2017.11.07
「みんな同じ」がそんなに大事?【横並び意識】の教育に異議あり!
息子(4)が幼稚園に通い始めたのですが、服装の規定が厳しくてびっくりしています。
靴下は紺のハイソックス、靴はゴム底も含めて真っ黒なもの、派手な水着は禁止……。
もちろん制服、ジャージ、バックは園の指定品です。
直前に通っていたのが自由奔放なドイツの幼稚園なので、そのギャップに目まいがしそう。
「なんでもかんでも同じにする必要あるの?」と疑問に思っていたところ、ショックな出来事がありました。
幼少期から「みんな同じが良い」と刷り込まれている!?
園の方針で真っ黒な靴を履かされているのですが、息子には少し大きいのでベージュの中敷きを入れてサイズを調整しています。
ところがある日、「これ(中敷き)をとりたい」と言い出した息子。
理由をたずねると、とんでもない答えが返ってきたんです。
「みんなと同じ黒じゃないとかっこわるいって、○○ちゃん(クラスメイト)に言われたの」
背筋が凍りつきました。
3歳や4歳の子どもに、すでに「周囲と同じでないとおかしい」という価値観が刷り込まれていることに。
同じ服を着て、同じバックを持ち、園指定の教材を使い、同じような靴と靴下を身につける。こんな環境で毎日を過ごしていると、異質なものに敏感になり排除したくなるのでしょうか。しかも判断力のない幼児だから、それが当たり前だと洗脳されていく……。
恐ろしくなり、慌てて「みんなと同じがかっこいいなんて、その考え方がかっこわるい。気にしなくていいんだよ」と説明しました。
必要なのは、異なる外見や価値観を認める心
息子が通う幼稚園は英語教育に力をいれているため、島国根性丸出しの同調圧力にますます疑問が湧いてきます。
グローバル社会に必要なのは、自分とは違う外見や価値観を受け入れること。異文化の人間を色眼鏡で見るようなマインドでは、英語がペラペラ話せても相手にされません。
それなのに、「みんなで同じことをしましょう」と横並びの英才教育をしてどうする!
ちょうど今、アメリカ人の血が入った女子高生が髪の毛の黒染めを強要されて精神的苦痛を受け、裁判を起こしたことが話題になっています。
これぞ、同調圧力の極み。
世間は教員や学校を非難していますが、「周囲と同じことが正しい」という教育は幼児期から着実に行われ、私たちの心の奥底にひそんでいます。
子どもに「みんな○○だから」と注意していませんか?
園での同調圧力に疑問を持ちはじめてから、あることに気づきました。
それは、私も「みんな○○だからやりなさい(やめなさい)」とたびたび息子に言っていたこと。
外で騒いだら「みんな静かにしているからやめなさい」。
好き嫌いをしたら「みんな食べているから食べなさい」。
恐ろしいですね。横並び意識がしっかり根づいていたんです。
正直なところ、「みんなと同じことをしなさい」と注意するのはラク。でもそれでは、子どもが自分で考える力や善悪を判断する力が育ちません。
極端な話、「みんなが戦争するって言うからやる」となる可能性すらあります。
園や学校の同調圧力はまだまだ続くでしょう。
だから「周囲と違っていい」という価値観を教えるのは家庭の役目です。まずは自分の中の横並び意識をデトックスすることから始めなければ!
平田けいこ
ライター