歳、4歳〕
冬にメンタル不調が起きやすい理由って?
【新型コロナでメンタルヘルスの不調を感じる人は約5割】
新型コロナウイルス流⾏をきっかけに、「メンタルヘルス」に注⽬が集まっています。ある調査では、全体の46.4%がコロナ流行でメンタルヘルスの不調を感じていて、そのうち⼥性は52.8%と半数を超えるそうです。
【冬は自律神経の乱れの原因がいっぱい!?】
人はストレスや不安などが原因で⾃律神経が乱れ、⼼⾝の不調が引き起こされます。コロナに対するストレスや不安もまさにそうです。
しかし実は、冬は⾃律神経が乱れやすくなる要因がたくさんあるのです。どのようなことなのでしょうか。
・精神を安定させるセロトニンは、冬に最も分泌量が少なくなる
・寒さのために体温や⾎圧を⼀定に保つため⾃律神経がフル活動する
・年末に仕事の⽇程が過密になる
・⼦どもの受験シーズンを迎えるため
などが挙げられます。特に冬は年末年始や新年度を迎える準備、生活に変化が起きる季節ということもあり、過労状態になりがち。ストレス耐性が低下しやすいようです。
【冬バテ、ウィンターブルーって?】
冬に起こる不調「冬バテ」や「ウィンターブルー」といわれる症状は10⽉頃から始まり、1⽉〜2⽉にピークを迎えるといわれています。これらの症状も⼥性に多いという調査結果も。具体的にはどのような症状なのでしょうか。
「冬バテ」
・やる気が出ない
・イライラする
・疲労感
・寝つきが悪い、風邪をひきやすい
など
「ウィンターブルー」
・気分が落ち込みやすい
・物事を悲観的にとらえてしまう
・外出や体を動かすことが億劫になる
・集中力の低下、些細なことでミスをする
などが挙げられます。
【不安疲労を放置しないこと!】
冬の不調を感じやすい人は、「不安疲労」にも要注意。「不安疲労」とは、不安やストレスから疲労を感じて「やる気が出ない」「気持ちが重い」などの精神的疲労感と「なんとなくだるい」という⾝体的疲労感が結びついた新しいタイプの疲労です。「不安疲労」は冬の寒さなどの外的環境で加速し、冬の不調を悪化させる可能性もあり、自分ではなかなか気づきにくいもの。チェックリストを使って、自身の不安疲労リスクを確認してみましょう。
また「不安疲労」は、不安感だけでなくコミュニケーションの⾮活発化や集中⼒・睡眠の質の低下など⽇常⽣活への影響を及ぼします。これらの症状を放置することで、うつや免疫能低下、⽼化促進などへつながるリスクもあるため、早めの対処が大切です。
専門家が勧める!精神的疲労感のセルフケア法
放置すると“うつ”に発展する可能性もありうるといわれる「不安疲労」。しかし日々の中で少しずつでもセルフケアを続けていけば、徐々に改善されていきます。ここでは、予防医療の専門医である久保明先生(東海大学医学部客員教授/内分泌・糖尿病専門医)がおすすめする「セルフケア方法」をいくつか紹介します。
吐く息を⻑くする呼吸でリラックス
吸う息よりも吐く息を⻑くする呼吸をすることで副交感神経を⾼め、⾃律神経のバランスが整います。不安を感じているときは呼吸が浅くなりがちなので、吐く息を意識して呼吸してみましょう。
笑い声を聞くようにする
笑うと幸福ホルモンが出るなどとよくいわれますが、他⼈の笑い声を聞くだけでもリラックス効果があります。笑う気分でないときでも、テレビや動画などの笑い声を聞くだけでOK。静かに休息するより、笑い声を聞いた⽅がリラックス効果があるという研究結果もあるようです。
手を温める
⼿を温めると交感神経が活性化されます。元気を出したいときは誰かに⼿を握ってもらうこともいいでしょう。お子さんと手をつないでギュっとするのもいいですね。コロナ禍で「人との手同士はちょっと…」という場合は、⾃分の⼿同⼠で握⼿するだけでも効果があります。⾜を温めることは副交感神経を活性化させるため、落ち着きたいときに効果的です。
パラミロンでケア
心身の疲労感軽減が認められており、ユーグレナのみが⽣成する多糖成分「パラミロン」を含むサプリメントを取り⼊れるのもひとつの方法です。パラミロンは腸に直接作用し、⼩腸に点在する腸ツボを刺激、⾃律神経のバランスを整えてくれると考えられています。この「パラミロン」は学者や専門家が研究をしている注目の成分です。ヒト試験によって身体的・精神的疲労に効果があることわかっていて、「元気スイッチ成分」とも呼ばれているそう。
副交感神経の活動アップ、免疫力の維持・向上、糖と脂質の代謝を高めることによる生活習慣病の予防など、健康への効果が期待されています。
ママたちは精神的疲労をこうケアしています!
日中自分の時間をゆっくり取ることが難しいママたちは、日々の生活の中でどのようなメンタルケアをしているのでしょうか。
鏡を見る
無性にイライラしているときにふと鏡を見たらすごい顔をしていたんです。自分でも笑っちゃうくらい、眉間がしわしわで、口角下がりまくり、般若みたい。この顔がいたら、そりゃ怖いわ~と自分でも恐ろしかったですね。以来、気持ちが落ちそうになったら鏡を見ています。ニカっと笑ってみたり、ちょっとすかした顔(?)をしたりしていると、なんか全部どうでもよくなっていきます。しょうがない、笑っとくか~みたいな気分になれる。
〔Yさん、子ども7歳、4歳〕
プチ模様替え
ホットカーペットの位置をずらしたり、テーブルの位置やおもちゃの置き場所をちょっと変えたり、模様替えとはいえないほどのプチ模様替えをします。それだけで、「あ、ここにスペースできた」「ちょっと見栄えよくなった」と少しだけテンションが上がって、その日は気持ちよく過ごせます。あーなんかモヤモヤする、気分が落ちそう…というときによくやってますね。〔Uさん、子ども5歳〕
興味がなかったものに手を出す
「時間ないし」「興味ないし」と避けてきたことに、あえて手を出してみました。それがすごく気持ちの切り替えになりましたね。たとえば、戦ったり血が出たりする漫画は大嫌いだったのですが、あえて読んでみよう!と手に取ったらハマりました。子どもが寝た後、夜な夜な読んでいるうちに、気分転換になってスッキリしたんです。また、「不器用だから」「面倒くさい」とずっと避けてきた刺繡をやってみたら、これまたハマりましたね。寝不足やら肩凝りはありますが、やっている最中も出来上がった後も気分が上がっています。それまでは「新しいことをやるのは面倒」と、ダラダラ動画を見たり、考え込んで鬱々とすることも多かったのですが、「ちょっとだけやってみるか」の気持ちが、ストレス発散や気分を落ち着かせることにつながる場合もあるんだなーと実感しています。〔Iさん、子ども10歳、7歳〕
これから2月に入り寒さも厳しくなりそうですが、しっかりと食事や睡眠を取る、日常生活を整えることが大切になってきます。コロナ禍や忙しい毎日ではなかなか難しいとは思いますが、今回ご紹介した「セルフケア法」を日々の生活に取り入れながら、いいメンタル状態で冬を乗り切っていきたいですね。