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2015.05.16

性虐待を受けて育った子供が大人になった時……?


「泣き寝入り」するしかないケースも

 

傷ついた子どもたちが泣き寝入りしない世の中に

傷ついた子どもたちが泣き寝入りしない世の中に

5月10日、自民党が児童虐待に関する時効の在り方の見直しを始めたという報道がありました。それは幼少時に受けた性的虐待が対象で、民事、刑事両面で成人になるまで時効を停止する案を軸に立法措置を検討しているとのことです。

被害者が加害者を訴えたいと思ったとき、民事で損害賠償の請求権が消滅するのは20年、刑事で公訴(強制わいせつ罪)できるのは7年となっています。

暴力による虐待と違い、性虐待の場合、被害者が「自分は性的な虐待を受けた」と認識できるようになるのは、その意味を理解してからになります。加害者が親、兄弟、親族の場合、相談相手もいないため表面化していないケースがあったり、被害に気づいても時効が成立してしまったりして「泣き寝入り」するしかないケースもあるとのことです。

 

実際に性虐待を受けた少女達

心の傷はなかなか癒えないもの

心の傷はなかなか癒えないもの

 

さて、私は、今までに性業界で働く女性や、いわゆる不良少女などを多く取材してきました。そのなかには、性虐待にあったという女性が少なからずいました。

その子たちの多くが、10代の半ばで家出をして、そのまま風俗やAVの世界に飛び込み、一層性的な面で傷つき、メンタルを病んでしまっていました。何人もの女の子を見て、接してきたなかで、回復するまでには、非常に時間がかかるということが分かりました。なんとか前向きになっても、学歴も職歴もないため、中年になって生活に困ってしまっている……という女性もいました。

性虐待に遭ったことで、人生が壊されてしまったと言っても過言ではありません。

 

また、自分の性を肯定的に受け止められるということは人生においてとても大切なことだと思っています。性で傷ついていると、上手に男女関係を築くことができません。つまり、結婚や新しい家族を築く上で、過去の性虐待や性被害は、被害者の女性にとって乗り越えなければいけない試練となります。

大人になってからじっくりとその被害と向き合い、折り合いをつけるためにも、この案は、ぜひとも良い形で実現してほしいと思いました。

【記事まとめ】ママニュー7Days

中山美里

中山美里

ライター、編集


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