仕事、妊娠、出産、子育て、夫婦関係…働くママを応援| BRAVA(ブラーバ)

2015.08.08

恐怖のずんずん運動、有罪判決に!


我が子が病気で苦しむ姿に親はどうにかしてあげたいと

我が子が障害や病気で苦しむ姿に親はどうにかしてあげたいと焦るものです

子どものためを思って通った施術で……

ずんずん運動(ずんずん体操)という恐怖の施術、知っていますか? この施術によって、赤ちゃんが亡くなってしまった事件を記憶にとどめている方も多いのではないでしょうか? その施術を行っていたNPOの理事長だった姫川尚美被告に、8月4日禁錮1年執行猶予3年の判決を大阪地裁は言い渡しました。

この判決によると、「姫川被告は2014年6月2日、大阪市淀川区のNPO法人『子育て支援ひろばキッズスタディオン』(現在はすでに解散している)の事務所で、男児をうつぶせにして首をもみ、胸や腹を圧迫して低酸素脳症による多臓器不全で6日後に死なせた」ということです。

 

ネットを始め、テレビなどでは、「赤ちゃんが終始泣いているのに、なぜ止めなかったのか?」「見ていたら危険だと分かるのに、」「NPO側の説明を鵜呑みにして預けた親もある意味共犯」などと保護者にも責任がある……という意見が多く出ています

実際、ネットで検索してみると、非常に恐怖な映像や画像が続々と出て来ます。

このずんずん体操ですが、ダウン症やアトピー性皮膚炎のほか、免疫力を高めるなど効果があるとして、1時間1万円で施術をしていたそうです。

結局正しい情報ってあるんでしょうか?

病院によって診断内容や薬が異なることも

病院によって診断内容や薬が異なることも

我が家の2番目の子は、かなりひどいアトピーとアレルギーを持っていました。生後2カ月から全身に湿疹ができ、初めて粉ミルクを飲ませたときには全身に赤い発疹ができ、咳や涙もたくさん出てきて、救急車を呼んだほうが良いのかと思ったほどです。

その後、近くの小児科、国立病院、有名な皮膚科、漢方専門医などなど様々な病院を巡る日々が始まるのですが、親や親戚から、その辺を歩いている知らない人まで、「かわいそうね。ちゃんと病院に診てもらっているの?」「〇〇さんのところは、○大学病院で治療したら良くなったって」「いつまでたっても治らないじゃない」などなど様々なことを言われるわけです。

もちろん心配してくれているのは分かるし、ありがたい情報や手助けもあるのですが、正直、いらない情報やおせっかいも少なくありません

さらには病院に行ったら病院に行ったで、先生の言うことは全員違う。「3歳くらいになると良くなることも多いから、それまではのんびりいきましょう」「2歳になったらプロトピックという薬を使えるから、すぐに治りますよ」「ステロイドは絶対使っちゃいけません!」などなど。

つまり、どの医者もが自分が正しいと思っていて、その意見を押し付けてくるわけです。これは裏返せば、結果、どれが正しいかって決まってないですよねってコトです。ということは、誰のことも本当は信用できない……。

であれば、自分の中に指針を持って決断していかなければならないのですが、子育てのなかで出てくる様々な悩みには正解もないし、今正解に見えたようでも何年か経った後には分からないものでもあります。

それで悩むわけです。「私はこのままでいいのだろうか」「これで正解なのだろうか」と。

教祖が現れても不思議じゃない!

あああ

ママはどうすれば…と、一人で抱えて悩んでしまう

アトピーや重い病気、障がいを抱えた子どもを持つお母さんは、「なんとかしてあげたい」と思うと同時に、育てるのも大変。なのに、その悩みを共有できる人も少ないので、自ずと孤独になりがちです。

夫婦や家族で理解しあえれば良いのでしょうが、治療や育児の方針で意見が分かれたり、そもそも関心を持ってもらえないというケースもあることでしょう。「育児は任せたよ」と押し付けられ、右往左往するなかで、「私に任せなさい!」とドーンと構えた人が現れたら、まさに救世主。すがってしまうのも無理はありません

「ずんずん体操なんて非化学的!」だと言われていますが、そもそも現代の医療って、「なぜこの薬が効くのか分からないけど効く」とか「たまたま副作用として出たものが薬効になっている」なんてものも多いんですよね。病気の子どもを抱えていると、そういう事情にも詳しくなるから、逆に、化学不信にもなっていく……なんてセオリーも良くあること。

だから、このずんずん体操(ズンズン運動)に通っていたお母さんたちを責めたり、「もはや教祖だよね」などと揶揄(やゆ)するのは良くないんじゃないかと思うんです。

我が子のために藁をもつかむ思いだったお母さんたち、そんなお母さんたちを責めているのは、お母さん自身だとも思います。

自分の決断に迷った時、相談できる機関がどのお母さんの身近にもある。そんな社会になりますように。

 

 

【記事まとめ】ママニュー7Days

中山美里

中山美里

ライター、編集


, , , ,