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2016.01.23

【どんどん金銭的に麻痺!?】不妊治療費用はいくらかかる? 養子はあり?? 


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赤ちゃんが欲しい…切実な思いと比例する高額不妊治療費

BRAVAのメイン読者は30〜40代のワーキングマザー。

職場に理解があって、スムーズに結婚・妊娠・出産と辿り着けた人もいれば、なんとかやりくりして出産した人など、様々な方がいることでしょう。

でも、ワーキングウーマンの女性なら、誰でも一度は「いつ産めばいいんだろう?」という疑問を持ったことがあるのでは?

1月17日、「<不妊治療>高額費用に悩む人たち」というタイトルのニュースが毎日新聞より報じられました。

Yahoo! ニュースのタイトルは、かなり過激で、『<不妊治療>「まるでギャンブル」高額費用つぎこむ40代』というもの。

それもそのはず、記事によると、3人に1人が治療に200万円以上を支出しているというのです。

また、プレジデントの「40代で1000万円!? 不妊治療費の現実」という記事では、現在6組に1組が不妊治療を受け、毎年32人に1人の子どもが体外受精児で産まれてくるとのこと。

さらには、体外受精によって1人の子どもを出生するためにかかる医療費の平均は、30代前半で約150万円、40歳で372万円、45歳で3704万円

そして47歳になると、なんと2億3000万円なのだそう(国立成育医療研究センター不妊診療科医長・齊藤英和氏)。

金銭的に麻痺していく不妊治療

あああ

子どもがほしいその一心で、気づいたら治療費が高額に。

 

ニュース記事によると、「人工授精」の費用は1カ月3万~5万円

不妊治療のなかでは、比較的気軽に受けられるものだそうですが、それでもかなりの高額です。

次のステップである「体外受精」は1回30万~50万円程度

体外に採り出した卵子に精子をふりかけて受精させ、体内に戻すという治療法。

女性が30代前半までなら1回の体外受精で出産する確率は約20%ですが、年齢を重ねるとともにその確率は下がっていきます。

40代前半になると、体外受精による出産率は1回あたり1~8%程度まで下がるとのことです。

記事に登場する女性のコメントでは、「まるでギャンブルのように、金銭感覚が麻痺してきた」ため、2年半で300万円もの治療費を使ったそうです。

このような非常に成功率の高くない不妊治療対して、100万円以上を支払った人が過半数。3人に1人は200万円以上を支出していたそうです(「NPO法人Fine」2013年調べ)。

 

産めなかったら養子という選択も…という考えは甘い!?

海外ほど、日本の養子縁組

日本での養子縁組は難しいのでしょうか。

 

今、日本の女性が第1子を産む平均年齢は30.6歳(平成23年)に達しています

ニュース記事によると、赤ちゃんの約4人に1人は35歳以上の母親から産まれているそう(明治大/藤田結子准教授)。

現に私も、35歳を過ぎて2人出産しています。

「子どもができたらいいな」と思ってから2〜3年妊娠しなかったので、病院に行っていたら「不妊症」と診断されたのかもしれません。

さて、ある程度、年齢を重ねてから結婚する方のなかには、「自分の子どもじゃなくてもいい。養子という選択もあるのでは?」と思う方もいるようです。

結婚相談所アークロイヤルを営む大西加枝さんに話を伺ったところ、結婚相談所に入会する際、「子どもは欲しいのですが、自分の子どもじゃなくても構わない。養子という選択も考えていきたいと思っている」と語る方もいるとのことでした。

しかし、

「実は、日本で養子を得るのは非常に難しいのが現実です。海外セレブのケースなどを見て、『赤ちゃんを授かれなかったら養子という選択もある』と思っている方も多いのですが、今までに、養子を欲しいと思ってもなかなか得られず、断念したカップルも少なからずいました。

そもそも、事前準備だけでも時間がかかり、審査や手続きも複雑なため、日常生活を送りながらそれらを全うすることができず、諦めるケースが多いのです。

しかも、養子を得られる可能性が出てきても、自分で『あの子がいい』というように選ぶこともできないし、赤ちゃんが来るとも限りません」

とのこと。

しかし、やはりこのような状況は良くないと思っている政治家もいて、2012年には、超党派の議員を中心に、養子縁組あっせん試案が作られています(法律として国会で制定されてはいません)。

ほかに、里子という方法もあるのですが、やはり養子と里子だと法律的にも様々な異なる点があります。

現在、厚生労働省でも里親制度を積極的に進めていますので、里子について詳しく知りたい方は、下記をご参考ください。

里親制度等について

 

でも、不妊治療に高額注ぎ込むとか、里子か養子かで悩むというような窮地に追いやられてしまうのは、若い頃に「今の状況で安心して産み育てられると思えないから」でしょう。

お金のこと、仕事のこと、住まいのこと、自分の年齢や健康のこと……様々なことを考えるうちに、ズルズルと「そのうち」「自然に」「いつかは」と伸ばし伸ばしにしてしまう。

その気持ち、「分かる、分かる」って人多いと思うんですよね。

でも、それが「分かる、分かる」って社会、なんだかイヤだなあ……。

だって、結婚や出産って、本来ハッピーなコトでしょう? 小さな頃、「早くママになりたい!」と純粋に憧れることのできた状態のまま、その憧れを形にできる社会だとステキですよね。

それにしても、ずいぶん長く「少子化対策」を打ち出していますが、なかなか数字に表れてきていません。どうにかならないものなんですかね。

【記事まとめ】ママニュー7Days

中山美里

中山美里

ライター、編集


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