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2018.06.21

妊活中に必要な栄養素&食べ物一覧!さらに詳しい妊活食生活


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妊活や不妊治療中は、最大限に「妊娠しやすい身体づくり」を意識して生活しているという方が少なくありません。サプリメントで足りない栄養素を補っている方もいますし、「授かり体質」になりやすいと言われている食べ物を選んで食べるようにしている方もたくさんいますね。

「これは食べてもいいのかしら」と不安になってしまうこともありますよね。妊活中&不妊治療中は、いつ妊娠してもおかしくありません。常に「もう赤ちゃんがお腹にいるかもしれない」という状態です。そのため、妊活&不妊治療中に食べることがオススメな栄養素が持つ具体的な妊活効果や、多く含む食べ物を中心に今回はご紹介していきます。

妊活中の女性におすすめしたい食べ物&成分

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妊活中の基本は「いろいろな食材を食べる」ことですが、そのなかでも積極的に食べた方が良いとされる食べ物をご紹介します。

○玄米や全粒粉小麦
玄米や全粒粉小麦で作られたパンや麺類を食べることで、精白米や一般の小麦粉を常食しているよりも不妊のリスクを下げるという研究が、ハーバード大学で行われたそうです。なぜ玄米や全粒粉小麦が良いのかというと、血糖値の上昇がゆるやかという点がポイントになっています。

白いお米や小麦粉は血糖値が上昇しやすいと言われています。このことはダイエットでもよく知られているので、ご存じの方も多いかもしれません。そして血糖値が急上昇すると、インスリンというホルモンが分泌されて、血糖値を急激に下げようとします。血糖値が乱高下すると太りやすくなったり、糖尿病のリスクが高くなったりしますが、 実は血糖値の上下は女性ホルモンとも深い関係があります。排卵から生理開始までは血糖値が上がり、生理の開始日からは血糖値が下がります。個人差があり、あまり大きく変化しない人もいるのですが、女性ホルモンと血糖値が関わっていることは確かなようです。しかし血糖値が乱高下を繰り返すと、こういったバイオリズムにも影響を与えてしまう可能性があるのです。

そのため、食物繊維が豊富で血糖値がゆるやかにしか上昇しない玄米や全粒粉小麦を使ったパン・麺類などを食べているほうがが、人によっては「授かり体質」に近づきやすいと言えるでしょう。

○鉄分
女性は貧血に悩む人が多いですよね。鉄分が不足すると、生理で毎月出血がある女性の身体は貧血になりやすいのです。そこで赤血球を生成するために必要な鉄分は常に重要な成分です。鉄分と相性が良いのはクエン酸や銅で、補うことで鉄分が働くべきところへ運ばれ、正常に使用されやすくなるのです。

鉄分は赤血球となって酸素をスムーズに全身に運びます。さらに子宮内膜を成長させる働きもあります。子宮内膜が薄いと妊娠しにくくなってしまうので、妊活中はとくに意識的に鉄分不足を補いたいですね。妊娠中も鉄分は不足しがちなので、妊活中から補っておくと安心です。鉄分は薬で補充するよりも、食べ物からゆるやかに体内に蓄積した方が身体への負担が小さくなります。

鉄分はヘム鉄と非ヘム鉄の2種類に分かれます。非ヘム鉄は植物性食品に、ヘム鉄は動物性食品に多く含まれています。吸収率がダントツに高いのは動物性食品に含まれるヘム鉄で、10倍近く違う場合もあります。ヘム鉄が多く含まれているのはレバーをはじめ、牛肉のような赤身のお肉、マグロやカツオのような赤身のお魚、そしてあさりなどです。

クエン酸と一緒に摂ることで非ヘム鉄も吸収率がアップするので、お酢や梅干しなどクエン酸が多く含まれるものと合わせた調理がおすすめです。梅ドレッシングでホウレンソウやサラダ菜を食べたり、梅酢で春菊を和えて食べたりしても美味しいですね。

鉄分は卵子の生育に使用されるエネルギー生成にも重要な役割を果たします。血液を正常に作るということはとても重要な役目なのです。また鉄分不足による貧血状態はイライラや集中力低下、うつにも影響すると考えられています。さらに免疫機能低下にも関係するため、健康な身体を維持して「授かり体質」へと導くためにも鉄分は重要なのです。

○動物性&植物性タンパク質
タンパク質は、ヒトの身体を構成する物質です。私たちヒトの身体は多くが水分で占められていますが、それ以外の物質で最も多いのはタンパク質です。筋肉や内臓がタンパク質でできていることは良く知られていますが、タンパク質は髪の毛やツメ・皮膚・骨などあらゆる場所で重要な役割を果たします。

タンパク質はアミノ酸という小さな粒に分解され、ヒトの命を支え、命を支えるための熱を作り出します。筋肉や新陳代謝で熱が作り出され、身体が温められます。筋肉量が減ると体温も低下し、身体が冷えるため女性ホルモンのバランスが崩れやすくなります。体重50キロの女性なら、1日にタンパク質50gから70gくらい必要とされています。

タンパク質は牛肉などに多く含まれていますが、実は100gのお肉の中に20gほどしか含まれていません。そこでタンパク質を多く含む食べ物、鶏肉や豚肉、魚、卵、乳製品や大豆製品などさまざまな食材を上手に使って摂取することが大切なのです。動物性タンパク質と植物性タンパク質を一緒に食べると、タンパク質吸収が高くなるので、組み合わせて食べることがおすすめです。

お肉や魚には鉄分も多く含まれます。でも「太るから」「コレステロールが高いから」と避けがちになっていませんか。実はコレステロールも女性ホルモンのバランスをとるために一役かっているので、ある程度は摂る必要があるのです。また脂肪分も徹底的に排除すると便秘になるなど身体にはよくありません。お肉や魚もしっかり食べましょう。

タンパク質と相性が良いのはビタミンB群です。特にビタミンB6はタンパク質の代謝をサポートしてくれますし、血液や筋肉を作るためにも役立ちます。細胞もタンパク質でできています。もちろん、卵子もそうです。元気な卵子ちゃんを育てるためにも、授かり体質に必要な「体温」をアップさせるためにも、良質なたんぱく質をバランスよく食べたいですね。

○ビタミンB群
先ほど、ビタミンB6はタンパク質の代謝に役立ち、血液や筋肉を作るために不可欠というお話をしました。ビタミンBは水溶性ビタミンで、ビタミンB1・B2・B6・B12、ナイアシン・パントテン酸・葉酸・ビオチンという8種類をまとめてビタミンB群と呼んでいます。特にビタミンB群はタンパク質・糖質・脂質という3大栄養素の代謝に関わっています。

これらの食べ物、特に糖質はクエン酸によってクエン酸回路というエネルギー生成システムの中でエネルギーになります。ここにもビタミンB群は非常に深く関わっています。私たちの身体を動かすエネルギーとビタミンB群は、絶対に切ることのできない関係にあるのです。

またビタミンB群は赤血球や新しい細胞を生み出し、健康に保つためにも役立っています。そのため、妊活にも欠かせないビタミンと言えます。また脳や神経の働きを正常に保つ役割をもつビタミンもあります。ビタミンB群はレバーや魚・ほうれん草・あさり・赤身の魚・ナッツ類などさまざまな食品に含まれているため、いろいろな食べ物をバランスよく食べることが大切です。

○葉酸
葉酸はビタミンB群のひとつです。妊活ビタミンとしてよく知られていますが、どんな働きをするかはあまり知られていませんよね。葉酸は細胞分裂と赤血球の生成のために働くのです。貧血を防ぎ、免疫力を維持するためにも欠かせません。卵子は非常に細胞分裂が激しい細胞の一つなので、葉酸はとても重要なのです。

また妊娠に気付かないほどの初期に、胎児の脳や神経の発達に非常に重要な役割を果たします。そのため、いつ妊娠してもおかしくない妊活中のママは、常に葉酸をきちんと摂取している必要があります。ただ葉酸は野菜類にもごく微量にしか含まれず、熱にも水にも弱い成分です。食べ物だけで補うことはとても難しいので、サプリメントなどを上手に活用すると良いでしょう。

参考:

妊活にも◎市販の葉酸サプリおすすめランキング!葉酸量と栄養成分比較

 

また血管を拡張させて血流を良くする働きも持っているので、身体の冷えやむくみが気になる方にもおすすめです。

○ビタミンE
ビタミンEは脂溶性ビタミンのひとつです。ビタミンやミネラルは酵素が新陳代謝や消化・排泄などを行うためのサポート物質・補酵素の原料となります。そのため、三大栄養素がエネルギーになるためには、ビタミンが欠かせません。そんなビタミンには補酵素として働く生理作用という役割のほかに、薬理作用という病気の予防や治癒のために働く役割があります。

ビタミンEは、薬理作用として抗酸化作用を持っています。抗酸化作用は身体を酸化させ老化へつなげる活性酸素を抑制する働きがあります。活性酸素は殺菌効果なども持っているのですが、余分な活性酸素は細胞を傷つけたり脂質を酸化させて身体をサビさせたりといった悪さもします。老化物質として知られる活性酸素を抑え、身体を老化から守るために、今抗酸化物質が注目されているのです。

老化予防効果は美しさだけでなく、細胞の老化、卵子の老化を予防するためにも力を発揮してくれます。ナッツ類や植物から抽出されたナチュラルオイルなどに多く含まれるビタミンEは、非常に高い抗酸化作用を持っていることで知られています。卵子の若々しさを保つためにも役立つビタミンです。

またビタミンEには赤血球を柔らかく、若々しく保つ働きがあり、血栓も防ぎます。つまり血液サラサラ効果を持っています。血行・血流が悪く血管も狭い「冷え体質」は、妊活の大敵ですよね。血行を良くし血管を健康に保つことが「授かり体質」にも重要なのです。

○ビタミンC
ビタミンCも抗酸化作用を持っていることで大変よく知られています。美肌・美白成分としても女性に人気のビタミンですよね。なぜかというとコラーゲンを生成するために欠かせない成分だからなのです。そのため肌のターンオーバーには必要不可欠です。その他にも粘膜の健康にも欠かせないため、子宮の若さ維持・健康維持のためにもこまめに摂りたいですね。

ビタミンCには病気に対する免疫力やストレスへの抵抗力を強める働きもあります。まさに現代社会を生きるストレスフルな女性のためのビタミンと言えるでしょう。精神的なストレスにも肉体的なストレスにも、ビタミンCは立ち向かってくれるのです。さらに女性には欠かせない鉄分の吸収にも役立ちます。

さらにビタミンEと同じようにサラサラ血液を保ち、コラーゲン生成作用によって毛細血管も上部にしてくれます。やはり冷えやむくみが気になる方におすすめですよ。

○カルシウム
カルシウムのほとんどは骨と歯に集中しています。でも1%は血液や筋肉などに存在し、神経の働きや生命維持、肉体運動などを円滑にするために働いています。さらに止血にもカルシウムが使われます。カルシウムは微量でも非常に重要なため、骨という形で体内に常に貯蔵されています。

そして不足すると、いつでも骨の組織を壊して血中や筋肉中のカルシウムを補うというシステムが体内にはあります。特に妊娠中や授乳中は非常にたくさんのカルシウムが使用されるため、不足しがちです。妊活中から不足しないように補っておくことで、妊娠時もスムーズにカルシウムを補うことができます。

カルシウムは小魚や緑黄色野菜にも含まれていますが、特に吸収率が良いのは牛乳です。200㏄飲めば1日分のカルシウムの3分の1が補えるとされています。カルシウムは吸収しにくいミネラルとしても有名なので、乳製品などを上手に使ってしっかり補給したいですね。

○ビタミンD
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける重要な働きがあります。魚介類や卵、きのこなど限られた食品に含まれていますが、日光を浴びることによって体内で生成することが可能です。昼間の日光を5分~30分程度、週に2回以上日焼け対策無しで浴びるだけでOKなので、洗濯物を干す間だけなど、ちょっと日光浴気分で光を浴びましょう。

○マグネシウム
マグネシウムはカルシウムと連携して骨や歯を作る時に役立つほか、神経の興奮を抑える・300種類以上の酵素のサポート・エネルギー生成・血圧維持・筋肉の収縮といった重要な役割を担っています。カルシウムと同じように骨に貯蓄されていますが、やはり日本人は不足しがちです。ナッツ類や大豆のほか、玄米などにも多く含まれています。

またマグネシウムには血管を拡張する働きがあります。血流を助けてくれるので、下半身の冷えやむくみなどで「授かり体質」に変わりたいと願う女性のサポーターになってくれるのではないでしょうか。

○ポリフェノール
ポリフェノールは植物が自身を紫外線などの刺激から守るために作り出す物質で、苦みや色素の成分として存在しています。

・カテキン
・イソフラボン
・アントシアニン
・ルチン
・ショウガオール
・カカオポリフェノール
・クルクミン

これらが特によく知られており、強い抗酸化作用と血行促進作用を持っています。さらにカテキンの殺菌消毒作用やイソフラボンの女性ホルモン疑似作用、ルチンの毛細血管強化作用など独自の重要な役割も持っています。妊活時期は果物や玄米・野菜などをかたよりなく食べて補いたいですね。

○亜鉛
亜鉛は精子の質を高め、男性の妊活に欠かせないミネラルと言われていますが、女性にとっても非常に重要な働きを持ちます。新陳代謝に欠かせない成分で、タンパク質構成やDNAの転写、細胞の生まれ変わりの活性化などに不可欠です。卵子もDNAの転写や新陳代謝が重要な細胞なので、女性も不足しないように注意したいですね。うなぎなどの魚介類のほか、お肉や海藻にも含まれます。

○酵素
これまで紹介してきたさまざまな栄養素を消化吸収し、エネルギーに変えるために欠かせないのが酵素です。酵素はタンパク質の一種で、3000種類以上も存在します。私たち自身の身体でも作り出すことができるのですが、加齢とともにその働きは弱まります。そのため、多く含まれる生野菜や果物・お肉・魚などをバランスよく食べて、酵素も補いましょう。

酵素は1種類に決まったひとつの働きしか持ちません。さらに補酵素としてビタミンやミネラルも必要になります。「赤ちゃんが授かる食べ物はコレ!」というものはなく、いろいろな食材をまんべんなく食べることが大切と言えます。そしてそれらの栄養素をきちんと消化吸収し、授かり体質を作っていくために酵素は必要なのです。

○クエン酸
「クエン酸ってお掃除に使うんじゃないの?」と思われる女性も多いですよね。確かにお掃除アイテムとして近年とても人気があるのですが、食べ物に含まれる成分としてもとても重要な役割を持っています。クエン酸の「クエン」はシトロンのことで、レモンなどすっぱいフルーツなどにたくさん含まれる、酸の一種です。

なぜクエン酸が重要なのかというと、私たちの体内には「クエン酸回路」というシステムがあり、そのシステムが三大栄養素であるタンパク質・脂質・糖質を分解してエネルギーに変換しているからです。クエン酸回路がきちんと作動しないと、私たち人間は生きることができません。そのシステムのキーとなっている物質がクエン酸なのです。

クエン酸があることでバランスよく食べたたんぱく質や糖質・脂質はきちんと消化吸収され、あるべきところに運ばれて役割を果たします。アスリートに不可欠と言われるのは、クエン酸がなければスムーズなエネルギー変換ができないからです。さらに疲労物質の乳酸も分解してくれます。

妊活中はしっかり食べる必要がありますが、食べても消化吸収が良くなければ肥満につながったり、そのまま排出されてしまったりします。そのため、食べたものをきちんとエネルギーに変え、新陳代謝をアップさせて卵子を若く保つためにも、クエン酸の存在を忘れないようにしたいですね。

妊活といっても気負わないで!手を抜く方法もちゃんとあります

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妊活のために三食しっかり食べると太ってしまうのではないか……そんな不安を持っている方も少なくありませんよね。でも、かんきつ類や梅干しなどに含まれるクエン酸を補い、酵素を補い、適度な運動を行うことで、どんどん健康な「授かり体質」へと近づくことができます。好き嫌いやかたよりなくいろいろなものを食べることができるよう、気を付けたいですね。

次回は食べ方や選び方で注意したい食べ物や、サプリメントの上手な選び方などをご紹介したいと思います。「仕事もあるし、こんなにいろいろ毎日食べるなんて絶対にムリ!」と思った方も安心の、外食の選び方やチョイ足しアイデア、サプリメントの活用法などもご紹介していきます。

妊活と言っても気負う必要はありません。不妊治療だけでもとてもストレスを感じるものなので、食べ物にまで100%気を遣っていたら、疲れてしまいます。ちょっと見方を変えるだけ、ちょっと習慣を変えるだけで授かり体質を目指すコツもご紹介します。

 

 

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